2025.04.07
初心者でも簡単!マリーゴールドの育て方と楽しみ方

鮮やかな色彩で花壇や鉢を彩る「マリーゴールド」。この記事では、花壇や庭などの地植えでの育て方だけではなく、鉢やプランターでの育て方もご紹介します。画像付きで初心者の方でも分かりやすく、マリーゴールドへの肥料の与え方からお手入れの方法、管理までご紹介します。
マリーゴールドの基本情報

マリーゴールドは、鮮やかな花色と育てやすさから、ガーデニング初心者にも人気のある植物です。
マリーゴールドはキク科に属し、主にアフリカンマリーゴールド(Tagetes erecta)とフレンチマリーゴールド(Tagetes patula)の2種類が広く栽培されています。これらは非耐寒性の一年草であり、春から秋にかけて長期間にわたって花を咲かせます。花の色は黄色、オレンジ、赤など多彩で、花壇や鉢植え、寄せ植えに最適です。アフリカンマリーゴールドは一般的に草丈が30~50cmと高くなりますが、ホワイトバニラといったわい性の品種もあります。
マリーゴールドは雑草を抑制しますが、土壌線虫についても抑制効果を示し、土壌の健康を促進する特性があるため、コンパニオンプランツとしても活用されています。また、その香りは特定の害虫を遠ざける効果があると言われ、自然農法における有用なパートナー植物になっています。さらに、マリーゴールドの花や葉は食用や薬用としても利用されることがあります。
マリーゴールドは日当たりの良い場所を好みますが、耐暑性が高く、乾燥にも比較的強いため、手間をかけずに育てることが可能です。ただし、過湿には弱いので、水はけの良い土壌を選ぶことが重要です。種からでも苗からでも容易に栽培でき、花壇のアクセントとしてだけでなく、庭全体の景観を引き立てる役割を果たします。
マリーゴールドに適した環境

気温
マリーゴールドに最適な生育温度は15~25℃です。春から夏にかけての温暖な時期に最も成長が促進されますが、気温が高すぎるとストレスを受けることがあります。真夏の30℃を超えるような日が続くときには、日陰を作るなどの対策をしてあげましょう。
低温には弱く、特に霜が降りるような寒冷な環境ではダメージを受けやすいため、基本的には1年草の扱いになりますが、秋の終わりから冬にかけては屋内で管理すれば越冬させることもできます。鉢植えが条件ですが、越冬させる場合は夜間の気温が10℃を下回るようになったら、室内に移動させましょう。
日当たりと置き場所
マリーゴールドは、日当たりの良い場所を好む植物です。理想的な置き場所としては、1日を通して直射日光が当たる南向きの庭やバルコニー、ベランダが挙げられます。ただし、真夏の強烈な直射日光は葉焼けを引き起こす可能性があるため、特に鉢植えの場合は適度な遮光が必要です。午前中に日が当たり、午後は半日陰になる場所でも育てることができます。
土壌条件
マリーゴールドは過湿を嫌うため、水はけの良い土壌を選ぶことが大切です。また、マリーゴールドは中性から弱酸性の土壌(pH5.5~6.5)を好みます。この範囲のpHを維持することで、植物が必要な栄養素を効率よく吸収できるようになります。植え付ける前に、苦土石灰や土壌pHバランス材を使用して土壌pHを調整しておきましょう。
マリーゴールドの育て方
種から育てる方法とコツ

種まきの時期は、気温が15℃以上に安定する春先が最適です。地域によっては3月下旬から5月中旬が適しています。種をまく前に、種子を一晩水に浸しておくと発芽しやすくなります。
・種まき用の土を準備します。小さなポットや育苗トレイに土を入れ、種をパラパラとまき、土を薄く(5mm以内)かぶせます。
・霧吹きで優しく水をかけ、土を湿らせます。発芽までの間は、土が乾燥しないように適度に水を与え、直射日光を避けた明るい場所に置いてください。
・発芽には1~2週間かかります。芽が出始めたら、日当たりの良い場所に移動させ、徐々に外の環境に慣らすようにします。
・双葉がしっかりと育ったら、間引きを行います。ポットの場合は1~2本を残し、育苗トレイの場合は10~15cmの間隔を確保します。
・本葉が3~4枚出たらひと回り大きなポットに植え替え、本葉が6~7枚出たら庭やプランターに植え付けます。
土壌の調整


マリーゴールドは、水はけが良い土壌を好みます。水はけが悪い土壌では通気性が悪く、過湿状態が長引き、根腐れを起こすことがあるため、粘土質土壌で育てることは避けましょう。もし土壌の水はけが悪いという場合は、赤玉土を混ぜたり、軽石やパーライトを混ぜたりすることで改善することができます。鉢植えの場合は、底に軽石を敷いて排水性を確保すると良いでしょう。
市販の培養土を使用する場合、花用の培養土がおすすめです。自分で土をブレンドする場合は、赤玉土4、鹿沼土3、腐葉土2、ピートモス又は腐植資材リフカの配合で土を自作しても良いでしょう。
肥料(元肥)
新品の培養土に肥料が入っている場合は使用を控えましょう。使い回した土壌や自作の培養土の場合は、初期生育を助ける元肥を混ぜ込んでおきます。肥料の種類としては、緩効性の化成肥料がおすすめです。マリーゴールドは肥料をそれほど必要としないため、過剰な施肥は避けるようにしましょう。
土壌pH値
マリーゴールドはpH5.5~6.5の土壌を好みます。プランターや花壇の土を繰り返し使用している場合、雨や水やりで土壌は酸性に傾きがちです。そんな時は苦土石灰や土壌pHバランス材を使用して、マリーゴールドに合った状態に調整しましょう。
苗の植え付け方法

植え付けの時期は、霜の心配がない春から初夏が最適です。
・鉢植えやプランターの場合は、鉢底石を入れて排水性を確保しておきましょう。
・土壌の調整で整えた土に穴を掘り、苗の根鉢が崩れないように注意しながらポットから取り出します。
・穴を掘り、根鉢の高さが地面と同じか少し高くなるように配置します。
・植えた後は土を軽く押さえて安定させ、水をたっぷり与えます。
・植え付け直後は、根が安定するまで水やりに注意が必要です。土が乾燥する前に水を与えましょう。
・苗を植えた後は、日当たりの良い場所に置きます。
水やり

マリーゴールドは乾燥に強い植物です。過剰な水やりは根腐れを引き起こす原因となるため注意しましょう。水やりの基本は「土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える」ことです。
成長期である春から夏にかけては、水分を多く必要とするため、土の乾き具合をこまめに確認して水を与えましょう。夏場の暑い日中に水やりをすると、水分の蒸発より、水温が高くなることが問題になります。朝、または夕方の涼しい時間帯に与えるようにしましょう。冬場は成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らし、土が完全に乾いてから与えるようにしましょう。
庭植えの場合は、雨が続く場合は水やりを控え、逆に乾燥が続く場合は定期的に水を与えるように調整します。庭植えでは、根が地中深くまで伸びるため、乾燥に強い傾向があります。
肥料の種類と追肥方法
マリーゴールドは多肥を好む植物ではないため、基肥の量は指示に従って適量を施すことが大切です。
【元肥】
元肥(植え付け前に施す肥料)としては緩効性の化成肥料がおすすめです。この肥料は土壌に混ぜ込むことで、長期間にわたり栄養を供給します。
有機入りの化成肥料と、マグネシウム+微量要素で美しく咲くマリーゴールドへ
花の育成に特化+キャップで計量しやすい
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セットは、草花・球根・花木の生育に欠かせない成分を組み合わせた肥料セットです。有機配合なので、分解者である微生物を豊かにして土壌を改善。お花を生育すると同時に、育ちやすい土壌環境へと整えます。微量要素の入ったミネラル材を併用するので、微量要素の効果で美しく大きな花に。有機特有の臭いが少なく、ご近所との距離が近いお庭やベランダでも安心してご使用いただけます。また付属のキャップで簡単に計量ができるため、肥料の過不足の不安が少ない商品です。
【追肥】

追肥は開花期を迎える2〜3週間前から液体肥料を使用すると効果的です。
春から秋にかけて、特に成長が活発になる時期は2週間に一度を目安に、液体肥料を水やりの際に混ぜて与えると良いでしょう。特に、窒素、リン、カリウムのバランスが取れた肥料を選ぶことで、花付きがよくなります。
マリーゴールドの育成におすすめ
ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
元肥・追肥の注意点
マリーゴールドは過剰な肥料で葉が茂りすぎると、花が少なくなります。適量を守るようにしましょう。
病気と害虫対策

マリーゴールドの根から分泌される成分が土壌中の線虫に対して忌避効果があることで知られています。そのためコンパニオンプランツとして庭や畑でよく利用されます。また、葉や花に含まれる成分がアブラムシやコナジラミなどの害虫を寄せ付けにくくするため、自然な害虫対策として人気があります。
マリーゴールドがかかりやすい病害としては、灰色かび病や青枯病、白さび病、うどんこ病が挙げられます。これらは湿気の多い環境や通気性の悪い場所で発生しやすいため、過湿を避け、風通しの良い場所に植えることが重要です。また、定期的な葉の剪定や枯れた部分の除去も予防に役立ちます。
剪定(切り戻し)方法とコツ
切り戻しは、マリーゴールドを健康で美しく保つための重要な作業です。
切り戻しの時期と方法

切り戻しは、主に花が咲き終わった後に行います。花数が少なくなった8~9月のタイミングで、株全体の1/3~半分を目安に選定します。切り戻しを行うことで、株全体の形が整い、11月頃に再び花を楽しむことができます。
冬越し
マリーゴールドは一般的に一年草として扱われますが、適切な管理をすれば冬越しさせることも可能です。
気温が15度以下になると生育が鈍化し、霜に当たると枯れることがあるため、寒冷地では鉢植えにして室内へ移動させると良いでしょう。室内では、南向きの窓辺など明るい場所に置き、日光に当てるようにします。水やりは控えめにして、土の表面が乾いたら少量の水を与える程度に留めましょう。過剰な水分は根腐れを引き起こしやすいため、注意が必要です。肥料も冬の間は控え、春先に成長が再開した際に追肥を行うようにします。
増やし方
マリーゴールドを増やす方法には、主に種まきと挿し木の2つの方法があります。どちらの方法も簡単に行うことができ、手軽に花壇を豊かにすることができます。
種まきの方法(種の採取)
マリーゴールドの種は、花が枯れた後に採取することができます。枯れた花を切り取り、中の種を取り出します。風通しの良い場所でしっかりと乾かした後、紙袋や密閉容器に入れて冷暗所で保管します。
マリーゴールドは種から育てることが非常に容易で、発芽率も高いため、初心者にもおすすめです。
挿し木の方法

挿し木は、成長したマリーゴールドの茎を切り取り、新たに根を生やして増やす方法です。茎は健康で病害がないものを選びましょう。茎を約10cmの長さに切り、下部の葉を取り除きます。挿し木用の培養土に挿し、適度な湿度を保ちながら風通しの良い場所で管理します。根が出るまでには数週間かかることもありますが、根付くまで土を乾かさないようにしましょう。
マリーゴールドの育て方に関するQ&A

植えっぱなし(植え替えしないで)で育てられる?
マリーゴールドは植えっぱなし(植え替えしないで)でも育てることが可能です。購入してきたポット苗の状態のまま育てる場合は、土壌の乾燥具合には注意を払い、必要に応じて水やりを行いましょう。また、日当たりの良い場所を好むため、位置の見直しや周囲の植物の影響で日光が遮られないようにすることも重要です。
種まきから発芽までの期間は?

マリーゴールドの種まきから発芽までの期間は、一般的に5~14日とされています。種まきの時期や環境条件によって多少の変動はありますが、通常は1週間前後で発芽を確認することができるでしょう。温暖な気候や適切な湿度が保たれていると、発芽はよりスムーズに進みます。
室内でも育てられる?

マリーゴールドは一般的に屋外で育てることが多い植物ですが、室内でも育てることが可能です。ただし、以下のポイントに注意しましょう。
室内で育てる場合、マリーゴールドは日光を好むため、南向きの窓辺など、できるだけ多くの直射日光が当たる場所に置くことが理想的です。日光が不足すると、花付きが悪くなる可能性があります。
また、適切な換気も必要です。閉め切った室内は湿気がこもることがあり、病気の原因になることがあります。定期的に窓を開けるか、サーキュレーターを利用して空気を動かしてあげましょう。室内の温度も重要で、特に冬場は暖房器具で室温を調整することが必要です。マリーゴールドは15℃以上の温度を好みますので、寒すぎる環境では成長が鈍る可能性があります。
マリーゴールドの花言葉は?

マリーゴールドの花言葉として最も知られているのは「嫉妬」と「悲しみ」です。これは、花の色が燃え上がるような情熱を感じさせる一方で、香りが強く、時に刺激的であることに由来します。また、「健康」「勇気」「予言」という花言葉もあります。