2025.03.03
更新日: 2025.03.10
初心者でもできる!オリーブの育て方とお手入れポイント

地中海沿岸を原産とする常緑樹で、古代から食料や薬用として重宝されてきた「オリーブ」。庭木や鉢植えとして楽しむことができ、葉の表面は光沢のあるグリーンと裏側の銀灰色が涼しげでコントラストも美しく、美味しい実を収穫する楽しみもあります。オリーブの木は比較的手間がかからず、適切な環境さえ整えれば初心者でも育てやすく、家庭園芸で人気のある植物です。この記事では、そんなオリーブについて庭での育て方だけでなく、鉢での育て方も詳しく解説します。育て方のポイントを押さえて、オリーブ栽培を成功させましょう。
オリーブの基本情報

オリーブの特徴
オリーブは地中海沿岸原産の常緑性樹木です。オリーブの木は細長い葉を持ち、表側は濃い光沢のあるグリーン色で裏側は細かい毛が生えた銀灰色をしています。この葉の色合いと特徴は、乾燥した気候に適応するためのもので、光を反射し、蒸発を最小限に抑える役割を果たしています。オリーブの花は小さく白い色をしており、5~6月頃にかけて咲きますが、その香りは控えめです。
実は楕円形で、緑から黒紫色に熟していきます。オリーブオイルの製造においては、特に熟した実を使用することで、風味豊かなオイルが得られます。さらにオリーブの木は非常に長寿命であり、数百年生きることも珍しくありません。こうした長寿命性は、耐久性のある木材を提供するだけでなく、歴史的にも多くの文化で象徴とされてきました。
また、オリーブの木は乾燥した環境に強く、石灰質の土壌を好みます。逆に湿潤な環境には弱く、排水性がある土を好む樹木です。このため、オリーブは水はけの良い土壌を選んで植えることが重要です。また、剪定が必要不可欠であり、適切な剪定を行うことで樹形を整え、実の生産を促進することができます。
オリーブの代表的な品種

オリーブは地中海沿岸を原産とする常緑樹で、その品種は多岐にわたります。代表的な品種をいくつかご紹介します。
カラマタ:
ギリシャのカラマタは、食用として非常に人気が高く、肉厚でジューシーな実が特徴です。サラダやピザのトッピングとしてもよく使用されます。
マンザニロ:
マンザニロは、スペイン原産のオリーブ品種で、特にその多用途性と高い生産性で知られています。この品種はスペイン南部のアンダルシア地方で広く栽培されており、スペインを代表するオリーブの一つとされています。マンザニロのオリーブは中型から大型の果実を持ち、その形状は丸みを帯びています。色は緑から黒へと成熟していき、成熟度合いによって異なる風味を楽しむことができます。
オヒブランカ:
オヒブランカは、スペインを代表するオリーブの品種で、特にアンダルシア地方で広く栽培されています。この品種は、その高いオイル収量と品質の良さで知られ、主にオリーブオイルの生産に用いられています。オヒブランカの果実は中型で、成熟すると深い紫色に変わります。この品種のオリーブオイルは、フルーティーな香りとピリッとした辛みが特徴で、料理の味を引き立てる要素として重宝されています。
ルッカ:
特に日本で栽培が盛んな品種で、寒さに強く、栽培しやすいことから家庭菜園でも人気を集めています。
オリーブ栽培の基本

オリーブに適した環境

気候と日照
オリーブは地中海沿岸を原産とするため、温暖で乾燥した気候を好みます。特に、年間を通じて日光が十分に当たる場所が理想的で、オリーブの木は日照時間が長いほど健やかに成長します。温暖な気候であれば、霜が降りることが少ないため、オリーブの木にとっては成長期が長くなり、実の収穫量も増加します。さらに、風通しの良い場所に植えることで、病害虫の発生を抑えることができます。
生育適温
オリーブは地中海性気候を好むため、適温は一般的に15℃から25℃とされており、低温に比較的強い植物ですが、気温が-5℃を下回ると凍害のリスクが高まり、根が枯死したり、葉が枯れこんだり被害を受けやすくなります。このような低温環境になる場合は、保温としてマルチングや防寒シートを使用して対策しましょう。また、夏季に35℃を超える日が続くと、葉焼けや過度の乾燥によるストレスが発生する場合があるので、適度な水やりと、鉢植えの場合は直射日光を避ける場所に移動させ、地植えの場合は日陰を作ることも検討しましょう。
適した土壌
オリーブは乾燥した環境に強い樹木ですが、湿気の多い環境では根腐れを起こす可能性があるため、排水性の良い土壌を用意しましょう。オリーブは酸性土壌を嫌い、pH6.5~7.5の弱アルカリ性の土壌を好みます。土壌のpHは降雨や水やりで徐々に酸性に傾くため、土壌pHの調整を行うことで、オリーブの生育を向上させることができます。
苗木の選び方

オリーブの苗木を選ぶ際には、栽培スペースに合わせた「樹形」と、「品種」を確認しましょう。樹形が直立型であれば狭いスペースでも栽培することが可能で、開帳型であれば大きく育つため存在感を演出することが可能です。また、オリーブに実を付けたい、という場合は、異なる品種のオリーブ2本以上で受粉をさせる※必要があります。品種の相性を確認しつつ、異なる品種の苗木を購入しましょう。
※実を付ける植物の中には、1本で受粉と結実が可能な「自家結実性」のものと、異なる品種の受粉を必要とする「他家結実性」のものがあります。オリーブは自家受粉が不可能というわけではありませんが、異なる品種同士の方が、実付きが良くなります。
オリーブの植え付け(植え替え)方法

オリーブを植え付ける(植え替え)時期
オリーブを植え付ける(鉢栽培の場合は植え替えるのに)最適な時期は、春の3~4月上旬です。春に植え付ける場合、寒さが過ぎ、土壌が十分に暖まるのを待ってから開始します。関東地方以西の温暖な平野部であれば、9~10月にも植え付けを行う事が可能です。秋に植え付けることで、冬に備えて地中にしっかりと根を張らせることができます。鉢植えで育てている場合は、2~3年に1回植え替えをすることで、環境を改善し、新しく根を張らせることが出来ます。
栽培に適した土の準備

肥料の効果を発揮させるため、植え付けの前に土壌を改良しておきましょう。特に、鉢植え栽培の場合、定期的に植え替えをしないと、土壌の通気性や排水性、保肥力などが低下してしまいます。土の健康を保つためにも、堆肥などの有機物または腐植資材リフカを混ぜ込むのがおすすめです。また、地植え、鉢植え栽培どちらにおいても、栽培していると土壌pHは酸性に傾きやすくなります。オリーブの栽培に適した土のpH6.5~7.5に調整するため、苦土石灰または土壌pHバランス材も混ぜ込むのもおすすめです。さらに、肥料入りではない土壌を使用する場合、元肥として緩効性の肥料をあらかじめ土に混ぜ込みましょう。
‐鉢植えのオリーブに適した土の自作配合
赤玉土(小粒)5:硬質鹿沼土(中粒)2:軽石2:ピートモス1(又は腐植資材リフカ)+苦土石灰(又は土壌pHバランス材)
植え付け:庭などに地植えする場合


①鉢を横から叩きながら苗を取り出し、根鉢を崩さないように注意します。購入してきた苗が1~2年生の若苗の場合、根が鉢に回り切っていないことがあるので、より慎重に取り出すようにしましょう。
②畑・庭に根鉢よりひと回り大きな穴を掘り、根鉢と植え付ける面が同じ高さになるように植え付けて軽く上から土を押さえて固定します。オリーブは過湿に弱いため、深植えは避けましょう。
③支柱を立てて苗木を軽く固定し、しっかりと水やりを行います。
鉢に植え替え:鉢植えで育てる場合
鉢は排水性が良く、オリーブの根がしっかりと成長できる深さがあるものを選びましょう。植え替えの頻度は2~3年に1回です。
鉢サイズの目安としては以下の通りです。土は上記の「栽培に適した土の準備」で紹介した土を使用します。
1年生:6号鉢(直径18㎝ほど)
2年生:8号鉢(直径24㎝ほど)
3年以上:10号鉢以上(直径30㎝以上)
①鉢を横から叩きながら苗を取り出し、根鉢を崩さないようにして新しい鉢に植えます。購入してきた苗が1~2年生の若苗の場合、根が鉢に回り切っていないことがあるので、より慎重に取り出すようにしましょう。
②鉢植え栽培の場合、植え替えを行う新しい鉢は古い鉢よりも一回り大きいサイズにしましょう。排水性を良くするため、植え替える鉢の底に鉢底石を敷きます。調整した培養土を少し入れ、先ほど取り出した苗を植え付けて隙間に培養土を入れていきます。
③支柱を立てて苗木を軽く固定し、鉢底から水がしたたり落ちるほどしっかりと水やりを行います。
肥料の与え方
オリーブにおすすめの肥料の種類と成分

オリーブへ与える肥料は、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の三大栄養素がバランスよく含まれているものを選びましょう。窒素は主に葉の成長を促進し、光合成を助ける役割を持ちます。リンは根の発達を促し、花や実の形成をサポートします。カリウムは全体的な植物の健康を改善し、病気に対する抵抗力を強化する効果があります。また、マグネシウムや微量要素(鉄、マンガンなど)も含まれている肥料を選ぶと、光合成をサポートして植物の健康を維持しやすくなります。
オリーブに与える肥料としてはゆっくり長く効果を発揮する緩効性成分(ジシアンジアミドやウレアホルム)を配合した肥料や、有機肥料がおすすめです。
肥料を与えるタイミングと量

オリーブへの施肥は、幼木・成木や与える時期によってその頻度や1回あたりの適切な量が変化します。オリーブをたくさん収穫したい方は、この施肥のポイントを押さえていきましょう。
《肥料のタイミングと目安量》
固形肥料「有機ダブルセット」の元肥または追肥(N=10)を目安にした場合
液体肥料「水でうすめる有機液肥」を使用した場合
2~3月:寒肥
固形肥料:2~3月中に1回
幼木:40~50g/本
成木:5㎏/本
暖かくなる前に与える肥料を「寒肥」と呼びます。オリーブは春から休眠から目覚め、活動期に入り根や芽の展開を活発に行うようになります。株が動き出す前のタイミングでしっかり肥料を与えて、丈夫な体を作る体力をつけてあげましょう。
※同年に植え付けや植え替えを行って「元肥」を与えている場合は控えます
6月:追肥
固形肥料:6月中に1回
幼木:20~30g/本
成木:2.5㎏/本
液肥:1か月に2~4回
(週1回~2週に1回)
枝や葉が増え、5月に咲いた花が結実して少しずつ大きくなってくる頃です。2~3月に与えた固形肥料の肥効も薄れてくるのでこのタイミングで追肥を行いましょう。
11月下旬:冬肥(お礼肥)
固形肥料:11月に1回
幼木:20~30g/本
成木:2.5㎏/本
液肥:1か月に1~2回
実がなり終わったオリーブの木に肥料を与えます(お礼肥)。気温が低下すると微生物の活性も落ちるため、有機原料が多く入った肥料は効きが遅くなる可能性があります。化成肥料または有機化成肥料がおすすめです。11月以降の冬季は、オリーブの生育が鈍くなり、肥料の吸収量も低下するため施肥は控えましょう。
追肥の範囲と与え方
1~2年生の幼木:株元から30~50cmの範囲
3年生以上の成木:樹冠下(枝が広がっている範囲)
固形肥料を追肥で与える場合、オリーブの木の周辺を少し掘り、規定量をまいて土と混和させます。バークチップなどマルチが敷いてある場合は、マルチを少しずらして肥料を与えましょう。鉢植えのオリーブの場合は株の周辺に追肥を与えればOKですが、地植えのオリーブに肥料を与える場合、オリーブの木の大きさ(年齢)に合わせて変える必要があるので注意しましょう。
効果的な水やり方法

基本的な水やり
オリーブの木は乾燥に強い植物です。一度の水やりで、土が十分に湿るまでしっかりと水を与え、その後は土の表面が乾燥するのを待ってから次の水やりを行いましょう。
春(4~6月)と秋(9~11月):
徐々に気温が上がるにつれて、活発に成長します。鉢植えの場合は鉢の表土の乾燥状態を見て、乾燥しているようであれば1~3日に1回、午前中の時間帯に、鉢底から染み出るほど水をしっかりと与えてください。
地植えの場合は、基本的に雨に任せても問題はありません。3~4月頃の植え付けたばかりの苗に対しては、根が活着するまで土の乾燥状態を見ながら水やりを行いましょう。
夏(7~9月):
温度が高くなり乾燥しやすくなります。一方で、梅雨の時期は雨が降り続くため鉢の土が乾ききらない状態になる可能性があります。晴れが続く場合は、朝晩の2回、鉢底から染み出るくらいしっかりと水を与えましょう。雨が降り続く時期は、鉢の土が乾燥しすぎない程度に水を与え、湿っている場合は控えましょう。地植えは、夏場の時期に晴れた日が続く場合に限り、水をジョウロやホースで与えましょう。
冬(12~3月):
成長が緩やかになり株が休眠する時期になります。水やりの頻度を減らし、土が完全に乾いてから晴れた日の午前中に水を与えるようにします。オリーブは乾燥に強いため、冬季は土の表面が乾いたら水を与える程度で十分です。
オリーブの剪定管理と方法

実をつけるための剪定方法
オリーブの木が健康的に成長し、豊かな実をつけるためには、適切な剪定が欠かせません。剪定は木の形を整えるだけでなく、太陽の光が枝全体に均等に届くようにする重要な作業です。剪定ばさみ、剪定用ノコギリ、癒合剤などを用意しましょう。
2~3月:強剪定

基本となる樹形を決める剪定は冬の終わりから春先の2月または3月に行います。この時期は木が休眠状態にあるため、大きめの枝や太めの枝を剪定しても、剪定によるダメージを最小限に抑えることが出来ます。1~2年の若木の場合、樹の幹が細く、枝数も少なめなので、そこまでこの時期に強剪定をする必要はありません。
具体的な方法としては、地面から生えた不要な枝や、交差する枝、また下向きに伸びている枝や混み合った枝を中心に、枝分かれをしている根元からカットしましょう。栽培スペースに合わせて、太い枝を残しながら、全体的に整えるイメージで選定します。
3~4月:間引き剪定
暖かくなってくるとオリーブも活動期に入り、新芽が展開し、新しい枝が伸びてきます。今後さらに成長してくると伸びてきた枝同士で混みあってしまい、樹形が崩れてしまいます。そこで風通しを良くするために、間引き剪定を行い、不要な枝を枝の根元からカットしましょう。増えすぎた枝を間引いて、全体的に株に光が当たるように剪定する事で、さらに元気の良いオリーブに成長させることができます。
5~10月:弱剪定(長く伸びた枝だけ切り戻す)
成長期のオリーブはどんどん枝を伸ばしていくので、放っておくと横に広がりすぎたり、縦に伸びすぎたり、樹形を崩してしまいます。そのため、長く伸びすぎた枝だけ、軽く切り戻して樹形を整えるようにしましょう。5~6月の開花時期に剪定をする場合は、花芽を落とし過ぎないように注意します。
オリーブの実を収穫するために

オリーブを収穫するには、まずオリーブに花を咲かせる必要があります。オリーブは若木の場合、花がつきにくい傾向の樹木で、植え付けてから4~5年ほど経たないと花を咲かせてくれません。オリーブの花と実を早く楽しみたい人は、4~5年生の大きめの苗を探しましょう。またオリーブは1本では実を付けにくいため、品種が異なるオリーブを2本以上育てるようにしましょう。
オリーブの花芽は、前年に伸びた新しい枝の葉の付け根に形成されます。冬の時期から形成され始め、3月下旬には花芽を確認できるようになります。2~3月の強剪定の際には、新しく出来た花芽を落とし過ぎないように注意しましょう。5~6月になると白く小さな花房が現れ、1つの花房から10~30輪ほど花を咲かせます。開花時期は1週間ほどと短く、雨に濡れると落ちやすくなるため、開花と雨が重なる場合はビニールシートなどで雨除けをしましょう。オリーブの開花がうまくいくと、花粉が風に乗って運ばれ、近くのオリーブの花に受粉して結実します。
花が咲かないのは何故?

オリーブの苗木を育てていて実を収穫したいのに、なかなか花を咲かせてくれない・・・こんな時は以下の点に注意してみてください。
・オリーブの苗木がまだ若い:4~5年の苗木から開花するようになります。
・剪定で花芽を落としてしまっている:剪定の際に昨年の新しい枝まで深くカットしてしまっている場合があります。剪定のしすぎに注意しましょう。
・日照不足や、水やり不足:オリーブが健康に育つ環境でないと枝の展開も少なく、花芽を付けてくれません。
・肥料不足:オリーブは成長期に旺盛に枝と葉を展開する樹木なので、適切な時期に適切な量の肥料をしっかりと与えましょう。
・寒さが足りてない:10℃以下の寒さに当たらないと花芽を形成しないことがあります。室内でオリーブを育てている場合、定期的に屋外に出しましょう。
・植え替えをしていない:2~3年毎に定期的に植え替えをして、オリーブが健康的に育つ環境を整えましょう。
・花は咲くが、実が成らない:オリーブは異なる品種を近くに植えることで受粉が促進され、実がつきやすくなります。単独または同じ品種を植え付けている場合は受粉がうまくされないため、注意しましょう。
オリーブの木の増やし方
オリーブの木は挿し木で比較的簡単に増やすことができます。種からも育てることは可能ですが、発芽率が低く、生育に時間がかかるため挿し木の利用がおすすめです。
挿し木の方法

オリーブの挿し木に適した時期は、一般的に気温が20℃以上になる初夏(5~6月)です。
まず、健康で新しい枝を選びます。選ぶ枝は、節の直下で切り取るのがポイントです。
長さは10~15cm、葉が2~3枚残るようにカットします。切り口は斜めにカットし、切り口の表面積を大きくします。30分~1時間を目安に水に浸けて、発根を促進します。
次に、切り取った枝を挿し木用の土に挿します。挿した後は、水をたっぷりと与え、湿度を保つためにビニール袋をかぶせるか、温室内で管理します。
挿し木後は、直射日光を避けて明るい場所で管理しましょう。発根が確認できるまで、土が乾かないように注意深く水やりを続けましょう。発根が確認できたら、徐々に外気に慣らし、定植の準備を進めます。
発根したオリーブの苗木は、成長に伴い適切な鉢や地面に移植します。この際、根を傷つけないように注意し、植え付け後もしっかりと水やりを行います。
栽培のQ&A
室内でも育てることが出来るの?
基本的にオリーブは屋外の方が育ちやすい樹木ですが、ある程度耐陰性もあるので室内用の観葉植物として育てることも不可能ではありません。しかし、屋外で育てるよりも成長速度が遅くなり、花が咲きづらい・実が付きにくいといったデメリットもあります。室内で育てる場合は、室内でも育てやすい矮小品種のアーベキーナやネバディロ・ブランコなどを選びましょう。また可能な限り鉢を窓辺の日が当たりやすい場所に置き、風通しが良い場所で管理しましょう。風通しがあまり良くない場合はサーキュレーターなどで空気を循環させ、エアコンなどの風を直接当てないようにしましょう。
つきやすい害虫は?
オリーブは比較的害虫に強い植物ですが、代表的な害虫として、オリーブアナアキゾウムシ、ハマキムシ、スズメガの幼虫が挙げられます。幹や葉に異常がないか、こまめにチェックし、必要に応じて殺虫剤を使用しましょう。
冬場の管理で気を付けることは?
オリーブは寒さに比較的強い植物ですが、寒冷地の場合は凍害の恐れがあります。苗が1~2年の小さなものは屋外から室内に取り込み、地植えの場合は不織布やマルチングを使用するなどの防寒対策を行うと良いでしょう。また、鉢は窓辺の日が当たりやすく風通しの良い場所に置いて管理することがポイントです。風通しも考慮し、空気の循環を促すことで病害虫の発生を防ぎます。冬の間は成長が緩慢になるため、肥料は控えめにし、春に向けての準備を整えましょう。
盆栽のように小さなサイズで育てるには?
矮性品種のアーベキーナやピッチョリーネ、ネバディロ・ブランコなどのコンパクトに育つ品種を選びましょう。
・小さめの鉢や盆栽用の鉢を用意し、赤玉土と軽石を配合した排水性の良い土を用意し植え付けます。
・芯となる太い幹を決めて、不要な枝と葉を剪定します。針金などで枝を固定し樹形を整えます。
・表面に苔などを植え、水の与えすぎに注意しながら管理します。