秋冬のガーデン・室内の寄せ植えを美しく彩る「シクラメン」。その美しい花姿と豊かな色彩は、多くの人に愛されています。シクラメンは初心者でも比較的簡単に育てることができる植物ですが、より美しい花を咲かせ続けるためには適切な育て方を知ることが重要です。この記事では、育て方の基本から、植え替え方法や夏の管理、そしてシクラメンの増やし方まで、詳しく解説していきます。鉢植えや室内での育て方のポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
シクラメンは、サクラソウ科に属する多年草で、主に地中海沿岸地域が原産地です。特徴的な逆さに咲く花と、ハート形の美しい葉が魅力的で、冬から春にかけての観賞用植物として広く愛されています。シクラメンは、日本では冬のお花として人気を集め、様々な品種改良がされてきました。花色は、赤、ピンク、白、紫など多彩で、花びらの形状も一重咲きからフリル咲きまで様々です。
シクラメンの生育サイクル
秋に芽を出し、冬に花を咲かせ、春に葉が茂り、夏に休眠期に入るという特徴があります。このサイクルを理解することが、シクラメンを健康に育てるための基本です。休眠期には葉が枯れてしまうため、一見すると枯れてしまったように見えますが、これは自然な現象であり、適切に管理すれば再び美しい花を咲かせることができます。
球根植物
シクラメンは、チューリップと同じ球根植物です。球根への過度な水やりや湿気は腐敗の原因となるため、適度な水やりと排水性の良い土壌が必要です。また、シクラメンは寒さに強い一方で高温多湿には弱いため、夏場の管理には特に注意が必要な植物です。
庭植えも可能
プランターや鉢で育てることが多いシクラメンですが、庭植えでも育成可能です。ただし、庭植えの場合は、直射日光や風通しの良い場所を選び、適切な土壌改良を行うことが重要です。
シクラメンは様々な品種がある
シクラメンの品種は多岐にわたり、観賞用として人気の高い「ガーデンシクラメン」や、耐寒性が強い「ミニシクラメン」などがあります。これらの品種は、それぞれ異なる特徴を持ち、育成方法や管理方法も若干異なります。自身の環境や好みに合った品種を選ぶことで、より長く楽しむことができます。
シクラメンは、その美しい花と多様な種類で知られています。主な種類には大きく分けて大輪、中輪、小輪（ミニシクラメン）、ガーデンシクラメンがあります。
シクラメンの品種
日本の気候の場合、シクラメンは室内での栽培が一般的です。冬の室内を華やかに彩ることで人気な品種をご紹介します。
シクラメン・ビクトリア
ビクトリアはフリンジ咲きの花で、そのエレガントな姿は他のシクラメンとは一線を画します。花色は一般的にピンクや白地に対してピンク、赤、赤紫色の縁取りが施されており、そのコントラストが非常に魅力的です。
シクラメン・ジックス
シクラメン・ジックスの花は、豊かな色彩と独特の形状が魅力です。通常のシクラメンの花とは違い、花弁が反転せず傘のように開花するという特徴があります。
シクラメン・コウム
原種のシクラメンであるコウムは草丈が低く、小さな花を多く咲かせることが特徴的な品種です。丸みを帯びた葉は、カラーリーフとしても観賞価値があります。
ミニシクラメン
この品種は小型で、コンパクトな姿が特徴です。小さな鉢でも育てやすく、室内の限られたスペースでも栽培が可能です。花はカラフルで、ピンク、赤、白など多彩な色が楽しめます。
屋外で育てるのに適した品種「ガーデンシクラメン」
ガーデンシクラメンは通常のシクラメンよりも耐寒性が強く、－5℃まで耐えることが可能な品種です。冬場に寂しくなりがちな屋外のお庭の色どりを与えてくれるガーデンプランツです。特に秋から春にかけての寒冷期に強く、冬の寒さにも耐えることができるため、屋外の花壇や鉢植えに最適です。また、ガーデンシクラメンは小型でコンパクトな花を咲かせる品種が多く、寄せ植えとしても重宝されます。ただし－5℃を下回ると株を傷めてしまうため、寒冷地では室内に入れたりするなどして保温してあげましょう。
適した気温
シクラメンは涼しい気候を好み、15～20℃が生育に最適な気温です。夏の高温には非常に弱いため、夏場は直射日光の当たらない涼しい場所に移動させるか、室温をエアコンで管理された部屋に置きましょう。冬場もリビングなど暖房が効きすぎて暖かくなりすぎたり、乾燥しすぎたりする場合は置き場所を見直してみましょう。
湿度
湿度が高すぎると根腐れや病気の原因となる一方、乾燥しすぎると葉がしおれやすくなります。適度な湿度を保つためには、鉢土が乾いたら適度に水を与えることが重要です。特に、鉢底に水が溜まらないように注意し、排水性の良い土を使用することが望ましいです。
冬場のような乾燥する時期は加湿機等で室内の湿度を50〜60％程度に保つと良いでしょう。暖房が効いている部屋では、葉が乾燥しやすくなるため注意が必要です。暖房の風が直接当たらない場所に置くようにしましょう。
日光
シクラメンは明るい場所を好みますが、直射日光に当たると葉焼けを起こすことがあります。室内で育てる場合は、明るい窓辺、特に東向きの窓辺が理想的です。直射日光が強く差し込む場合には、カーテンやシェードで少し遮光してあげましょう。一方、日照不足になると花付きが悪くなるため注意が必要です。
風通し
風通しが悪いと湿気がこもり、根腐れの誘発や、病害虫の発生原因となります。定期的に窓を開けて換気を行うか、小型の扇風機やサーキュレーターを使用して空気の流れを作ることで、湿気を防ぎ、健全な成長を促すことができます。屋外に鉢を置く場合は、地面に直接鉢を置くのではなく、レンガなどに置き鉢底と地面の間に空間を作ってあげると良いでしょう。
鉢選び
シクラメンの根は比較的浅いため、深さよりも広さのある鉢を選びましょう。鉢底には必ず排水穴を設け、水はけの良い土を使用することが大切です。また、土を使いまわす場合や新しい培土に「腐植資材リフカ」※を混ぜ込むことで、保肥力や保水性などを向上させる効果が期待できるのでおすすめです。
※腐植資材リフカは自然暮らしの商品です
水やりは基本、晴れた日の朝や夕方がおすすめです。シクラメンの葉や花に水が直接かかってしまうと、腐りやすくなり、また病気の原因になる可能性があります。なるべく葉と花にかからないように、下側の葉をかき分けて株元に優しく水を与えましょう。
9～3月：シクラメンの活動が盛んな時期で、根の活動も活発になります。水やりは土の表面が乾いたら鉢底から水がしたたるまで、たっぷりと水やりをしましょう。シクラメンは比較的乾燥にも強い植物で、逆にいつまでも土が湿っていると根腐れで株が弱ってしまうので、水の与えすぎに注意しましょう。
4～8月：春からはシクラメンの活動が低下し、暑くなる夏に向けて花や葉が落ち始め、休眠期に入る時期です。シクラメンの夏越し方法には、株を完全に休眠させる「ドライタイプ」と休眠させない「ウェットタイプ」の２つの管理方法があり、それぞれこの時期の水の与え方が異なるので、詳しくは以下で説明いたします。
冬場の水やりの注意点
鉢植えの場合、夜間の冷え込みが厳しい時期には水やりを控えるか、室温を保つ工夫が必要です。比較的寒い時期がシクラメンの活動時期とはいえ、冷たすぎる水を使用するとシクラメンの根がダメージを受けることがあります。なるべく常温の水（15℃ほど）を使用することを心がけましょう。
シクラメンは栄養をしっかりと吸収する植物であり、適切な肥料の選択とタイミングが健全な成長を促します。シクラメンには液体肥料と固形肥料の両方が利用できます。液体肥料は速効性があり、成長期に特に効果的です。固形肥料はゆっくりと栄養を供給するため、長期間にわたって効果を発揮します。
おすすめの肥料の成分
シクラメンには窒素、リン酸、カリウムのバランスが取れた肥料が適しています。特に、リン酸とカリウムは花の形成と色彩に寄与するため、これらの成分が十分に含まれている肥料を選ぶことが重要です。また、マグネシウムや微量要素が含まれている肥料を選ぶと、光合成が活性化して全体的な健康状態が向上します。
肥料を与えるタイミング
植え付けや植え替えの前に元肥を、シクラメンが成長を開始する秋から春（10～4月頃）にかけては追肥を行います。特に開花期の初期には肥料を定期的に与えることで花の色が鮮やかになり、長く楽しむことができます。一方で夏の休眠期には肥料を控えます。休眠期に肥料を与えると、逆に植物のストレスを増やし、健康を害することがあります。
液体肥料の与え方
液体肥料の場合は１～2週間に一度が目安です。適切な濃度に薄めて与えましょう。また、水やりと同様に液肥を与える場合でも、葉や花に直接かからないように注意し、根元にゆっくりと注ぎます。※植え替えたばかりのシクラメンには、1週間ほど経過し、根が土になじんでから液肥を与えてください。
使いやすさと効果、デザインで選ぶなら固形肥料の与え方
植え付けや植え替え前に、元肥として固形肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。（新品の肥料入り培養土を使用する場合は控えます）追肥は月に一度を目安に与えましょう。与え方としては、水やりの際に徐々に溶け出すように、シクラメンの株元から少し離して土の表面に均一に散布します。
花が咲き終わって夏を迎えるシクラメン。このシクラメンに適切な管理で「夏越し」をさせることで、秋に再び花を咲かせてくれます。
夏越しには、休眠をさせる「ドライタイプ」と休眠させない「ウェットタイプ」の２種類があります。夏越しの準備は4月終わりから5月ごろからが目安です。
「ドライタイプ」は名前の通り休眠期に土を乾燥させて管理して夏越しさせる方法となります。
花茎と葉の切除
4月下旬から5月ごろ、シクラメンの花が終わり、葉が徐々に黄色くなってきたら休眠に入るサインです。この時期に入ったら、まずは花茎と葉を切り取ります。花茎や葉を根元から切り取ることで、球根に養分が集中し、次の生育期に向けての準備が整います。切り取る際は手で行うか、消毒済みのハサミを用いるようにしましょう。
置き場所
直射日光が当たらず、風通しが良い明るめの日陰の場所を選びましょう。適切な温度は15～20℃程度が理想的です。湿気が多いと球根が腐る原因になりますので、湿度管理にも注意しましょう。
水やり
休眠期は根も活動が低下しているので水もほとんど必要ありません。基本的には5月ごろから8月終わりまで完全に水を与えない方法ですが、球根が乾燥しすぎないように、ひと月に1～2回ごく少量の土が少し湿る程度に水を与える方法もあります。この際も、水が球根に直接かからないよう、土の表面に少し湿る程度に水を注ぐようにしてください。
肥料
肥料の供給は休眠期前に停止します。休眠期中は肥料を与える必要はありません。休眠期に入る前に、最後の肥料を与えておくことで、球根に必要な栄養が蓄積され、次の生育期に向けての準備が整います。
休眠期が終わる時期
シクラメンの休眠が終わるのは秋口の9月中旬～10月にかけてです。この時期になると新しい芽が出始めるので、それを確認したら再び通常の育て方に戻していきます。新芽が出始めたら、少しずつ水やりを再開し、適切なタイミングで肥料も再開しましょう。
シクラメンを休眠させずに葉をつけたまま夏越しをさせる方法が「ウェットタイプ」です。
置き場所
シクラメンは高温多湿を嫌いますので、涼しい場所に移動させることが重要です。理想的には、室温が20℃以下の場所が適しています。エアコンを使用して温度を調整するのも一つの方法です。直射日光が当たる場所は避け、風通しの良い半日陰の場所に置くと良いでしょう。特に真夏の強い日差しは避けるようにしてください。
水やり
水やりの頻度は活動期よりも控えめになります。土の表面が乾いたのを確認したのち、2～3日後に水をたっぷり与えるようにしましょう。
肥料
夏の間は休眠させない「ウェットタイプ」の管理とはいえ、シクラメンの活動が低下しているので、基本的に与える必要がありませんが、2週間に1度くらいのペースでうすめに液肥を与えても良いでしょう。
シクラメンの葉が枯れてきたらどうする？
葉が黄色くなる、もしくは茶色く枯れてきたら株を傷つけないように取り除きましょう。
シクラメンの植え替えを行う適切な時期は、9月中旬～10月頃の活動時期に入るタイミングが最も適しています。この時期はシクラメンにとって気温が安定していて、植え替えによって株や根にダメージやストレスがあっても回復しやすい時期となります。目安として1年に1回この時期に植え替えしてあげると毎年綺麗な花を楽しむことができます。
球根の直径よりも約2倍の大きさの鉢を使用します。大きすぎる鉢だと水分が溜まりやすくなるので根腐れしてしまう可能性が高まります。また小さすぎる鉢だと根が張るスペースが限定され、成長に影響が出る恐れがあります。もし植え替え前に使用していた鉢と球根サイズがまだ余裕がある場合は、植え替え時に元の鉢を使用しても問題ありません。
シクラメンを夏越しさせた2つの方法「ドライタイプ」「ウェットタイプ」別の植え替え時の注意点をご紹介します。
鉢を側面から軽く叩きながら株を緩ませ取り出します。「ドライタイプ」で夏越しした根は乾燥により細根が枯れて死んでしまっている状態のものが多い状態になっています。古い土を落としながら半分ほど根を崩す、または根を半分ほどカットします。
鉢を側面から軽く叩きながら株を緩ませ取り出します。「ウェットタイプ」の根は完全に休眠をしていないので生きている根が「ドライタイプ」に比べて多く、葉もついている状態になっています。根をなるべく傷つけないように古い土を軽くふるい落とします。土をしっかり抱き込んでいる場合、水を貯めたバケツに根をつけて、土を軽く落としても良いでしょう。
上記の植え替え準備が出来たら、新しく植え付ける鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れ、培養土、元肥や土壌改良材を加え、シクラメンを植え付けます。植え付けの際、シクラメンの球根は土に完全に埋めずに、半分ほど地表に出して植え付けてください。半分ほど地表に出すことで球根と葉の風通しが良くなり、株が過湿状態になるのを防ぎます。植え替え後は、球根にあまり水が掛からないように、水をあげましょう。鉢底から水が出ることを確認しながら、何回かに分けて水をしっかり土に染み込ませるように与えましょう。また植え替え後のシクラメンは、直射日光を避け、風通しの良い明るい場所に置きましょう。
シクラメンの主要な病害虫として挙げられるのはアブラムシ、ハダニ、そして灰色かび病です。これらの害虫や病気は、適切な対策を講じることで予防と管理が可能です。
アブラムシ
新芽や花に集まり、植物の生育を妨げます。アブラムシの発生を防ぐためには、定期的に葉の裏側をチェックし、見つけ次第、物理的に取り除くか、専用の殺虫剤を使用します。また、アブラムシは水に弱いので、霧吹きで葉を湿らせることも有効です。
ハダニ
乾燥した環境を好み、葉の裏側に生息して細かい網を張ります。ハダニの予防には、湿度を適切に保つことが重要です。特に夏場や室内で育てる際には、定期的な霧吹きや葉の洗浄を行い、乾燥を防ぎます。ハダニが発生した場合は、市販のハダニ専用殺虫剤を使用して駆除します。
灰色かび病
湿度が高く、風通しが悪い環境で発生しやすい真菌性の病気です。症状としては、葉や花に灰色のカビが生え、最終的には腐敗します。灰色かび病を防ぐためには、剪定を行い、風通しを良くすることが重要です。また、過剰な水やりを避け、土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。発病した部分は速やかに取り除き、感染拡大を防ぎます。
さらに、シクラメンの栽培環境を清潔に保つことも重要です。古い葉や花が落ちたまま放置されると、病害虫の温床となりますので、定期的に掃除を行いましょう。植え替えの際には、古い土を取り除き、新しい清潔な土を使用することも有効です。
開花まで時間はかかりますが、シクラメンは開花後の種を利用して新しい株を育てることができます。ただし、親が原種ではなく交配種の場合は、親とは異なる花が咲く可能性があります。同じ品種を育てたい方は休眠または夏越しを行うか、同じ品種の苗や球根の購入をおすすめします。
種を収穫するタイミング
花がしぼんでから１～2ヶ月後が目安です。種がしっかりと成熟していることを確認し、収穫した種を冷暗所で乾燥させます。
種まきの方法
発芽温度は15～20度で、種まきの適した時期は秋の9月から10月が一般的です。
①育苗用のポットやセルトレイに培養土を表面まで入れて、上から水をたっぷりかけます。
②種をポットに2～3粒、セルトレイの場合は1～2粒、土の表面に軽く押し付けるようにしてまきます。
③薄く（1mm）土をかぶせ、新聞紙などで覆って遮光します。
③発芽には通常3～4週間かかります。発芽後は、日光が当たる場所に移し、適度な湿度と温度を維持しながら育てます。
④本葉が2～3枚になったら、鉢上げを行い、個々のポットに移植します。植え付け後は、しばらくの間、直射日光を避けた明るい場所で管理します。
⑤新しい芽が出てきたら、通常の育成環境に戻し、適切な水やりと肥料を与えて育てます。シクラメンは成長が遅いため、開花までに1〜2年かかることもありますが、その間の成長過程を楽しむことができます。成長期には液体肥料を月に1〜2回与えると良いでしょう。
シクラメンは球根から育てることも可能です。
植え付けのタイミング
生育適温の15～20℃になった秋の9月中旬～10月頃が植え付けのタイミングになります。
植え付けの方法
シクラメンは水はけの良い土を好みます。市販のシクラメン用の培養土を使うか、自作する場合は腐葉土とパーライトを混ぜたものを使うと良いでしょう。植え付けの際は、球根の上部が土から半分出るように植えるのがポイントです。深く埋めすぎると、球根が腐りやすくなります。植え付けた後は、しっかりと水を与えますが、球根が腐らないように注意が必要です。水やりは土の表面が乾いたら行うようにします。
発芽後の管理
球根が発芽し、葉が出始めたら、日光が適度に当たる場所に置いて育てます。直射日光は避け、明るい日陰が理想的です。また、シクラメンは寒さに強い植物ですが、極端な低温は避けましょう。室内で育てる場合は、15～20℃の温度を保つと良いです。
夏越し方法の「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」、初心者におすすめの方法は？
初心者におすすめなのは、ドライタイプです。水やりの頻度が少なく、管理が比較的簡単なので、シクラメンの育成に慣れていない方や忙しい方にもおすすめの管理方法です。またドライタイプは夏場の水やりを極力無くす管理方法なので球根が腐るリスクが低いのが特徴です。一方「ウェットタイプ」は夏場でも休眠させずに葉を残した管理になるので、葉も引き続き楽しみたい方や管理がまめにできる方におすすめの管理方法です。
球根は分けることができる？
シクラメンの球根は基本的には一つの塊で育つため、分けることは難しいとされています。
シクラメンの球根は通常、地下で一つの塊状の形を形成します。この塊は多くの栄養を蓄えており、植物全体の成長を支えています。そのため、球根を無理に分けると栄養が分散され、成長が妨げられる可能性があります。
シクラメンの越冬で気を付けるポイントは？
一般的に室内で育てるタイプのシクラメンが生育できる温度は10℃以上が理想です。室温がこれより低くなると、成長が止まってしまうことがあります。逆に、20℃以上になると花が早く終わってしまうので、暖房の直射を避けるようにしましょう。また、夜間の冷え込みが厳しい地域では、窓際に置くと寒さが直接伝わるため、少し離れた場所に移動させると良いです。また、水やりは過湿には十分注意しながら、常温の水を与えるようにしましょう。
花壇に植え付けるのにおすすめの品種は？
「ガーデンシクラメン」がおすすめです。通常のシクラメンでは日本の冬の寒さに耐えることができませんが、「ガーデンシクラメン」であれば－5℃まで耐えることが可能です。ただし寒冷地のように気温が－5℃を下回る場合は株を傷めてしまう恐れがあるので注意です。
シクラメンは秋冬のガーデンや室内を彩る貴重なお花です。この記事の育て方を参考に、適切なお手入れや管理をしてシクラメンを長く、美しく咲かせて楽しいガーデニングライフをお過ごしください。
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