2023.05.15
更新日: 2025.05.30
ブロッコリーの育て方|プランター栽培、肥料の与え方も解説
鮮やかな緑色で、こんもりとした見た目が特徴的な「ブロッコリー」。ビタミンCを豊富に含み、カロテンや鉄分も多く含んでいる緑黄色野菜です。普段食べている部分は「蕾(つぼみ)」にあたる部位で、緑色が濃いほど柔らかく甘みがあります。
ここでは、畑での育て方はもちろんのこと、プランターでの育て方も詳しく解説しています。新鮮なものは特に美味しいので、ぜひ収穫したてのブロッコリーをお楽しみください。
ブロッコリーとは?

ブロッコリーはアブラナ科の野菜で、キャベツやカリフラワーの近縁種として知られています。ビタミンC、ビタミンK、食物繊維が豊富で、抗酸化作用を持つ成分も多く含まれています。比較的寒さに強いブロッコリーは、冬の貴重な緑黄色野菜の1つです。
日本では戦後に普及し始め、今では多くの家庭で親しまれています。ブロッコリーは、主に春と秋~冬に旬を迎え、適切な環境と管理のもとで育てると、家庭菜園でも高品質な収穫が可能です。
ブロッコリーの栽培カレンダー
※クリックまたはタップで拡大表示
ブロッコリーは耐寒性が強く、比較的育てやすい野菜です。ブロッコリーの栽培は、一般的に春と秋の二回に分けて行われますが、秋栽培の場合は害虫が少なくなるためおすすめです。種まきをする場合は7月から8月中旬に行い、苗を植え付ける場合は8月から9月にかけて、収穫時期は10月から12月が目安です。
ブロッコリーの最適土壌

ブロッコリーは根張りが良いため、深さがあり、排水性と保水性の良い肥沃な土壌を好みます。また、最適な土壌pHは6.0~6.5です。
酸性土壌では根こぶ病が発生しやすくなるため、あらかじめ苦土石灰や土壌pHバランス材※₁などでpH調整することを忘れないようにしましょう。
※₁土壌pHバランス材は『自然暮らし』の商品です。
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「腐植資材リフカ」と「土壌pH調整材」のWのチカラで土壌を改良。 培養土に混ぜ込むことで、通気性・排水性・保水性・保肥力をアップさせ、酸性に傾いた土壌を矯正します。少量で効果を発揮するため、土壌改良のたびに土が増えにくいことも嬉しいポイントです。【使用量の目安例】65型プランターの場合、腐植資材リフカは20~30g、土壌pHバランス材は10~14g
ブロッコリーの育苗時期

ブロッコリーは種から育てることができます。
発芽適温は25℃前後です。種まきをする場合、春まきと夏まきで栽培することが可能ですが、害虫の発生が少ない夏まきがおすすめです。
ただし30℃を超える日が続くと発芽しにくくなるため、寒冷紗などで遮光しながら育苗をするなどの工夫が必要です。
プランター栽培で少しだけ育てたい方や、家庭菜園初心者の方は苗からの栽培がおすすめです。
育苗方法

①容器に培養土を表面まで入れて、水をたっぷり与えます。
②種をポットに3~4粒ずつまき(セルトレイの場合は1~2粒)、上から培養土を薄く(1cm以内)かけます。

③3日~1週間で発芽します。本葉が2~3枚になったら、元気な芽を残して間引きます。
苗の植え付けは、3月中旬~4月上旬と8月下旬~9月上旬が適期です。
虫の発生が少ない8月下旬~9月上旬が特におススメです。
ブロッコリーの良い苗の選び方

本葉が4~6枚で、茎が太くしっかりとしたものを選びましょう。
葉の色が濃く、病害虫の被害を受けていないかどうかも要チェックです。
茎が折れやすいため、苗は風が弱い日に植え付けると安心です。
土壌の準備

土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
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ブロッコリー苗の植付
プランター栽培の場合

ブロッコリーは根張りが良いため、プランターは25cm以上の深さがあるものを選びましょう。
①底石用の軽石を入れ、「土壌の準備」で調整した培養土をプランターの8分目まで入れます。
②スコップで穴を掘り、少し浅めに苗を植え付け、根元の土を軽く押さえます。65型のプランターに2株を目安に、間隔を空けて植え付けましょう。
③鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えます。
④害虫から守るために防虫ネットを被せ、日当たりの良い場所に置いて育てます。
畑栽培の場合

日当たりの良い場所を選び、「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。
①畝をつくり、株間(株同士の間隔)は45cm以上確保して深植しないように植え付けます。
※定植後、畑が乾燥している場合は水をたっぷり与えます。
②害虫から守るため、防虫ネットを被せます。
水やりのコツと注意点
表土が乾いてきたら、たっぷりと水を与えます。ただし、過度な水やりは根腐れを引き起こす可能性があるため、土の乾燥具合をしっかりと確認し、必要以上に水を与えないようにしましょう。特に雨の多い季節や湿度が高い時期には水やりの頻度を調整しましょう。
土寄せのポイント
ブロッコリーの土寄せは、植え付け後15~20日を目安に1、2回行うと良いでしょう。土寄せをすることでブロッコリーの倒伏を防ぎ、根の生育を促し、株を丈夫にする効果があります。プランター栽培で土寄せが難しい場合は必要ありません。
ブロッコリーの追肥タイミング

追肥は20~30日に1回、様子を見ながら与えます。
根元から5~10cm離して撒くことで、肥料焼けを防ぐことができます。
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頂花蕾(食べる部分)ができてからの追肥は、花茎空洞症を引き起こしたり、つぼみの質が悪くなったりするので控えましょう。
ブロッコリーは虫の大好物

ブロッコリーは苗が小さい時に生長点を食べられると、うまく生育ができなくなるので要注意です。防虫用のネットを被せるなどして、虫からの食害を防ぎましょう。
ブロッコリーの収穫タイミング

ブロッコリーは「頂花蕾」と呼ばれる「つぼみ」の部分がメインの収穫物になります。
頂花蕾が15cmほどの大きさに成長したら、脇に2~3枚ほど葉を残すくらいの長さで茎を切り取り、収穫します。
ブロッコリーはあまり日持ちしないため、収穫後2~3日以内に調理すると良いでしょう。
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側花蕾を育ててみよう

頂花蕾(メインで食べる部分)を15cmほどの大きさで早めに収穫すると、脇芽が伸びてきて小さな側花蕾をいくつか付けるようになります。
この側花蕾は、メインの頂花蕾と比較すると非常に小さいですが、頂花蕾と同様に美味しくいただくことができます。
たくさん収穫するポイント
たくさん収穫するポイントは、頂花蕾を収穫した後に追肥をすることです。
側花蕾を収穫できるのは、家庭菜園ならではです。収穫を少しずつ長く楽しみたい方におすすめします。
品種と特徴
ブロッコリーの代表的な品種をまとめました。地域の特性や用途によって栽培する品種を決めましょう。
・緑嶺(りょくれい):一般的なブロッコリーで、耐病性が強く育てやすい。
・スティックセニョール:茎ブロッコリーの一種で、細長い茎と小さな花蕾が特徴。
・ハイツSP:早生品種で、寒冷地でも栽培可能。
・パープルスプラウト:紫色のブロッコリーで、サラダなどに彩りを添える。
・サマークラウン:夏に強い品種で、暑い季節でも栽培可能。
ブロッコリー栽培でよくある失敗
ブロッコリー栽培で起こりやすい失敗例をまとめました。
水やりの頻度が不適切: ブロッコリーは適度な湿度を好むため、水やりの頻度が重要です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。ただし、水の与えすぎは根腐れの原因となるため注意が必要です。
日当たりが不足している: ブロッコリーは日光を好む植物です。1日に6時間以上の直射日光が当たる場所で育てることが理想的です。日当たりが不足すると成長が遅れ、収穫量にも影響が出ます。
土壌の栄養バランスが悪い: ブロッコリーは肥沃な土壌を必要とします。植え付け前に肥料や土壌改良材を混ぜ込み、定期的に追肥を行うことで、栄養バランスを保ちましょう。
害虫の被害を見逃している: アブラムシなどの害虫は、ブロッコリーにとって脅威です。定期的に葉の裏をチェックし、見つけ次第早急に駆除することが大切です。
定植時期: ブロッコリーの適切な植え付け時期を逃すと、気温の変化に対応できず、うまく育たないことがあります。
間引きを怠ることで密集しすぎる: 若苗を間引かずに放置すると、栄養が不足し、全体の成長が阻害されます。適切な間引きを行い、各植物に十分な株間(株同士の間隔)を確保しましょう。
温度管理が不十分: ブロッコリーは涼しい気候を好みます。夏場は遮光ネットを使うなどして温度管理を行いましょう。
育て方のポイントを押さえて、美味しいブロッコリーに
育て方をマスターすることで、自宅でも新鮮で栄養豊富なブロッコリーを楽しむことができます。栽培カレンダーを目安に、適切な土壌を準備し、育苗から収穫までの各ステップを丁寧に進めることが重要です。家庭菜園初心者の方は特に、苗の選び方や追肥タイミング、害虫などの注意点を意識して育てましょう。ブロッコリー栽培はプランターを使えば手軽に始められるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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