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レモンの原産地はインド北部からヒマラヤにかけての地域とされ、日当たりが良く温暖な気候を好む植物です。レモンの木をお迎えする前に、レモンを栽培する場所や土壌の環境についてのポイントを押さえていきましょう。
レモンは温暖な気候を好みます。適した気温は15℃から30℃の間です。特に花が咲く時期には、15℃以上の気温が必要です。気温が低すぎると生育が遅れ、逆に高すぎるとストレスを受ける可能性があります。
レモンは水を好む果樹です。ある程度土に湿り気がある環境を好みますが、過度の湿気は根腐れを引き起こします。湿度が低すぎる場合は、葉が乾燥してしまうため、適度な水やりとともに、湿度を保てるように土の上に敷き藁やもみ殻、バークチップなどでマルチをしてあげましょう。
風通しが悪いと菌や害虫が発生しやすくなり、病気の原因となります。特に梅雨の時期や雨の多い季節には、通気性を確保することが重要です。
レモンは水を好む性質であるので、保水性と排水性の良い土壌を用意しましょう。また、レモンが好む土壌pHは弱酸性のpH5.5~6.5が適しています。
一般的に、レモンは1日に6〜8時間の日光を必要とします。日照不足は、葉の色が淡くなり、花付きや実の成長に悪影響を及ぼすことがあります。地植えや庭植えの場合は、南向きの庭やバルコニーに植えると良いでしょう。鉢植えでレモンを育てる場合は、日中の移動が可能なため、日照の確保がしやすくなります。
レモンは四季咲の性質がある果樹なので、年に3回(春、夏、秋)、白く香りのよい花を咲かせます。春に咲く春花をレモンとして結実させることが一般的で、形と大きさが良く、品質が良いレモンを収穫することができます。春花を結実できた場合は、それ以降に咲く花を摘み取る摘花をして、株の体力を温存させるようにしましょう。
おすすめの開花&収穫時期
開花時期:5月中旬~下旬(春花) 収穫時期:10~11月頃
春5月頃に花が多く咲くので、通常のレモン栽培の場合、春に咲いた花を結実させて、11月の秋ごろに収穫を行います。レモンは暖かい気温で良く成長するので春花に結実させるのが一番株を疲れさせにくく、品質の良い美味しいレモンを収穫することができます。
その他の開花&収穫時期
開花時期:7~8月(夏花) 収穫時期:1~3月頃
春に比べて数が少なく実のサイズも小さくなりますが、初夏に咲いた花でも結実させることが可能です。その場合、越冬させて1~3月頃に収穫を行います。春にレモンの結実が少ない、またはできなかった場合は夏花を結実させても良いかもしれませんが、春花を結実させている場合には摘花(花の摘み取り)をして夏花を結実させないようにすることが基本です。
開花時期:9~11月(秋花) 収穫時期:翌夏
秋に咲く花も結実させることができますが、収穫が翌夏になってしまうため収穫までの時期が長く、またほとんどの果実は収穫に向かないほどの小さなサイズになってしまうケースがあります。 基本的に、秋花は株の体力を消耗させないためにも蕾の段階で摘むようにすると良いでしょう。
レモンにはさまざまな品種がありますが、育てる地域の気候や目的に合った品種を選びましょう。また苗木の年齢にも注意しましょう。一般的に、苗になってから1~2年生の若い苗木は根付くまでの時間が短く、成長が早い傾向があります。一方で実を付けるまでの期間が長くかかるため、早く収穫を楽しみたいという方は3年生以上の苗木(大苗)を探してみるのも良いでしょう。
リスボンレモン:レモン独特の鋭い酸味があり、昔から栽培されて親しまれているレモンです。寒さに強く(-5℃まで耐寒)、育てやすいことが特徴です。若苗の時にはそれほど棘(トゲ)が大きくはありませんが、ある程度成長した株は棘も大きくなります。そのため収穫や剪定の際には注意が必要です。酸度は25%と高く、「すっぱい」レモンの代表です。
マイヤーレモン:オレンジとレモンの交配種で寒さに強く(-6℃まで耐寒)、酸味だけではなく甘味もあるのが特徴です。一般的な楕円形のレモンよりも丸みがあり、皮も薄く、熟してくるとオレンジに近い色になります。酸度が4%ほどで甘みを感じられるこのレモンは、皮ごと食べることが可能で、絞った果汁も美味しくいただくことができます。緑色の「グリーンレモン」として収穫すると、苦みと酸味が増して、また違った味のレモンを楽しむことができます。
璃の香(りのか):日向夏との交配種で、棘が無く、柑橘かいよう病に強いという特徴があります。リスボンに比べると耐寒性はやや劣りますが(-3℃まで耐寒)、病気に強い品種です。皮も薄くやさしい香りで、果実が少し大きく、酸味がマイルドでどんな料理にも使いやすいレモンです。
ビアフランカ:棘がないレモンで酸味も強く寒さにもある程度強い(-4℃まで耐寒)品種です。若苗の頃は小さく棘がありますが成長するにつれて無くなっていきます。果汁がジューシーで香りも強く、料理にも使いやすいのが特徴です。棘が無いので、棘が気になる方や、小さい子供がいるご家庭で鉢植えのレモンを育てたい場合におすすめの品種です。
ピンクレモネード:他のレモンとは異なり、斑入りの葉、イエローの皮にライトグリーンの縦縞が入る品種で、棘が無く、果実がピンク色であることが特徴です。皮の縞模様は熟すにつれて無くなっていきますが、味は爽やかで、リスボン系よりも酸味は少なく、種が少ないレモンです。葉が斑入りなので、観賞価値も高い品種になります。
鉢植えで育てるメリットとデメリット
鉢植えでレモンを育てることのメリットとして、日照や気温の変化に合わせて最適な場所に移動できる点が挙げられます。季節ごとにレモンの成長に必要な条件に合った場所に移動が可能で、コンパクトな樹形にして鉢植えでレモンを楽しむことができます。また寒冷地においては冬場に室内に取り込むことで寒さから守ることができます。また、地植えに比べて土の状態を管理しやすく、土壌のpHや排水性を調整することが可能です。
一方で、デメリットも存在します。鉢植えでは地植えと比較して土の量が限られているため、栄養や水分が不足しやすく、定期的な肥料の補給や水やりが必要になります。レモン栽培では特に水切れには注意が必要で、夏の時期に乾燥で株が弱ってしまうのを防ぐため、敷き藁やバークチップでマルチをする、またはタイマーなどで水管理をすると良いでしょう。また鉢が小さい場合、根詰まりを起こしやすいため、2~3年に1回の植え替えをしてあげましょう。植え替えを怠ると根が十分に発育できなくなるため、果実の収穫量にも影響を及ぼす可能性があります。
植え替え時期:3~4月
レモンの木は、根が鉢の中で窮屈になると成長が妨げられるため、2~3年に1回は植え替えを行いましょう。植え替える時期は、暖かくなる3~4月がおすすめです。もし購入してきた苗にレモンの実がなっている場合や、2年生苗の場合はすぐに植え替えを行わず、来春の3~4月に植え替えを行うようにしましょう。
また植え替える鉢のサイズは、植わっていた鉢よりも一回りほど大きいものがおすすめです。あまりに大きな鉢に植え替えをしてしまうと、移動や次の植え替え作業の負担が大きくなり、また株に対して土の量が過多となって過湿になる恐れがあります。
また、鉢の素材としては季節の温度変化にある程度強く、軽くて扱い易い「プラスチック製の鉢」がおすすめです。植え替えの際には、根を傷つけないように注意し、根の周りに付いた古い土を軽く落として新しい土を加えます。
市販の培養土を購入するか、自作する場合は赤玉土(小粒)5:硬質鹿沼土(中粒)2:軽石2:ピートモス1(又は腐植資材リフカ)を目安に配合しましょう。
市販の培養土に肥料成分が入っている場合は元肥を使用する必要はありませんが、自作培養土を使用する場合は元肥を植え付け前に混ぜ込んでおく必要があります。
※腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
①植え替え前にレモンの苗に棘(トゲ)が付いている場合は、植え替えの際にケガをしないようになるべくハサミでカットしておきます。
②鉢を横から叩きながら苗を取り出し、根鉢を崩さないようにして新しい鉢に植えます。購入してきた苗が1~3年生の若苗の場合、根が鉢に回り切っていないことがあるので、より慎重に取り出すようにしましょう。
③植え替えを行う新しい鉢は、古い鉢よりも一回り大きいサイズにしましょう。排水性を良くするため、植え替える鉢の底に鉢底石を敷きます。調整した培養土を少し入れ、先ほど抜いた苗を植え付けて隙間に培養土を入れていきます。この時、接ぎ木※部分を埋めてしまわないように注意しましょう。
④支柱を立てて苗を軽く固定し、鉢底から水がしたたり落ちるほどしっかりと水やりを行います。
※接ぎ木とは、異なる品種や特性を持つ植物を接合する技術で、より強健で病害虫に強い木を育てるために行われます。レモンの接ぎ木苗を選ぶことで、生育が安定し、果実の品質も向上します。
庭にレモンの苗木を地植えする場合は、日当たりと水はけが良い場所で、あまり強風にさらされない場所を選んで植え付けましょう。地植えの場合は鉢植えに比べて水やりにそこまで神経質になる必要がないので管理が楽になります。
①植え替え前にレモンの苗に棘(トゲ)が付いている場合は、植え替えの際にケガをしないようになるべくハサミでカットしておきます。
②鉢を横から叩きながら苗を取り出し、根鉢を崩さないようにして新しい鉢に植えます。購入してきた苗が1~3年生の若苗の場合、根が鉢に回り切っていないことがあるので、より慎重に取り出すようにしましょう。
③植え付けを行う植え穴を直径、深さともに40~50㎝ほど掘り、掘り上げた土に調整した培養土を混ぜます。その後、植え穴に配合した用土を少し戻しましょう。
④植え穴に接ぎ木部分が埋まらないよう注意し、苗を植え付けます。
⑤支柱を立てて苗を軽く固定し、鉢底から水がしたたり落ちるほどしっかりと水やりを行います。
レモンは水を好む一方で、過湿になると根腐れを引き起こす可能性があります。基本的には表土が乾いたらたっぷりと水を与えるのが理想です。特に7~9月の夏場は高温で乾燥しやすくなるため、水切れにならないように注意しましょう。
鉢植えの場合は土が乾燥しきってしまうと、水やりをしても中心部まで水分が行き届かず、鉢底から流れ落ちてしまう場合があります。夏場は特に、土壌にしっかりと水を浸透させることを意識しましょう。また、鉢受け皿を使用している場合は、水やり後に鉢受け皿に水が溜まらないように注意しましょう。
地植えの場合は、水やりは基本的には雨に任せることになります。夏場に雨が降らない期間が続く場合は、ジョウロやホースで水を与えてください。
春(4~6月)と秋(9~11月):
徐々に気温が上がるにつれて、活発に成長します。鉢植えの場合は鉢の表土の乾燥状態を見て、乾燥しているようであれば1~3日に1回、午前中の時間帯に、鉢底から染み出るほど水をしっかりと与えてください。
地植えの場合は、基本的に雨に任せても問題はありません。3~4月頃の植え付けたばかりの苗に対しては、根が活着するまで土の乾燥状態を見ながら水やりを行いましょう。
夏(7~9月):
温度が高くなり乾燥しやすくなります。また一方で梅雨の時期は雨が降り続くため鉢の土が乾ききらない状態になる可能性があります。晴れが続く場合は、朝晩の2回、鉢底から染み出るくらいしっかりと水を与えましょう。雨が降り続く時期は、鉢の土が乾燥しすぎない程度に水を与え、湿っている場合は控えましょう。地植えも夏場の時期に晴れた日が続く場合に限り、水をジョウロやホースで与えましょう。
冬(12~3月):
成長が緩やかになり株が休眠する時期になります。水やりの頻度を減らし、土が完全に乾いてから晴れた日の午前中に水を与えるようにします。レモンは低温に弱く、-3℃以下では株を傷める可能性があります。寒冷紗などで防寒をするか、室内に取り込むなどしておきましょう。
レモンに与える肥料の成分は、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)をバランスよく含んだ複合肥料が適しています。窒素は葉の成長を促し、リン酸は花の形成を助け、カリウムは植物全体の健康を維持します。レモンの果実を収穫するためには花芽を付けることがとても重要なため、リン酸が高めの肥料を選ぶと良いでしょう。また、マグネシウムや微量要素(鉄、マンガンなど)も含まれている肥料を選ぶと、光合成をサポートして植物の健康を維持しやすくなります。
基本的な肥料(有機化成、液肥)
レモンは果実を収穫するまで特に肥料を多く必要とする果樹です。1つのレモンを実らせるためには葉が25枚必要とされているため、芽が動きだす時期や花芽を形成する時期にしっかりと栄養を補給する必要があります。ゆっくり長く効く緩効性の有機肥料や、早めに効果を発揮することができる化成肥料などの固形肥料をベースに与えつつ、速効性の高い液体肥料(液肥)を併用すると良いでしょう。
葉面散布は葉から栄養素を直接吸収させることができる施肥方法で、日頃の株の栄養補給として、また葉の色が薄くなった時の対策として有効です。柑橘系など肥料を良く消費する果樹には、肥料の葉面散布もとても効果が高く※おすすめです。
※ただし、柑橘系の葉の表面にはワックスあるので、展着材なしの散布は効果が十分現れない可能性もあります
肥料は葉面散布用として成分設計された「水でうすめてミストする有機入り液肥」がおすすめです。使いやすくて希釈のミスが少なく、初心者の方でも簡単に葉面散布をすることができます。
葉面散布について詳しくはこちら
》肥料の葉面散布とは?メリットと効果をアップさせるポイント
レモンは肥料を多く必要としますが、時期によってその頻度や1回あたりの適切な量が変化します。レモンをたくさん収穫したい方は、ぜひこの施肥のポイントを押さえていきましょう。
《肥料のタイミングと目安量》
「有機ダブルセット」の元肥または追肥(N=10)を目安にした場合の目安量です
2~3月:寒肥
固形肥料:2~3月中に1回
幼木:50~100g/本
成木:4㎏/本
暖かくなる前に与える肥料を「寒肥」と呼びます。レモンは春から休眠から目覚め、活動期に入り根や芽の展開を活発に行うようになります。株が動き出す前のタイミングでしっかり肥料を与えて、丈夫な体を作る体力をつけてあげましょう。
※同年に植え付けや植え替えを行って「元肥」を与えている場合は控えます
6月:夏肥
固形肥料:6月中に1回
幼木:50~100g/本
成木:5㎏/本
液肥・葉面散布:1か月に2~4回
(週1回~2週に1回)
枝や葉が増え、5月に咲いた花が結実して少しずつ大きくなってくる頃です。2~3月に与えた固形肥料の肥効も薄れてくるのでこのタイミングで追肥を行いましょう。
9月:秋肥
固形肥料:9月中に1回
幼木:50~100g/本
成木:4㎏/本
液肥・葉面散布:1か月に2~4回
(週1回~2週に1回)
梅雨時期と高温時期を過ぎて、レモンの木も体力を消耗しながらも、さらに実を大きくしようとする時期です。体力を補い、実を大きくさせるためにも追肥を行いましょう。
11月:冬肥(お礼肥)
固形肥料:11月中に1回
幼木:50g/本
成木:3㎏/本
液肥・葉面散布:1か月に1~2回
実がなり終わったレモンの木に肥料を与えます(お礼肥)。気温が低下すると微生物の活性も落ちるため、有機原料が多く入った肥料は効きが遅くなる可能性があります。化成肥料または有機化成肥料がおすすめです。11月以降の冬季は、レモンの生育が鈍くなり、肥料の吸収量も低下するため施肥は控えましょう。
1~2年生の幼木:株元から30~50cmの範囲
3年生以上の成木:樹冠下(枝が広がっている範囲)
固形肥料を追肥で与える場合、レモンの木の周辺を少し掘り、規定量をまいて土と混和させます。マルチが敷いてある場合は、マルチを少しずらして肥料を与えましょう。鉢植えのレモンの場合は鉢の周辺に追肥を与えればOKですが、地植えのレモンに肥料を与える場合、レモンの木の大きさ(年齢)に合わせて変える必要があるので注意しましょう。
葉が黄化して木の勢いが弱くなった場合は肥料切れの可能性があります。速効性の液体肥料を与えて回復させましょう。
ただし、葉や枝が過繁茂になる場合は窒素過多の可能性があります。過繁茂になると花芽が形成されにくくなり、レモンの収穫量が落ちてしまいます。肥料は規定量を守り、与え過ぎないよう注意しましょう。
レモンは木の大きさによって肥料の要求量も大きく異なります。例えば、植え付けから2~3年の幼木と比較して、4年目以降の成木は2~3倍に肥料の量を増やす必要があります。また、与える時期や面積(鉢やプランター、庭の大きさ)も考慮して肥料の量を調整しましょう。
レモンの木は、剪定で樹勢を抑えることで、コンパクトにしながらも実付きが良い木に育てることができます。レモンは剪定をしなければ樹勢が強くなり過ぎて、花を咲かせなかったり、逆に花をつけ過ぎて翌年以降に実がならなくなったりします。毎年安定してたくさんレモンを収穫したい方はぜひ剪定方法を覚えて実践してみましょう。またレモンの木には棘(トゲ)があるため、十分注意して剪定を行いましょう。
剪定のタイミングは①3月上旬~中旬と②9月と11月の2回があります。
①3月上旬~中旬
レモンの剪定にベストなタイミングは、休眠から起き始める前の3月上旬~中旬です。この時期はレモンの木がまだ活性化していないので、樹液の流れも緩やかです。そのため太めの枝を切っても、水分や栄養の流出も少なく、また活動期に入るタイミングでスムーズに回復し、新しい芽を出すことができます。
レモンは前年に伸びた枝に花をつかせる果樹なので、前年よりも前の古く不要になった枝を剪定し、3月にある程度その年の樹形を決めるようにします。また剪定の場所や目的を間違ってしまうと、その年の春に花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。
3月剪定の重要な3つのポイント
1. 花芽を残す剪定
3月頃の枝には、前年に伸びた枝に花芽と葉芽の芽吹きが確認できます。一般的に花芽は枝の先の方につく場合が多く、枝の下あたりは葉芽がつきます。そのため、春に花を咲かせたい枝については、先端を少し剪定(枝先から1/4ほど)する程度にとどめましょう。また残したい枝の中で20㎝以下の短い枝は切り戻さないようにしましょう。深く切り戻してしまうと花芽まで落としてしまい、その年の春は花が咲かなくなってしまいます。
2. 透かし剪定(間引き剪定)
交差している枝、混み合っている枝、上向きに徒長している枝、下向きに生えている枝を、枝の根元から剪定します。透かし剪定をすることで風通しを良くし、日の光も株の枝全体に当てることができるため光合成がしやすくなり、4月からの芽吹きや葉の展開が良くなります。
3. 切り戻し剪定
高さや横幅を狭めるために行う剪定です。ある程度コンパクトにするために上や横に伸びすぎている枝を先端から半分ほどの長さまで切り戻しましょう。切り戻しを行うと、枝から芽が形成され、新たな枝を作ることができます。
②11月
秋に行う剪定の目的は、余分な枝を落として、春に結実したレモンの実に栄養を集中させるために行います。このタイミングで剪定するのは、交差している細い枝、混み合ってしまっている細い枝、下向きに生えた細い枝です。細い不要な枝を剪定する場合は、枝の根元からハサミでカットし、風通しを良くしてあげましょう。
7~8月頃になると、春に咲いた花が結実し始めます。そのまま放っておくと、その年にはたくさんのレモンが収穫できますが、小さなレモンになってしまう可能性が高まります。また、レモンはたくさん実をつけ過ぎてしまうと、翌年はあまり実を付けないという「隔年結果」が起きる場合があります。葉の枚数を数え、25枚当たりに1果実になるよう、傷んだ果実や小さな果実は摘果するようにしましょう。
レモンの収穫時期は、品種や栽培環境に依存しますが10月~2月が一般的です。
果実が鮮やかな黄色(品種によっては緑がかった色)に変わり、触れた際に少し柔らかさを感じるようになったら収穫のサインです。レモンの収穫には、果実を傷つけないように手で優しく摘み取るか、剪定ばさみを使って果柄を切り取る方法があります。特に剪定ばさみを使用する際は、果実の根元を少し残して切ると、果実の保存期間が長くなります。
収穫時には、果実が均一に熟しているか確認し、数回に分けて収穫することをおすすめします。収穫後は風通しの良い場所で保存し、直接日光が当たらないように注意することで、果実の品質を維持できます。
レモンは寒さに弱い果樹のため、防寒対策が重要になります。バークチップや敷き藁で根元をしっかりとマルチングして根を寒さから守りましょう。鉢植えの場合は、室内に移動させると良いでしょう。
また、最低気温が5℃を下回る地域では特に注意が必要です。夜間には不織布やビニールで木全体を覆い、昼間は日光をしっかりと浴びせるようにします。さらに、枝が風で傷つくのを防ぐため、支柱を立てるなどの物理的な保護も実施しましょう。
冬場は成長が鈍くなるため、水やりは夏よりも頻度を減らし、土の表面が乾いたときに軽く水を与える程度にします。過度な水やりは根腐れの原因となるので注意が必要です。寒冷地では特に水が凍らないように、凍結の心配がある時間帯を避けて水やりを行ってください。
レモンの木は挿し木によって増やすことができます。比較的簡単に増やすことができる方法なので、初心者の方にもおすすめです。
レモンの挿し木に適した時期は、一般的に春から初夏、または秋です。
まず、健康で新しい枝を選びます。選ぶ枝は、節の直下で切り取るのがポイントです。
長さは10~15cm、葉が2~3枚残るようにカットします。切り口は斜めにカットし、切り口の表面積を大きくします。30分~1時間を目安に水に浸けて、発根を促進します。
次に、切り取った枝を挿し木用の土に挿します。挿した後は、水をたっぷりと与え、湿度を保つためにビニール袋をかぶせるか、温室内で管理します。
挿し木後は、直射日光を避けて明るい場所で管理しましょう。レモンは発根まで約3ヶ月かかります。発根が確認できるまで、土が乾かないように注意深く水やりを続けましょう。発根が確認できたら、徐々に外気に慣らし、定植の準備を進めます。
発根したレモンの苗木は、成長に伴い適切な鉢や地面に移植します。この際、根を傷つけないように注意し、植え付け後もしっかりと水やりを行います。
レモンは種から育てることが可能ですが、種から育てた場合は実がなるまでに非常に時間がかかります。苗木から育てた場合よりも3倍以上の時間がかかることもあるため、初心者の方は苗木からの育成がおすすめです。また、種から育てたレモンの木は、必ずしも親木と同じ品質の果実を実らせるとは限りません。これは、遺伝的な多様性によるもので、風味やサイズが異なることがあります。
種からの育て方:
まず新鮮なレモンから種を取り出し、果肉を洗い流して乾燥させます。次に、発芽を促進するために水に一晩浸してから、適した土壌に植えます。種は約1cmの深さに埋め、適度な湿り気を保つように注意します。発芽には数週間かかることがあり、その間は日当たりの良い場所に置きます。発芽後は、成長に伴い適切なサイズの鉢に植え替え、定期的に水を与えます。
レモンの木は室内でも育てることが可能ですが、鑑賞がメインとなってしまいます。レモンの実を収穫したい場合は屋外で育てることをおすすめします。レモンは日照を好む果樹で、ある程度コンパクトに仕立てることはできますが、横にも広がるので室内には向かない植物です。冬の寒さを避けるために一時的に室内に避難させても良いですが、基本的には屋外で育てるようにしましょう。
せっかく春が来たのにレモンの花が咲かない…そんな場合はいくつかの原因が考えられます。
気温の変化(寒すぎてダメージを受けてしまった)
レモンは温暖な気候を好むため、寒い地域や急激な温度変化にさらされると花を咲かせにくくなります。最低でも15℃以上の温度が保たれるように管理することが重要です。冬に寒さにさらされ過ぎると落葉が多く、株も傷んでしまう場合があります。一時的に室内に避難させるか、寒冷紗などでレモンの木を覆うような防寒対策をしてあげましょう。
日照が足りていなかった
レモンなどの柑橘系の果樹は日当たりをとても好みます。最低でも1日に6時間以上の日照が必要です。日陰が多い場所では、花が咲きにくくなる可能性があるので注意しましょう。
栄養が足りていなかった
肥料の与え忘れはなかったでしょうか?特に葉の展開が少ない場合は窒素が不足、花芽の展開が少ない場合はリン酸が不足していた可能性があります。バランスの良い固形肥料を3、6、9、11月に定期的に与え、液体肥料や葉面散布も併せて行うと肥料切れの失敗がなくなります。
水やりの不足
レモンは水を好む果樹です。水が不足してしまうとレモンの木にストレスがかかり、葉が萎れ、光合成がうまくできなくなり、栄養が回らず、花が咲かない、果実か落ちるなどの症状を引き起こします。特に春先の花芽の展開時期、夏場の高温時期はしっかりとレモンの木に水を与えて育てましょう。
剪定のミス
3月の剪定の時期に枝を深く切り戻してしまうと、春に咲くはずだった花芽まで切り落としてしまっている場合があります。残す枝の場所や剪定の方法を確認しましょう。
レモンの栽培において、特に注意が必要な害虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハモグリガ、そしてアザミウマです。これらの害虫はレモンの成長を阻害し、果実の品質を低下させる可能性があります。また柑橘系の葉が大好きなアゲハ蝶の幼虫も、レモンの果実に大切な葉を食害してしまうので注意が必要です。
アブラムシは新芽や若葉に集まり、樹液を吸い取ることで植物の成長を妨げます。また、アブラムシが分泌する甘露は、すす病の原因となることがあります。カイガラムシは幹や枝に付着し、樹液を吸うことで木を弱らせます。定期的に枝をチェックし、手で取り除くことが効果的です。
ハモグリガは葉にトンネル状の食害をもたらし、光合成を妨げるため、葉の健康を維持するためには早期発見と対策が重要です。アザミウマは葉裏や花に付き、花や果実を傷つけることがあります。これにより、果実の形状が悪くなることがあるため、防除が必要です。
アゲハ蝶の幼虫は葉の食害がある場合に確認することが多いですが、新芽や若い葉を好むのでレモンの木の成長を妨げる幼虫です。対策としては日々観察をして食害を見つけたら早期に取り除くのが一番効果的です。
レモンは環境さえ合っていればそのままでも育つ頑丈な植物ですが、実をたくさん付けたいという場合はお手入れや肥料が必須になります。初心者の方も、この記事で育て方のコツを押さえて、美味しいたくさんのレモンを収穫しましょう。