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失敗しないラベンダーの育て方|環境別の育成ポイント

失敗しないラベンダーの育て方

フローラルでありながら、ハーブ特有のすっきりとした香りも併せ持つ「ラベンダー」。庭やベランダを彩るだけでなく、アロマセラピーやハーブティーとしても人気があります。ここでは、そんなラベンダーの育て方をイラスト付きで分かりやすく解説します。また、お庭での育て方だけでなく、プランターでの育て方もご紹介しています。ご自身の環境に合わせて、ラベンダーを育ててみませんか?

ラベンダー栽培と育て方の基本

ラベンダーの栽培カレンダー

ラベンダーの原産地は地中海沿岸地域で、乾燥した気候と日当たりの良い環境を好みます。ラベンダーが育ちやすい環境を元に、美しく健康に育てるための基本的なポイントを押さえておきましょう。

ラベンダーの種類と選び方

一般的に栽培されるラベンダーには、イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダーなどがあります。それぞれの種類は耐寒性や花の形状が異なりますので、栽培する地域の気候や目的に応じて選びましょう。

イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系)
イングリッシュラベンダーはラベンダーの中でも特に有名な品種で、その香りの強さと美しい花が特徴です。寒さに耐性があり、北海道でも育てられます。比較的手入れが簡単なので、ガーデニング初心者にもおすすめできる品種です。ただし種の発芽率は良くないため、家庭園芸では種まきから始めるよりも、苗から育てることが一般的です。

フレンチラベンダー(ストエカス系)
フレンチラベンダーは、美しい花穂と細長い「苞葉」が特徴的なラベンダーです。耐寒性がやや低く、乾燥した暑さには強いという特長があり、暖かい地域で鑑賞をメインで育てたい方におすすめです。フレンチラベンダーは剪定を効果的に行うことでその美しさを保つことができます。

フリンジドラベンダー(デンタータ系)
ラベンダー・デンタータ、通称フリンジドラベンダーは、その独特な切り込みのある葉と美しい紫色の花が特徴の品種です。この品種は他のラベンダーと比較して香りはやや弱いですが、開花期間が長く、庭園や鉢植えに最適です。耐寒性はそれほど強くはないので、寒い地域での栽培にはあまり向いていません。

ラバンディン(ラバンディン系)
ラバンディンは、ラベンダーの中でも特に人気のある品種で、一般的にハイブリッドラベンダーとして知られています。この品種は、イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーを掛け合わせたもので、耐寒性と耐暑性に優れた特性を持っています。そのため、ラバンディンは様々な気候条件で育てやすく、初心者にも適した品種といえます。ラバンディンは、比較的背が高く成長し、花穂も大きいのが特徴です。庭に植えると非常に目を引く存在となります。香りも強く、精油を抽出するための主な品種としても利用されています。ただし、香りはイングリッシュラベンダーに比べるとやや鋭い印象があります。

苗の選び方

ラベンダーの植え付けに最適な時期は春と秋です。ラベンダーの苗を購入する際には、植え付け適期に購入し、できるだけ早めに植え付けるようにしましょう。長期間ポットのままで放置すると、根が詰まりやすくなり、その後の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。購入先としては信頼できる園芸店や専門のナーサリーを選ぶと良いでしょう。

苗の葉は鮮やかな緑色で、しっかりとした形状を保っているものを選びましょう。葉が萎れている、または変色している苗は避けたほうが無難です。また、苗の根元を確認し、根がしっかりと土に絡みついているかを確認します。根が露出している場合や、根が黒ずんでいる場合は健康状態が良くない可能性があります。

適した土の準備方法

ラベンダー栽培に適した土の準備方法
ラベンダーを植え付ける前の元肥

ラベンダーは水はけが良い土壌で、弱アルカリ性(土壌pH6.5~7.5)の土を好みます。市販の園芸用培土は土壌の酸度(土壌pH)を弱酸性に調整しているものが多いため、ラベンダーの生育に合った市販の土を購入するか、市販の培養土に苦土石灰または「土壌pHバランス材※₂」を適量加えて土壌pHを少し高めに調整しましょう。
土を配合する場合は、赤玉土5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜると良いでしょう。適度な水はけと通気性を確保し、根が過剰な水分にさらされるのを予防します。また腐葉土の代わりに「腐植資材リフカ※₁」を加えることで適度な保水性と排水性を土に持たせることが出来るのでおすすめです。

また、元肥として固形の肥料を土壌に混ぜ込んでおきましょう。培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥を与えずにミネラル材※₃などの副資材のみ使用するようにしましょう。

腐植資材リフカ※₁、土壌pHバランス材※₂、ミネラル材※₃は自然暮らしの商品です

植え替え時期と手順

ラベンダーの植え替え時期と手順

ラベンダーの植え替えに適切な時期は、春先~初夏です。ラベンダーは根がデリケートなため、根鉢を崩さず優しく扱うことがポイントです。

①根鉢を優しく土から取り出し、古い土を軽く落とします。

②鉢やプランターに植える場合は鉢底に軽石を敷いて、排水性を高めます。

③「適した土の準備方法」で調整した土に、ラベンダーの根鉢がすっぽりと収まるような穴を掘って植え付けます。鉢やプランターの場合は、フチより2~3cm下の高さに植え付けてウォータースペース※を確保しましょう。※鉢やプランターの縁から下の部分に設ける水やりのスペースのこと

④根の周りに土を詰め、苗の植え付け位置が土壌表面より少し高くなるように植え付けます。少し高く植えることで株元の風通しを良くして過湿を防止する効果があります。

⑤植え替え後は、鉢底から水がしたたり落ちるくらいしっかりと水を与えましょう。植え替え後しばらくは直射日光を避け、明るい半日陰で育てます。

庭(地植え)の育て方と注意点

ラベンダーは日光を好む植物です。庭(地植え)で育てる際には、日当たりの良く、風通しの良い場所を選びましょう。土壌は鉢植えと同様に、排水性が良く、弱アルカリ性の土を好みます。植え付ける前に、土に土石灰または「土壌pHバランス材※₂」を適量加えて土壌pHをアルカリ性に調整しましょう。また肥料(元肥)を混ぜて栄養を補給しておきます。

また、ラベンダーは比較的乾燥に強いため、苗が根付いたら基本水やりは自然の雨水に任せます。一方新しく植えたばかりの苗はしっかりと根付くまで様子を見ながら水やりを行いましょう。過度の水やりは避け、土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。

ラベンダーの水やりと肥料管理

適切な水やりのタイミング

ラベンダーへの適切な水やりのタイミング

ラベンダーは乾燥に強い性質を持っているため、土がしっかり乾いてから水を与えるのが基本です。

鉢植えやプランター栽培の場合は特に、季節によって水やりの頻度を調整することも必要です。春から夏にかけては成長期となるため、土が乾いたら水を与えるよう心がけましょう。朝や夕方の涼しい時間帯に水をやることで、水分の蒸発を防ぎ、植物への負担を軽減することができます。逆に、秋から冬にかけては成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らし、やや控えめにします。特に冬場は土が乾燥してから数日経ってから水を与えるくらいが理想です。
また夏の梅雨時期や秋の長雨の時期は、湿度が高くなり、鉢やプランターの土が乾きづらい場合があります。雨の日が続く場合は、鉢やプランターに雨が直接当たらないように軒下に移動させ、水やりを控えて土の乾燥状態を確認するようにしましょう。

効果的な肥料の選び方と与え方

おすすめの肥料の成分

ラベンダーには窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)がバランスよく配合された肥料がおすすめです。窒素が多すぎると、葉や茎ばかりが茂り、花付きが悪くなる可能性があるためです。一方で、リン酸(P)とカリウム(K)が適度に含まれた肥料は、根の張りや花芽の形成を助け、ラベンダーの株の健康を維持する効果があります。

肥料の与え方

ラベンダーへの肥料の与え方

肥料の与え方としては、春~初夏(3月~6月)と秋(10月)の成長期に少量を追肥するのが効果的です。特に春先は、ラベンダーが新しい成長を始める時期なので、忘れずに与えるようにしましょう。有機質の原料が配合された肥料を使用することで、土壌の質を改善しながら栄養を供給できます。ただし肥料は過剰に与えると逆効果となることがあるため、適量を守ることが重要です。

固形の肥料の場合:
春~初夏(3月~6月)と秋(10月)に、1ヶ月に1回を目安に与えます。
肥料の種類としては有機化成肥料がおすすめです。肥料を施す際は株元から少し離れた場所に撒き、軽く表土と混和させましょう。


有機入りの化成肥料と、マグネシウム+微量要素で美しく咲くラベンダーを

花の育成に特化+キャップで計量しやすい
ガーデンフラワー用肥料セット

ガーデンフラワー用肥料セットは、草花・球根・花木の生育に欠かせない成分を組み合わせた肥料セットです。有機配合なので、分解者である微生物を豊かにして土壌を改善。お花を生育すると同時に、育ちやすい土壌環境へと整えます。微量要素の入ったミネラル材を併用するので、微量要素の効果で美しく大きな花に。有機特有の臭いが少なく、ご近所との距離が近いお庭やベランダでも安心してご使用いただけます。また付属のキャップで簡単に計量ができるため、肥料の過不足の不安が少ない商品です。

 



液体肥料の場合:
適切な濃度に薄めて、春~初夏(3月~6月)と秋(10月)に2週間に1回を目安に与えましょう。


肥料の過不足の失敗が少なくて園芸初心者でも安心

ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥

水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。

季節ごとの育て方と対策

ラベンダーの季節ごとの育て方と対策

夏の暑さ対策

ラベンダーは地中海原産で乾いた気候を好む植物です。高温多湿に弱いため、通気性の良い場所で育てましょう。通気性を確保するために鉢やプランターを地面に直接置かず、台やレンガなどの上に置いて空間を作ってあげると良いでしょう。ラベンダーは日当たりを好みますが、夏の強い日差しが直接当たると葉焼けをしてしまう可能性があるので、直射日光は避けて、朝夕の柔らかい日差しを受けられる場所に移動させましょう。

ラベンダーのマルチング
また地植えの場合は藁やバークチップなどを株元に敷く「マルチング」を活用して土壌の温度を下げ、湿気を逃がす工夫をすると良いでしょう。夏場の水やりについては、高温のため土が乾燥しやすくなるので、乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。ただし梅雨時期は雨が降って湿度が高い状態になるので、過剰な水やりをしないように注意しましょう。



冬の寒さ対策

ラベンダーは品種によっては耐寒性がありますが、寒冷地での冬越しには適切な対策が必要です。地植えの場合は、土壌の表面をマルチングすることで根を保温します。マルチングには、藁やバークチップを使用すると効果的です。鉢植えの場合は、鉢を風の当たらない場所に移動し、必要に応じて不織布や断熱材で鉢全体を覆います。

また、冬場は水やりの頻度を減らすようにしましょう。過剰な水分は根腐れの原因となるため、土が完全に乾燥した状態を確認してから水を与えます。ラベンダーは冬の期間は休眠状態になるので、根からの水の吸水量も落ち、肥料も必要としなくなります。冬の間は肥料の使用を控えましょう。

剪定も冬の管理のひとつです。枯れた枝や花を除去することで、植物の形を整えるだけでなく、病害虫の発生を防ぎます。剪定は軽く行い、春の成長期に備えましょう。

鉢植えやプランターの場合は、ラベンダーを室内に取り込んでも良いでしょう。特に寒さが厳しい地域では、室内の明るい場所に鉢を移動することで、寒さによるダメージを防ぎます。ただし、室内でも適度な湿度と換気を保つことが重要です。

ラベンダーを綺麗に咲かせるための剪定

ラベンダーを綺麗に咲かせるための剪定

ラベンダーの開花時期は品種によって異なりますが、一般的には6~7月に花が咲き終わります。花が咲き終わったら早めに剪定(切り戻し)を行いましょう。風通しが良くなり、病害虫の発生を予防できます。また、次の花の成長を促進し、株全体の見た目を整えることができます。

ラベンダーの季節ごとの剪定の目的と方法は以下の通りです。

  1. 5月 開花始めの頃:
    剪定の目的:ドライフラワーやポプリ、オイル抽出などのための収穫
    剪定方法:弱剪定
    花と蕾がついている茎を収穫する目的で行う剪定です。収穫目的ではなく、鑑賞目的で育てている場合は、この時期の剪定を行わなくても問題ありません。剪定する場合は、新芽の少し上あたりをカットして、株全体を1/2ほど刈り込みながら花を収穫しても良いでしょう。この時期に花をカットしてあげることで、新芽にエネルギーが集中して、新芽の展開が早くなり株が充実するようになります。あまり深く刈り込むと新芽までカットしてしまうので注意しましょう。

    ラベンダーの5月の剪定 開花始めの頃

  2. 6~7月 花が終わった頃:
    剪定の目的:余分な栄養消費を抑え、風通しを良くする
    終わった花の剪定を行うことで、余分な栄養消費を抑えてこれから展開する新芽へ栄養を向かわせます。また湿度が高くなる梅雨前に、株全体の風通しを良くします。
    剪定方法:切り戻し剪定
    ラベンダーの花が色褪せて茶色くなってきたころが花の終わりになるので、新芽の上くらいまで全体的に切り戻し剪定を行います。株の高さが1/3くらいになるように低く刈り込んでいきます。枯れた花が残っていたり、花芽が残っていたりすると株に余計な負担をかけてしまうので、しっかりと切り戻しましょう。
    また株の内側方向に伸びる枝が多い場合や、内側で絡み合っている場合は、細く弱い枝をカットして全体的に枝数を少なくして風通しを良くするようにしましょう。

    ラベンダーの6~7月の剪定 花後


  3. 植え付けてから2~3年経った株:
    剪定の目的:株の更新と樹形を整えるため

    ラベンダーは生育が順調な場合、2~3年育てていると株がどんどん大きくなり、下部の古い枝が太く木質化してきます。古くなった枝からは芽吹かなくなり樹形を維持できなくなるため、定期的に強剪定を行って株をリセットします。開花時期は品種ごとに異なるため、強剪定を行う時期は以下を参考にしてみてください。
    ・2月~3月上旬 イングリッシュラベンダー系
    ・10月下旬~11月上旬 フレンチラベンダー系
    剪定方法:強剪定
    ラベンダーの株元の一番低い位置に新芽を確認し、その新芽の上をカットします。枯れている枝、細い枝などはすべて根元からカットして、新芽に日光が届くようにしましょう。

ラベンダーの育て方Q&A

ラベンダーの育て方Q&A

初心者におすすめの品種、育て方は?

初心者におすすめの品種としては、暑さに強く、冬の寒さにも比較的強いイングリッシュラベンダー系とラバンディン系のラベンダーをおすすめします。これらの品種はラベンダーらしい香りを持ち、耐寒性があり、また比較的手間がかからないため、初めてラベンダーを育てる方もおすすめです。観賞用としてはフレンチラベンダーもおすすめです。フレンチラベンダーは温暖な気候に適しており、花の形状が特徴的で観賞価値が高い品種です。

ラベンダーは日当たりが良く、乾燥した場所を好むため、適したお庭がある方は地植え・庭植えから始めても良いでしょう。スペースが少ないという方は鉢植えやプランター栽培がおすすめです。鉢やプランターであれば、ラベンダーに適した環境へ移動させることが比較的簡単です。

ラベンダーが枯れる原因は?

水の管理
ラベンダーは乾燥を好む植物であるため、過剰な水やりは根腐れを引き起こし、枯れる原因となります。土壌が常に湿っている状態は避け、土が乾いてから水を与えるようにしましょう。特に鉢植えの場合、冬場はラベンダーの根からの吸水量が落ちて過湿になりやすいので、乾燥気味に育てると良いでしょう。

土の状態
ラベンダーは水はけの良い土を好み、粘土質の土や排水性の悪い土では根が窒息してしまうことがあります。専用の培養土を使用するか、土壌に対して川砂を2割程度混ぜ込み、排水性を確保しましょう。

日照不足
ラベンダーは日光を好むため、日当たりの良い場所に置くことが必要です。日照が6時間以上確保できる場所を選ぶとよいでしょう。

肥料の過剰使用
肥料が多すぎると、葉が焼けたり、根がダメージを受けたりすることがあります。特に窒素の多い肥料は避け、適量を守るように心がけてください。

病害虫
ラベンダーは病害虫に強い植物ですが、高温多湿の状況下ではアブラムシやカイガラムシ、ハダニなどがつきやすく、ラベンダーの株を弱らせてしまいます。定期的に株全体をチェックし、見つけ次第駆除しましょう。

ラベンダーの増やし方は?

ラベンダーは挿し木によって比較的簡単に増やすことができます。

挿し木の方法

挿し木は、春から初夏にかけて行うのが最適です。健康なラベンダーの枝を選び、10cm程度に切り取ります。切り口の下部の葉を取り除き、水に浸してから挿し木用の土に挿します。土は水はけの良いものを選び、適度に湿らせてください。挿し木を置く場所は、直射日光を避けた明るい場所が理想的です。根が出るまでには数週間かかるので、乾燥に注意しながら見守りましょう。

育て方のコツをおさえて、美しいラベンダーに

育て方のコツをおさえて、美しいラベンダーに

乾燥に強く、屋外で育てることができるラベンダーは園芸初心者の方にもおすすめできる育てやすく強い植物です。ただし、通常の草花と同じような育て方をすると、過湿や蒸れで健康に育たない場合があります。乾燥気味に育てて、美しくて香りが良い花を楽しみましょう。

 

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