2025.07.08
更新日: 2025.08.07
初心者必見!ハオルチアの育て方とお手入れ方法を徹底解説

多肉植物の中でも、その美しいフォルムで人気の「ハオルチア」。しかし、初心者の方にとっては育て方やお手入れ方法に不安を感じることがあるかもしれません。ここでは、ハオルチアの基本的な育て方から、適切な環境の整え方、水やりのコツ、肥料の与え方までを詳しく解説します。
ハオルチアとは?

ハオルチアの特徴
ハオルチアは、南アフリカ原産の多肉植物で、多肉質でユニークな葉と魅力的な模様が特徴です。は、ハオルチアはアロエ科に属し、約500種以上の品種が存在します。ハオルチアの最大の特徴は、葉の表面に透明感のある窓のような部分を持っていることです。
また、ハオルチアはそのコンパクトなサイズと美しい多肉質の葉、そしてそこまで強い光を必要としない事から、室内でも育てられる植物です。葉は肉厚で、先端が尖っているものや丸みを帯びたものなど、種類によってさまざまな形状があり、色も緑だけでなく、白や赤みを帯びたもの、斑が入っているものまで多様です。
ハオルチアは乾燥に強いという特徴を持ち、育てやすさも魅力の一つです。明るめの室内で、適度な水やりと通気性が確保できれば、初心者でも比較的簡単に育てることができます。休眠期と生育期がはっきりしており、春と秋には生育が盛んになって新しい葉を次々と展開する様子を楽しむことができます。
代表的な種類

多肉植物の1種であるハオルチアは、姿や形、色、斑入りの有無など様々な種類があり、その多様な表情を楽しむことが出来ます。
ハオルチア・オブツーサ: オブツーサは和名では「雫石」と呼ばれ、丸みを帯びた透明感のある葉が特徴的です。オブツーサはキラキラと光を透過する美しい見た目で人気のハオルチアです。
ハオルチア・レツーサ:レツーサは和名で「寿」と呼ばれているハオルチアです。透明感のある葉がロゼット状に広がり、光を通すと美しく輝きます。
ハオルチア・クーペリー:ぷっくりとした肉厚な葉は先が尖っており、別名「クリスタルプラント」や「砂漠の宝石」とも呼ばれています。
ハオルチア・ピクタ:レツーサ系のハオルチアで、「紅葉の前」とも呼ばれています。葉に不規則な模様があり、個体差が大きいハオルチアです。独特な模様でコレクション性が高い種類です。
ハオルチア・レティキュラータ:網目模様が特徴の美しい葉を持っています。鮮やかな緑色で観賞価値が高いハオルチアです。
ハオルチア・万象:ハオルチア・万象は葉が肉厚で葉の先端が平らになっており、まるで切り取られたかのような独特の形状をしていることが特徴です。万象には葉の色の濃淡や窓の模様の入り方、斑入り(錦)など様々な種類があります。
ハオルチア・トゥルンカータ:和名は「玉扇」と呼ばれているハオルチアです。葉は万象のように肉厚の先端が平たい特徴的な形をしていますが、その名の通り扇状に広がる性質があります。
ハオルチアに適切な環境の準備

日当たり
ハオルチアは基本的に直射日光を嫌い、明るい間接光を好むため、屋外、室内の両方で栽培することが可能な植物です。室内で育てる場合の置き場所は、カーテン越しの柔らかい光が当たる場所が理想的です。直射日光が当たると葉焼けを起こす可能性があるため、特に屋外、室内ともに夏の置き場所には注意が必要です。
温度管理
ハオルチアは10~25℃の範囲でよく育ちますが、冬場は5℃以下にならないように注意が必要です。また夏の30℃を超える暑さは苦手で、生育が緩やかになります。室内で育てる場合は、エアコンなどの空調設備の風が直接当たるような置き場を避けて、育てるようにしましょう。
風通し
ハオルチアを健康的に美しく育てるには、風通しの良い場所を選ぶことも大切です。風通しが悪いと湿気がこもりやすく、根腐れの原因になります。特に室内管理の場合はサーキュレーターや扇風機などを使用し、室内の空気が循環するようにしましょう。
季節毎の置き場所と管理ポイント
春(4~6月)と秋(9~11月):
ハオルチアの生育期です。屋外、室内管理ともに直射を避けて、間接光の入る場所でハオルチアを育てましょう。柔らかな朝日や遮光された光が当たる場所が理想的です。品種によっては、健康的に育てることができれば6月頃までに白やピンクの花を咲かせます。水やりは鉢底から染み出す程度に、しっかりと与えます。
夏(7月~8月):
高温と強い日差しを避けるため、風通しの良い半日陰になるような場所で管理をします。特に梅雨時期は湿度が高くなりやすいため、室内、屋外共に風通しが良い場所で管理するように注意しましょう。水やりは以下で詳しく説明しますが、控えめに与えます。
冬(12~3月):
寒さからハオルチアを守るため、日中は日が当たり、夜間は冷え込みすぎない場所に置くことをお勧めします。特に、外気温が5℃を下回る地域では屋外管理から室内管理に切り替えるようにしましょう。
ハオルチアの基本的な育て方

土づくり
ハオルチアは水はけが良く、ある程度保水性がある土を好みます。水はけが悪いと根腐れを起こしやすくなるため注意が必要です。硬質の赤玉土5+鹿沼土5 の配合か、硬質の赤玉土4(小粒)+鹿沼土2+日向土2+バーク堆肥1+竹炭1 にゼオライトと元肥を少量混ぜたものなどの配合がおすすめです。また、土壌のpHは中性から弱酸性(pH6.0〜7.0)が適しています。
植え替えの時期と手順

適切なタイミングと植え替え時期
ハオルチアの植え替えは、基本的に2~3年毎に行うのがおすすめです。ハオルチアが成長して鉢やポットが窮屈になったとき、病気や根腐れが疑われるときなども植え替えを検討してみてください。
最適な植え替え時期としては、春(3~5月)の成長期に行うのがおすすめです。この時期はハオルチアが休眠期から起きたタイミングで、植え替え時に切れた根のダメージ回復も早く、その後の初夏から秋までの期間を成長に充てることが出来ます。基本的に秋も植え替えは可能ですが、植え替えのダメージを回復してから、すぐに冬になり休眠期を迎えてしまうため、ハオルチアの健康的な成長を考えるとあまりおすすめはできません。
植え替え手順とポイント
1.鉢からハオルチアを慎重に取り出し、古い土を優しく崩して落とします。茶色~黒など変色し枯れている根や古い根は清潔なはさみでカットします。また根が長い場合は細い根を中心に根の長さの半分ほど取り除いても良いでしょう。太く白い根は元気で健康な根なので傷つけないように注意しましょう。また枯れた下葉も取り除いておきます。
2.植え替えを行う鉢に、鉢底ネットと鉢底石を入れ、その上に配合した用土を少し入れます。
3.古い土を落としたハオルチアを、鉢の中心に置き、株の隙間から少しずつ用土を入れていきます。
4.用土がある程度鉢に入ったら、根と用土の空間や偏りを少なくするために鉢を少し叩き、調整します。この時ピックなどで用土を慣らしても良いですが、やりすぎると根を傷つけてしまうため、優しく行いましょう。
5.植え替え後は直射日光を避け、明るい日陰で数日間置き、株と根のダメージを回復させるようにします。植え替え後、1週間ほどしてから水やりをするようにしましょう。
水やりのコツ

ハオルチアの原産地である南アフリカは乾燥した気候が特徴であるため、ハオルチアも乾燥には強く、過湿は苦手です。基本的には、土が完全に乾いてからたっぷりと水を与えるようにします。夏と冬の時期は株が休眠しているので水やりは控えめにしましょう。ハオルチアは耐乾性があるため、多少水を切らしても問題ありませんが、逆に水やりしすぎると根腐れの原因となるので注意が必要です。
春(4~6月)と秋(9~11月):
ハオルチアの成長期である春と秋は、植物が最も活発に成長する時期です。成長期には1週間~10日に1回を目安に、土が乾いたことを確認してから水を与えます。一度の水やりで、たっぷりと水を与えるのが理想的です。
夏(7月~8月)と冬(12~3月):
ハオルチアの休眠期である夏と冬は、成長が緩慢になり、水の吸収量も減少するため、春と秋の生育期とは異なる管理が必要です。水やりは土が完全に乾いてから行い、月1~2回を目安に、表土が軽く湿る程度の控えめの水やりを行います(底から水が染み出すような水やりは行いません)。もしくは、底面吸水で鉢やポットの下半分ほどの土が水を吸収して湿るようにしましょう。
おすすめの肥料と与え方
ハオルチアはそれほど多くの肥料を必要としない、と言われることがありますが、ハオルチアを健康的に葉色を美しく、肉厚に育てるためには適切な施肥が必要です。ハオルチアの成長期となる春(4月~6月)と秋(9月~11月)を目安に与えましょう。
肥料の種類とおすすめの肥料
肥料の成分としては窒素、リン酸、カリウムのバランスが取れたものを選ぶと良いでしょう。肥料の種類としては、緩効性の固形肥料や液体肥料がおすすめです。
植え付け時(元肥):
多肉植物用の市販培養土には、肥料成分が配合されているものがあります。この場合、元肥を与える必要はありません。自分で土を配合する、または市販の用土に肥料成分が入っていないものを使用する場合は、植え付け時に固形の緩効性肥料を少量、土に混ぜ込むようにしましょう。
成長期(追肥):
春(4月~6月)と秋(9月~11月)の成長期は根が活発に活動し、葉の展開速度が上がり、多肉質の葉はより肉厚になります。葉の展開を促していくためにも、液体肥料を追肥で薄めに与えてあげましょう。基本的な与え方としては、液体肥料を1000~2000倍の濃度に薄めて、14日(2週間)に1回程度の頻度で与えます。
水でうすめる有機液肥の場合、1プッシュして1Lの水で希釈し、14日(2週間)に1回を目安に与えてください。
おすすめの液体肥料

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水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
ハオルチアの株分けと葉挿し
ハオルチアは株分けや葉挿しによって、1つの株から同じ個体を増やすことができます。タイミングとしては成長期の3月下旬~4月と9~10月中旬がおすすめです。植え替えのタイミングで、株分けや葉挿しを行っても良いでしょう。
株分けの方法と手順

株分けは、親株が大きくなりすぎたときや子株がたくさん出たときにおすすめの手法です。根が付いた株を植え付けるため成功しやすく、初心者の方にもおすすめの方法です。ただし、根が出ていない小さな子株はまだ外さないようにしましょう。また全斑(葉緑素を持たない株)の子株は外してしまうと光合成がうまくできず枯れてしまうので、外さないようにします。
①株分けを行うハオルチアを選び、鉢から丁寧に抜き取り土を落とします。
②外す予定の子株に根が発根していることを確認します。枯れた下葉は除去しましょう。
③親株を片方の手で持ちながら、外す子株を持ち、根元から上下左右にゆっくり動かしながら引っ張り外します。
④切り分けた株を、新しい鉢やポットに植え付け、直射日光を避けた明るい場所に置きます。
④植えてから4~5日後に土の表面が少し湿るくらいに水を与えます。その後は10日おきを目安に、土が乾燥しているのを確認したら土が湿る程度に水を与えます。
葉挿しの方法と注意点

葉挿しは、ハオルチアの葉を土の上に置いて発根させる方法です。葉挿しをする場合は、以下の点に注意しましょう。
・葉挿しする葉は、外側の元気で肉厚の葉を選ぶ。
・外す葉はなるべく根元(葉の付け根)まで残す。(葉が途中で折れてしまうと発根する可能性が低くなります)
①親株を軽く持ち、外す葉を左右にゆっくり引っ張りながら根元から外します。
②外した葉の切り口を乾燥させるため、3日~1週間を目安に、通気性が良い明るめの日陰で乾燥させます。
③ポットに土を入れて、外した葉の根元を下にした状態で、浅く土に挿します。
④葉を土に挿したら、霧吹きで軽く用土全体を湿らせ、直射日光を避けた明るい日陰に移動して管理します。
⑤1~2ヶ月後に挿した葉が発根し、子株ができます。(元の葉は子株ができると少しずつ枯れてきます)
⑥子株から発根が確認できたら、植え替え用のポットに土を入れ、子株の根が隠れるように優しく植え付けます。
⑦植え付けて4~5日後に、土の表面が少し湿るくらいに水を与えます。その後は10日おきを目安に、土が乾燥しているのを確認したら湿る程度に水を与えます。
ハオルチアの育て方Q&A

ハオルチアがしおれる・枯れる原因は?
ハオルチアがしおれる原因は、直射日光に当てる、高温または低温下での育成、水の与え過ぎ、過度の乾燥、そして病気や害虫の被害などがあります。しおれたままにしておくと最悪の場合枯れてしまうため、早めに原因の特定と対処を行いましょう。
根の傷みが激しい場合は植え替えても復活しにくいため、葉挿しで根を再生する方法を検討してみてください。
伸びて形が悪くなってしまった時の対処方法は?
ハオルチアが伸びてしまう(徒長する)原因としては、日光不足や水分過多、また通気性が悪いことが挙げられます。特に、新芽に光が当たらないと徒長しやすくなるため、栽培環境を見直すとともに、徒長した部分を剪定しましょう。
花が咲いたらどうすれば良い?
品種にもよりますが、ハオルチアは3~6月にかけて可愛らしい小さな花を咲かせることがあります。花茎が株の中心の葉と葉の間より長く伸び、その先端に花弁が細長く、小さな花を咲かせるのが特徴です。花はそのまま咲かせて楽しむこともできますが、咲くと株の栄養を消費してしまうため、花が咲く前に花茎の根元辺りからカットしてしまっても良いでしょう。
花から種は取れる?
ハオルチアは花を咲かせるので、受粉させて種を取ることが出来ます。ハオルチアは自家不和合性なので、花が咲いているハオルチアを2株用意した状態でないと受粉させることができません。ハオルチアの花が咲いたら花びらを全て取り、両方の花の雄しべ、雌しべをこすり合わせるようにしましょう。受粉が成功すると、種鞘が伸びてきて、約1ヶ月後に種の採取ができるようになります。
ハオルチアを透明にする方法は?
「オブツーサ」などが持つ「窓」の透明感を引き出すためには、日光の管理が重要です。直射日光を避け、明るい間接光の下で育てることで、葉の細胞が緻密に成長し、透過性が高まります。また、多肉植物はそこまで多くの肥料は必要としませんが、肥料不足になると光合成の力が低下し、葉の透明感が損なわれる可能性があります。うすめた液体肥料を与えて、栄養補給をしましょう。
育て方をマスターして素敵なハオルチアライフを

ハオルチアは初心者でも比較的育てやすい多肉植物ですが、正しい育て方を知ることで、より美しく健康に成長させることができます。日々の管理としては、適切な日当たりと風通しの良い環境を整え、夏と冬に過度な水やりを避けることが大切です。また、植え替えの時期にも注意し、必要に応じて株分けを行うことで元気に育てることができます。肥料は控えめに与えて、季節に合わせて調整することを忘れないようにしましょう。
水でうすめる有機肥料

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