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パンジーとビオラはスミレ科の植物であり、プランターや鉢植え、庭やベランダを華やかに彩る人気の花です。両者は非常に似ているため、区別が難しいこともありますが、それぞれに特徴と魅力があります。ここでは、パンジーとビオラの違い、育て方の基本、肥料の与え方、そして長持ちさせるためのお手入れ方法やコツについて詳しく解説していきます。正しい育て方で簡単に、より綺麗な花をたくさん咲かせましょう。
本来は品種としての区別あり
パンジーは1800年代初頭に生まれた品種ですが、ビオラはその後に生まれたとされています。パンジーの方は古くから盛んに品種改良が成され、カラーバリエーションが豊富で色が鮮やかなものが多く存在します。ビオラは、100年ほど前は数種類しか存在していなかったそうですが、現在は交配が進み様々な色や形の花が誕生しています。
園芸の世界では、便宜的に呼び分け
パンジーとビオラはどちらも同じ「スミレ」に属していて、お互いに交配することができます。品種改良を進めた結果、複雑な品種体系となってしまい、明確な分類が難しくなりました。そこで園芸の世界においては、大きな花を咲かせて花数が少ない方がパンジー、小さな花を咲かせて花数が多い方がビオラ、というように便宜上、見た目で呼び方を変えているというわけです。
パンジーはその大きな花と豊富なカラーバリエーションが特徴です。花の直径は5〜10cmと比較的大きく、鮮やかな色彩や独特の模様が目を引きます。パンジーは寒さに強く、冬の間も美しい花を咲かせるため、冬から春にかけてのガーデニングに最適です。さらに、パンジーは比較的育てやすく、初心者でも手軽に育てることができるため、ガーデニングの入門としても人気があります。
パンジーは花壇や鉢植え、プランターやコンテナガーデンなど、さまざまな場所で楽しむことができます。また、一重咲きや八重咲き、フリル咲きなど多様な花形があり、鮮やかな色彩と豊富な品種のおかげで、寄せ植えや花壇のアクセントとしても活躍します。
ビオラの特徴と魅力ビオラは、小さな花と豊富な花数が特徴です。花の直径は2〜3cmと小さめですが、その分たくさんの花を咲かせるため、華やかな雰囲気を演出します。ビオラはパンジーと同様に寒さに強く、冬から春にかけて長期間楽しむことができます。また、ビオラはパンジーに比べて耐寒性が高く、寒冷地でも育てやすいのが魅力です。
ビオラは、花壇や鉢植え、ハンギングバスケットなどで楽しむことができ、その小さな花が密集して咲く様子はとても可愛らしいです。さらに、ビオラは香りが良い品種も多く、庭全体に甘い香りを漂わせることができます。ビオラの多彩な色合いや花形は、他の植物との組み合わせにも適しており、ガーデンデザインの幅を広げます。
パンジーとビオラのどちらも、その独特の魅力を持ちながら、育てやすさと華やかさを兼ね備えています。パンジーとビオラを上手に取り入れることで、四季折々の美しいガーデンを楽しむことができるでしょう。
適した温度や日当たり、風通し
パンジーとビオラの生育に適した温度は、5~20℃です。種から栽培した場合、発芽適温は15~20℃で、最高気温が25℃を超えない頃が適期とされています。また、日当たりの良い場所を好み、特に朝日が当たる場所が最適です。ただし、強い直射日光や高温には弱いため、夏場は半日陰になる場所を選ぶと良いでしょう。また、風通しの良さも栽培する上で重要なポイントです。風通しが悪いと蒸れによって病気が発生しやすくなるため、庭やベランダの配置にも注意が必要です。
最適な土壌
パンジーとビオラは、水はけの良い土を好みます。市販の花壇用培養土を使用するか、自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものがおすすめです。
また使用済みの培土や花壇の土を再利用する場合は、「土壌改良材セット」がおすすめです。混ぜ込むだけで土がふかふかに改良され、保肥力・保水力がアップします。
さらに、元肥(もとひ、もとごえ)として緩効性の固形肥料を少量混ぜ込んでおくと、初期の生育が良くなります。また、植え付け前に土をよく耕し、根が伸びやすい環境を整えると良いでしょう。
パンジーやビオラは種からでも育てることができます。タイミングは秋(9~10月)が最適で、冬を越して春に美しい花を咲かせることができます。
まず、種をまくためのポットやセルトレイ、専用の種まき用土を用意します。種まき用土は、水はけが良く、細かい粒子であることが重要です。市販の種まき用土を使用するか、自作する場合はピートモスとバーミキュライトを混ぜたものを用意すると良いでしょう。
種まきの手順としては、
発芽後は、双葉が出たら間引きを行い、間隔を広くして健全な成長を促します。間引いた苗は、別のポットに移植して育てることも可能です。発芽から本葉が数枚出てくるまでの間は、引き続き適度な湿度を保ちながら、水やりを行ってください。
苗がしっかりと育ってきたら、定植タイミングです。
パンジーの苗は秋から早春にかけて園芸店やホームセンターなどで購入することが可能ですが、植え付けにおすすめの時期は10~11月です。葉が青々としており、病気や害虫の跡がない苗を選びましょう。また、根がしっかりと張っていることも重要です。植え付けの際は、苗を鉢や花壇に移す前に、軽く根をほぐしてから植えると、根が土に馴染みやすくなります。植え付け後はたっぷりと水を与え、土と苗が密着するようにします。
パンジー・ビオラの根鉢は崩しても良い?崩してはいけない?
パンジー・ビオラは「ひげ根」タイプの植物です。根が詰まっている場合は崩してあげると細かい根が生えやすくなります。肥料や水分の吸収が良くなるため、苗を購入した際に根が詰まっているようであれば崩してから植え付けてあげると良いでしょう。
根鉢の崩し方
根はポットの下方で詰まりやすいので、下の方を優しくほぐすようにして広げます。
しかし、いざ根鉢を崩そうとしても、まったくほぐれないほど詰まってしまうことがあります。そのような時は、根鉢の底に十字の切り込みを入れるか、下方から1~2割の根を切断するとほぐしやすくなります。
鉢やプランターで育てる場合、適切なサイズの鉢を選びましょう。直径15~20cm以上の鉢が理想的です。寄せ植えの場合は直径30㎝以上の鉢かプランターがおすすめです。また、底に穴が開いている鉢を使用し、水はけを確保します。鉢植えの場合、水切れが早いため、こまめな水やりが必要です。特に乾燥しやすい時期は注意が必要ですが、過度な水やりは根腐れの原因となるため、土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。
寄せ植えは植物の特性を理解し、相性の良い組み合わせを選ぶことが重要です。パンジーやビオラは日当たりを好む植物なので、同じように日光を必要とする植物と一緒に植えると良いでしょう。逆に、日陰を好む植物とは相性が悪いため避けるべきです。
パンジー・ビオラは日光を好むため、窓辺や日当たりの良い場所に置くようにしましょう。また、パンジー・ビオラは比較的涼しい環境を好むため、室温は15〜20℃程度が理想的です。夏場や暖房の効いた部屋では、温度が上がりすぎないよう注意が必要です。温度が高すぎると、花が早く終わってしまうことがあります。さらに、室内は外よりも空気がこもりやすく、通気が悪いと病気や害虫の発生が増える可能性があります。定期的に窓を開けて換気を行い、空気の流れを確保することが重要です。
パンジーとビオラは、水を好む植物ですが、過湿には弱いので注意が必要です。基本的には土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に、植え付け直後と成長期には水分が必要です。朝方に水やりをすることで、日中の蒸発を防ぎ、根がしっかりと水を吸収できます。梅雨時や雨が続く場合は、水やりを控えめにし、過湿を防ぐ対策を取りましょう。
パンジーやビオラの成長を促進し、美しい花を咲かせるために肥料は必要不可欠です。適切な量&タイミングで肥料を与えて、美しい花を長期間楽しみましょう。
パンジーとビオラには窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)をバランスよく含んだ総合肥料が適しています。窒素は葉の成長を促し、リン酸は花の形成を助け、カリウムは植物全体の健康を維持します。また、鉄、マグネシウム、カルシウムなども含まれている肥料を選ぶと、光合成をサポートして植物の健康を維持しやすくなります。
固形肥料や液体肥料のいずれも使用できますが、初心者には液体肥料がおすすめです。液体肥料は速効性があり、植物の成長をすぐにサポートすることができるためです。固形肥料を使用する場合は、緩効性のものを選び、土に混ぜ込むか、植え付けの際に根元に置くと良いでしょう。
液体肥料は液体中に肥料成分が溶け込んでいるため、根から吸収されやすく、効果をすぐに発揮することが可能です。パンジーやビオラに液体肥料を与える場合は、希釈濃度を守って1週間に1回を目安に様子を見ながら与えましょう。夏の暑い時期や冬の寒い時期には成長が鈍るため、肥料の頻度を減らしたり、完全に休止したりすることも検討してください。また、液体肥料を与える際は、水やりと同様で土壌表面が乾いてきたタイミングで行うのがベストです。葉に液体肥料がかかると葉焼けを起こすことがあるため、なるべく根元に直接与えるようにします。夏場は朝や夕方の涼しい時間帯に与えると、肥料成分が根から吸収されやすく、効果を発揮しやすくなります。
液肥の希釈濃度
液体肥料の希釈も重要なポイントです。市販の液体肥料には、適切な希釈倍率がラベルに記載されています。この希釈倍率を守らないと、肥料が濃すぎて根を傷めてしまう可能性があります。逆に薄めすぎても効果が薄れるため、適切な濃度を守りましょう。
液体肥料の選び方も重要です。パンジーやビオラには窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)のバランスが良い肥料が適しています。特に、花を咲かせるためにはリン酸が重要ですので、リン酸の含有量が高い肥料を選ぶと良いでしょう。また、微量元素(鉄、マグネシウム、カルシウムなど)も含まれている肥料は光合成を活性化させ、植物体を健全に生育させる効果があります。
固形肥料は液体肥料とは異なり、効果を緩やかに長く発揮することが特徴的な肥料です。固形肥料は植え付け前の「元肥(もとごえ、もとひ)」と生育中に与える「追肥(ついひ)」として使用します。
元肥
種まきや苗の植付前に、固形の肥料を土壌によく混ぜ込みます。混ぜ込むタイミングは、種まきや植付の1週間前が理想的です。あらかじめ混ぜ込んでおくことで肥料が土に馴染み、その後の花の生育が良くなります。
追肥
追肥として、1ヶ月に1度くらいの頻度で固形肥料を追加することがおすすめです。肥料が葉の上に乗らないように注意し、また株元から少し離して土の表面に肥料をまきます。葉に乗ってしまうと、肥料焼けの原因になるので必ず土の上にまくようにしましょう。また、降雨直後に葉が濡れている状態で与えると肥料が付着してしまうため、乾いた状態で与えるようにします。
また、固形肥料をまく際には、土の表面を軽くほぐしてから行うと、肥料がより均等に行き渡ります。肥料を与えた後は、しっかりと成分が浸透するように、たっぷりと水を与えることが大切です。土が乾燥していると肥料が溶けにくく、効果が薄れるため、肥料を与えた後も水やりを適度に行いましょう。
肥料の種類としては、園芸用の窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)のバランスが取れた総合肥料が最適です。特に、リン酸の含有量が高い肥料を選ぶと、花付きが良くなります。また、市販されているものではゆっくりと溶け出すタイプの長期持続型肥料も便利です。頻繁に肥料を追加する手間を省け、植物の健康を維持しやすくなります。さらに、微量元素(鉄、マグネシウム、カルシウムなど)の肥料を与えることで光合成を促進することができるので、総合肥料と併用することをおすすめします。
肥料の与え過ぎにはご注意を
肥料を使用する際には、過剰に与えないことが大切です。過剰な施肥は、植物の根にダメージを与え、成長を阻害する原因となります。適量を守ることで、パンジーやビオラの健やかな成長をサポートしましょう。
パンジーやビオラの成長に合わせて臨機応変に肥料を与えることで、美しい花をより長く楽しむことができます。少し上級者向けになりますが、液体肥料と固形肥料を併用して、お花の健康を維持してみましょう。例えば、種まきや植付前には固形肥料を混ぜ込んで土壌の基礎をつくり、成長期や花の開花期には液体肥料を7日に1回程度与えて生育を促進する方法があります。また、降雨が多い場合は液体肥料が流されやすく効果を発揮しにくいため、固形肥料に切り替えます。パンジー・ビオラの活性が落ちる厳寒期や高温期は根から栄養を吸収することが難しくなるので、液体肥料を「葉面散布」して、葉から肥料成分を吸収させる方法も検討してみてください。
「花がら摘み」や「切り戻し」はパンジーやビオラを美しい姿で長く保つために欠かせないお手入れ方法です。
花がら摘みとは、咲き終わった花を取り除く作業のことを指します。パンジーやビオラは、次々と花を咲かせるため、花がら摘みを行うことで新しい花の成長を促進し、見た目も美しく保つことができます。
まず、花がら摘みを行うタイミングですが、花びらがしおれて色が褪せてきたら摘み取るサインです。摘む際には、花だけでなく、その下の茎ごと摘み取ることが重要です。茎の途中で切ると、切り口から病原菌が侵入しやすくなるため、できるだけ茎の根元近くから摘むようにしましょう。
花がら摘みは指で摘む方法が適切ですが、茎が太い場合は剪定ばさみを使いましょう。剪定ばさみは清潔にしておくことが大切で、アルコールで消毒してから使うことで病気のまん延を防ぐことができます。
また、摘んだ花がらはそのまま放置せず、早めに処分します。放置すると病害虫の温床になる恐れがあるため、ゴミ袋に入れて捨てるか、庭の隅に穴を掘って埋めると良いでしょう。
花がら摘みを定期的に行うことで、植物全体の風通しが良くなり、病気の予防にもつながります。特に雨が続いた後や湿度が高い時期は、病気が発生しやすくなるため、花がら摘みの頻度を増やすと良いでしょう。
切り戻しとは、成長した植物の一部を剪定することです。この作業により、新しい芽が出やすくなり、花の数が増え、株がより強くなります。以下に、具体的な手順とポイントを説明します。
パンジー・ビオラは、花の展開が期待できる3月頃までに行いましょう。3月までに切り戻しておくと春の4~5月まで長く花を楽しむことが出来ます。この他、株が徒長して形が乱れてきた場合や、病害虫によって葉や茎がダメージを受けている場合に適宜切り戻しを行います。切り戻しの際は、清潔な剪定バサミを使用し、病気や害虫の感染を防ぐために消毒しておくことが大切です。
切り戻しの方法として、まずは株の全体を確認し、枯れた葉や古い花がらを取り除きます。その後、全体の高さを均一にするために、株全体を約1/3から1/2程度まで切り戻します。特に、徒長している部分や形が乱れている部分を中心に剪定すると良いでしょう。この際、葉の付け根に近い部分で切ることがポイントです。新しい芽がその部分から出やすくなります。
また、切り戻し後は、適切な肥料を与えることが重要です。切り戻しにより、一時的に株がストレス状態になりますので、栄養を補給してあげることで、回復を早めることができます。固形肥料を与える場合は窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)を含んだ肥料と、不足しがちなマグネシウムやホウ素などの微量用を含んだ「ミネラル材※₁」を与えてあげると光合成が促進され、切り戻しによって失った体力を早期に戻すことができます。液体肥料を使用する場合は、規定量を守り、水やりと一緒に行うと効果的です。
さらに、切り戻し後の水やりにも注意が必要です。土が乾燥し過ぎないように、適度に水を与え、根がしっかりと吸収できる環境を整えましょう。また、切り戻し直後は直射日光を避け、半日陰の場所で管理することで株の負担を軽減し、失った体力を回復させることが出来ます。
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パンジーやビオラは寒さに強く、種類によっては-10℃ほどの耐寒性がある植物ですが、真冬でもきれいな花を楽しむためには工夫が必要です。風が強く当たる場所や霜が降りやすい場所を避け、できるだけ日当たりの良い場所に植えつけましょう。厳寒期に霜や大雪にあたりそうな日は、株がダメージを受けてしまう可能性があるので、心配な場合はシートなどで株を覆って軽く保温してあげると良いでしょう。
また、水やりは土の表面が乾いた時に行い、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与えます。水やりは頻度を控えめにし、なるべく午前中に行うことがポイントです。特に霜や雪の場合は、水やりは控えてください。
さらに、本格的な冬の前に緩効性の肥料を与えることで、パンジー・ビオラの栄養状態を整えることができます。緩効性の肥料はゆっくり長く肥料の効果が出てくるので、寒さで成長が鈍くなる時期でも、完全に栄養が切れてしまうのを防ぐことができます。また水やりと同時に液肥を与えてあげるか、葉面散布で栄養を補うことで、春先までの株作り、芽吹きのスピードに違いが出てきます。
必要な養分をしっかりと供給する肥料は適量を守り、与え過ぎには注意しましょう。
パンジーやビオラはヨーロッパや北米を原種とする植物のため、寒さに強い一方で夏の高温多湿には弱い植物です。日本では秋ごろに植えてから春を終え夏になると枯れてしまうイメージがありますが、適切な方法で手入れを行うことで夏越しさせることが出来ます。昨今は貴重な品種や高価なパンジー・ビオラも出てきているので、ぜひ夏越しに挑戦してみてください。
夏越しをする場合はまず、夏の暑さからパンジー・ビオラを避難させるため4~5月に庭植えの株をポットや鉢に植え替えておきます。すでにプランターや鉢植えの場合はそのままで問題ありません。植え替える場合は根を傷つけないように優しく植え替えてください。植え替え後は日陰管理で1~2週間を目安に体力を回復させてから、日の当たる場所に鉢を置きましょう。
6~7月の梅雨時期は雨に直接当たらないような軒下で管理をします。湿度が高くなってくるので風通しの良い場所を確保する事も重要なポイントです。また古い花がらや枯れた葉を取り除きましょう。株が込み合っている場合は少し切り戻しをして通気性を良くしてください。
8~9月もまだ残暑があるので、引き続き日陰で管理するか遮光シートを使用しながら、通気性の良い場所で管理すると良いでしょう。パンジー・ビオラの株自体は活動が低下しているので水や肥料は多く必要としません。雨の日や湿度が高い日を避けながら、鉢の土が乾燥している場合は、鉢底から染み出す程度に水を与えます。また、液体肥料を葉面散布で1~2週間おきに与えると良いでしょう。
10月に入り、気温が20℃以下になったタイミングがパンジー・ビオラの活動開始時期です。ポットや鉢に植えていた株を庭に植え付けたり、他の鉢に植え替えたりすることで、また元気なパンジー・ビオラの花を楽しむことが出来ます。パンジーやビオラをこんもりと、たくさん咲かせてみたいと思ったことはありませんか?パンジー・ビオラは1つの株から花の数を増やしたり、株自体を増やしたりすることが比較的簡単にできる植物です。以下では、摘芯とさし芽の二つの方法とコツについて詳しく解説します。
摘芯はパンジーやビオラの花の数を増やすための効果的な方法です。摘芯とは、成長中の植物の先端部分を切り取ることを指します。この作業によって、植物はエネルギーを新たな枝や花を生み出す方向に使うことになります。パンジーやビオラの摘心に適した時期は、9~10月の秋ごろ、植え付けた若い苗が根付き始める頃がベストなタイミングとなります。主茎の先端部分をハサミでカットすることで、脇芽が発生し、複数の枝を形成してその新しい枝に花が咲くため、全体として花の数を増やすことができます。
摘芯を行うタイミングは、苗が本葉を数枚展開した時期が適しています。具体的には、本葉が4~6枚になった時に摘芯を行うと効果的です。早すぎる摘芯は植物の成長を妨げ、遅すぎる摘芯は既に花芽が形成されているため効果が薄れます。摘芯を行う際には、清潔なハサミを使用し、病気の感染を防ぐことも重要です。
摘芯を行った後には、植物が新しい枝を伸ばすためのエネルギーを必要とします。そのため、しっかり追肥で肥料を与えることが重要です。肥料を与えることで健康な葉や枝の成長を促進します。さらに、微量要素を含んだ「ミネラル材※₁」を補給することで、光合成を促進することができます。
摘芯は一度だけでなく、必要に応じて何度か行うことが可能です。最初の摘芯から新しい枝が出てきたら、その枝の先端も同様に摘芯することで、さらに多くの枝が茂り、花を楽しむことができます。ただし、頻繁に摘芯を行うとパンジー・ビオラに負担がかかるため、適度な間隔を保つことが重要です。
摘芯によってパンジーやビオラの花壇が一層華やかになるため、ぜひ試してみてください。
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さし芽をすることでパンジーやビオラの株を簡単に増やすことができます。さし芽に適した時期は秋の10月ごろか、早春の3~4月がおすすめです。11月以降は気温が下がりすぎ、5月以降は気温が上がり過ぎてパンジー・ビオラの活性が落ち、さし芽からの発根がしにくくなります。気温が15℃前後で安定した時期であれば成長が活発になるので発根しやすくなります。
さし芽を行う際には、健康で病害虫に侵されていない親株を選びましょう。まず、親株から若くて元気な茎を切り取り、葉を数枚残しておきます。次に、切り取った茎の下部を水に浸けます。この時、発根剤を使用するとさらに成功率が上がります。
切り取った茎を準備した土に挿し、軽く押さえて固定します。この際、土は排水性の良い清潔なものを使用すると良いでしょう。挿し終わったら、十分に水を与えますが、水はけの良い環境を保つことが重要です。さし芽をした鉢やトレイは、直射日光を避けた明るい場所に置き、適度な湿度を保つように注意します。
発根が確認できるまでの期間は2〜4週間です。この間、土が乾燥しないようにこまめに水やりを行い、環境を整えることが大切です。発根が確認されたら、徐々に日光に慣らしていきます。新しい根がしっかりと張り、茎や葉が成長してきたら、適切な鉢や庭に植え替えを行います。
植え替えの際には、植え穴を十分に深く掘り、根が無理なく広がるようにしてから土を戻します。このときも水はけの良い土を使用し、植え替え後にも十分に水を与えます。植え替え後の数日は直射日光を避け、安定した環境で養生させましょう。
さし芽で株を増やすことで、同じ品種のパンジーやビオラを簡単に増やすことができ、庭や鉢植えのバリエーションを広げることができます。さし芽は初心者でも挑戦しやすい増やし方なので、ぜひ試してみてください。
パンジーとビオラは美しく華やかなだけでなく、非常に成長が旺盛で、園芸初心者にも育てやすい花として知られています。花がら摘みや切り戻しなど、手入れをした分だけ美しい姿を見せてくれるので、育てる楽しさを実感できるはずです。また摘芯やさし芽が成功しやすく、ワンステップ上の育て方をしたい方にもおすすめのお花です。初めてという方もぜひチャレンジしてコツを掴んでみてください。