2025.09.12
初心者でも大丈夫!ポトスの上手な育て方|肥料の管理方法も

葉の色や形状が美しく、また育てやすい観点から観葉植物として人気が高い「ポトス」。そんなポトスの基本的な育て方から日々の管理方法、増やし方、トラブルの対処方法と水栽培(水耕栽培)の方法まで詳しくご紹介します。
ポトスの基本情報と適切な栽培環境

ポトスとは?
ポトスは熱帯・亜熱帯雨林地域に広く分布する植物です。葉の色が美しく、斑入りのものも存在します。つる性の植物であるため、吊り鉢(ハンギング)にしたり、棚から垂らしたりするなどして楽しむことができます。耐陰性があり、室内の比較的暗い場所でも育つことができるため、インテリアプラントとして人気があります。乾燥にも比較的強いですが、定期的な水やりと適度な湿度を保つことで、より元気に育ちます。
種類とバリエーション

ポトスは品種によって葉の形状や斑の色、入り方が様々で、お部屋に与える印象が大きく異なります。インテリアに合うような、お気に入りのポトスを探してみてください。
こちらでは代表的なポトスの品種をご紹介します。
・ゴールデンポトス:明るい緑色の葉に黄色の斑が入る品種で、育てやすく、初心者の方にもおすすめです。
・マーブルクイーン:白と緑の美しい斑が特徴で、室内の明るい場所で育てると一層鮮やかになります。
・エンジョイ:白の斑が多く入った葉が特徴で、コンパクトなサイズ感が人気です。耐陰性があり、室内で育てやすいです。
・ジェイドポトス:深い緑の葉を持ち、斑が少ないため、シンプルで落ち着いた印象を与えます。
・ネオンポトス:明るいライムグリーンの葉が特徴で、インテリアに色鮮やかなアクセントを加えます。
適切な生育環境

ポトスは比較的耐陰性が高く、室内での栽培に適した観葉植物ですが、光、温度、湿度に注意することでより元気に育ちます。
日光
ポトスは明るい間接光を好みます。直射日光は葉焼けの原因となるため避けましょう。窓辺に置く場合は、レースのカーテン越しに日光が入るようにすると良いでしょう。
気温
ポトスは20~22℃が生育適温です。寒さには弱いため、冬場は10℃以下にならないよう注意が必要です。室内でも温度が低くなると成長が遅くなり、葉が傷むことがあります。
湿度
ポトスは比較的湿度の高い環境を好むため、乾燥しがちな室内では、加湿器を使用するか、葉に霧吹きをすることで湿度を補うと良いでしょう。特に冬場は暖房によって空気が乾燥しがちなので、注意が必要です。
風通し
風通しを良くすることで病気や害虫の発生を防ぐことができますが、強風やエアコンの風が直接当たると葉が乾燥する原因となります。また、冷たい風が直接当たる場所は避けましょう。
土壌
ポトスは水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用培養土を使用するか、自分で配合する場合は、赤玉土や腐葉土または腐植資材リフカを混ぜて使用すると良いでしょう。
日々の管理方法
水やりの方法と頻度
水やりは基本的に、土の表面が完全に乾燥してから行うようにしましょう。ポトスは土の乾燥に強い植物ですが、過湿は根腐れの原因になります。土が濡れた状態が続かないように注意しましょう。
水やりの頻度の目安としては、以下の通りです。
4月~10月頃(成長期):春から秋にかけての成長期は、基本的に土の表面が乾燥したら水を与えるようにします。間隔としての目安は週に2~3回ほどで、鉢底から水がしっかり染み出すように、水を与えましょう。
11~3月頃(休眠期):冬の休眠期はそこまで吸水力がないので、土の表面が乾燥しているのを確認してから2~3日後に水を与えます。間隔の目安は週に1回ほどで、鉢底から水がしっかり染み出すように与えましょう。
上記の水やり頻度は目安になり、季節や室内の湿度、温度によっても乾き具合は異なるため、ポトスの状態や、土の状態を確認しながら水を与えるようにしましょう。
また、水やりのタイミングは晴れた午前中がおすすめです。日中に土が適度に乾燥し、夜間の過度な湿気を避けることができます。また、冬季は室温に近い水を使うと、ポトスへのストレスが少なくなります。
水やりの際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、鉢底皿に溜まった水は捨てるようにします。ポトスはある程度の湿度を好む植物ですので、乾燥しやすい冬場やエアコンを使用している場所では、霧吹きを使って葉に水をかける「葉水」をすると良いでしょう。

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肥料の与え方とタイミング

ポトスに与える肥料としては、液体肥料がおすすめです。
春~夏にかけての成長期には1週間に1回を目安に液体肥料を与えます。また秋は休眠に向け活動が低下していくので2週間に1回の頻度で液肥を補助的に与えます。冬の期間は株が休眠しているため、肥料は控えましょう。
おすすめの液体肥料

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水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
肥料の成分とポトスへの影響
ポトスは窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)のバランスが整った肥料を好みます。特に窒素は葉の成長を促進し、リンは根の発達を助け、カリウムは全体的な植物の健康をサポートします。またマグネシウム(Mg)は葉緑素の形成をサポートし、光合成を促進させる効果があります。肥料が不足している株は茎が細くなり、葉の展開が遅く、葉の大きさも小さくなります。春~秋にかけての成長期にはしっかり肥料を与えましょう。
ポトスの形を整える剪定方法
剪定はポトスの見た目を整え、さらに空気の流れを良くして病気の予防にもつながります。
剪定の準備
清潔な剪定ばさみを用意し、消毒液で刃を消毒しておきましょう。消毒することで病原菌の感染を防ぎます。
剪定を行う最適な時期
ポトスの成長期である春~初夏(4~5月)が剪定の適切なタイミングです。冬の休眠期には剪定を避けましょう。
剪定の手順

まず枯れた葉や傷んだ葉を取り除きます。これにより、病気の拡散を防ぎ、植物全体の健康を維持します。次に、過密になっている部分を整理し、風通しを良くします。茎が密集していると、湿気がこもりやすくなり、カビや病気の原因となります。茎を切る際は、茎の付け根から少し上の部分を斜めにカットすると切り口が乾燥しやすく、病気のリスクが減ります。
また、ポトスは節ごとに新しい芽が出るため、節の少し上で剪定を行うと効果的です。
ポトスの植え付け・植え替え方法
ポトスは、根が伸びすぎると根詰まりを起こして生育不良に陥ることがあります。成長が早い物であれば、2~3年に1回を目安に植え替えを行いましょう。植え付け・植え替えにおすすめの時期は、春~初夏(5~7月頃)です。

・ポトスを鉢から慎重に取り出し、根に付いた土を払って、傷んで黒ずんだ根を清潔なハサミで切り取ります。
・植え替える鉢に鉢底石と新しい土を入れます。鉢のサイズはひと回り大きなものに変えますが、鉢を大きくしたくないという場合は、ポトスを株分けしてコンパクトな大きさに整えましょう。
・ポトスの根鉢よりひと回り大きな穴を掘り、ポトスを穴の中に置いたら、周りに土を入れて株を固定します。
・鉢底からしたたり落ちるほど水をたっぷりと与え、直射日光が当たらない明るい場所で管理します。
ポトスの仕立て方(タワー)

ポトスがつる性であることを活かして、タワー状に仕立てることが可能です。存在感のあるインテリアグリーンをお求めの方におすすめの仕立て方です。
・鉢の中央にヘゴ支柱などの専用の支柱を立て、ポトスを植え付けます。
■さらにボリュームを出す場合は、10号鉢に4~5株のポトスを植え付けます。お好みの高さの園芸用支柱を鉢に4本ほど立てて、しっかりと固定します。支柱のまわりを麻紐などで巻いて、ポトスが這いやすいような道をつくります。
・ポトスが伸びてきたら麻紐などで支柱に誘引して、巻き付かせていきます。
・支柱の先端を越えて伸びてしまった場合や、脇芽が増えすぎた場合は剪定をしましょう。株元は蒸れやすいため、風通しを確保するイメージで葉を剪定します。
ポトスの増やし方
ポトスは増やすのが比較的簡単な植物です。植物の挿し木、株分け、水挿しが初めてという方もぜひチャレンジしてみてください。
挿し木

挿し木は、成長した茎の一部を切り取り、新しい土壌に植える方法です。最適な時期は春~初夏で、この時期は植物が活発に成長するため根付きやすくなります。
・ポトスの健康的な茎を2~3節残して、斜めに切り取ります。(剪定によって得られた茎が使用できます)
・上部の葉2枚を残して、他は取り除きます。
・切り口を水に浸し、1時間ほど置きます。
・清潔な土をしっかりと湿らせ、割りばしなどで穴を開けて、茎を差し込んで周りの土を寄せて固定します。
・根が出るまで土を乾かさないように注意しましょう。
株分け
株分けは、既存のポトスの株を複数に分けて再植する方法です。最適な時期は、挿し木と同様に春~初夏です。この方法は、ポトスが大きく成長し、植木鉢が窮屈になった時に特に有効です。
・ポトスを鉢から慎重に取り出し、根をなるべく傷つけないように注意しながら株を分けます。
・分けた株はそれぞれ新しい鉢に植え付け、しっかりと根付くまで水やりを行い、直射日光が当たらない明るい場所で管理します。
水挿し
水挿しは最も手軽にポトスを増やす方法です。
・ポトスの健康的な茎を2~3節残して、斜めに切り取ります。(剪定によって得られた茎が使用できます)
・上部の葉2枚を残して、他は取り除きます。
・切り口と気根、もしくは節を水に浸し、根が出るまで毎日こまめに水を替えます。
・根が出たら土に植え付けるか、もしくはそのまま水に挿して育てます。
水耕栽培でそのまま育てる場合、「水に溶かして速く効く粉末液肥」と「水でうすめる添加液肥」の併用した水耕栽培溶液で育てるのがおすすめです。
水に溶かして速く効く粉末液肥

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水に溶かして速く効く粉末液肥は、基本的な栄養素から微量要素までを網羅したオールインワン肥料です。溶け残りが少なく、植物に素早く必要な成分を供給します。観葉植物や多肉植物、アガベやサボテンから水耕栽培まで、幅広い植物栽培に使える万能タイプです。
トラブルと対処法

根腐れ
根腐れは、過剰な水分や排水不良が原因で起こりやすくなります。根が十分に呼吸できない状態に陥ると腐敗し始めるため、このように呼ばれています。根腐れを防ぐためにも、ポトスには土がしっかりと乾いてから水を与えるようにしましょう。また、鉢の底に十分な排水穴があることも確認し、水が溜まらないようにすることが必要です。
もし根腐れが発生してしまった場合ポトスを鉢から取り出し、腐った部分を切り取りましょう。その後、通気性が良く清潔な土に植え替えましょう。
根詰まり
根詰まりは鉢の中で根が成長しすぎて絡み合ってしまい、水や栄養分の吸収が妨げられる状態を指します。根詰まりが発生すると、ポトスは水分不足や栄養不足に陥り、葉が黄色に変化し全体的に元気が無くなります。鉢の底から根がはみ出ている場合や、植物の成長が停滞している場合は、根詰まりを疑いましょう。
根詰まりを解消するためには、清潔なハサミを使って絡み合った根を丁寧にほぐし、余分な部分や黒ずんだ部分を切り取ります。その後、一回り大きな鉢に新しい土を用意し、植え替えを行います。
また、根詰まりを未然に防ぐためには、定期的な植え替え(2~3年に1回)を行いましょう。また、株分けによって異なる鉢に植え付けることも有効です。
葉焼け
葉焼けは、植物の葉が過度の直射日光にさらされることで、葉の一部が茶色く変色し、枯れてしまう現象です。これは特に夏の強い日差しの下で起こりやすく、窓際や屋外で育てている場合に注意が必要です。
葉焼けが発生した場合、まずはポトスの置き場所を見直すことが大切です。直射日光が当たらない、明るい日陰の場所に移動させることで、葉焼けを予防できます。また、レースのカーテン越しに光を取り入れると、光が直接葉に当たるのを防ぐことができます。
害虫(ハダニ)

ハダニは乾燥した環境で活発になります。ハダニの被害を受けた葉は黄変し、最終的に落葉してしまうことがあります。
ハダニを防ぐためには、適切な湿度を保つことが重要です。定期的な葉水で葉の乾燥を防ぎましょう。また、ハダニは葉の裏に卵を産み付けるため、定期的に葉の裏側をチェックし、早期発見に努めることが大切です。
葉がしおれる、元気がない
ポトスの葉がしおれる、元気がないという状況には、いくつかの原因が考えられます。
水分不足:ポトスは適度な湿度を好むため、土が完全に乾燥していると葉がしおれることがあります。水やりは土の表面が乾いてから行い、夏場は頻度を増やすのが良いでしょう。逆に、過剰な水やりは控えるようにします。過湿によって根腐れを引き起こす可能性があり、その結果として葉がしおれることがあります。
日光:ポトスは明るい間接光を好みます。室内で光がほとんど当たらないような場所では光合成ができず、元気を失ってしまう場合があるため、レースカーテン越しの光または午前中の光を浴びせるようにしましょう。
温度:冬場の低温や、エアコンの直風による冷え込みが葉のしおれを引き起こすことがあります。
ポトスの育て方Q&A

水栽培は可能?
ポトスは水挿しから水栽培(水耕栽培)をすることが可能です。週に1回程度水を替え、成長期(5~10月)に葉面散布or水耕栽培用の肥料を与えることがポイントです。水耕栽培には、「水に溶かして速く効く粉末液肥」と「水でうすめる添加液肥」の併用がおすすめです。
室内と屋外、どちらの環境が栽培に適している?
ポトスは寒さに弱いため、基本的に室内での栽培が推奨される植物ですが、正しい条件を整えることで屋外でも育てることができます。
室内での栽培では、直射日光を避けた明るい間接光が最適です。ポトスは耐陰性があるため、比較的暗い場所でも生育可能ですが、光が足りないと葉の色が悪くなることがあります。また、室内は温度や湿度が一定に保たれやすく、ポトスにとって快適な環境を維持しやすいのが利点です。
一方、屋外でポトスを育てる場合は、半日陰を選ぶことが重要です。直射日光に当たると葉焼けを起こす可能性があるため、木陰やバルコニーの陰などがおすすめです。また、気温が15℃以下になると生育が鈍り、寒すぎると枯れてしまうため、冬場は室内に取り込むようにしましょう。
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