2025.02.18
更新日: 2025.04.10
初心者向け!バジルの育て方とお手入れのコツ|失敗しないポイント

柔らかい葉から香る爽やかで甘い芳香が特徴的なバジル。摘みたての新鮮な葉は品質が良く、良い香りを楽しむことができます。ここでは、そんなバジルのお庭での育て方だけでなく、プランターでの育て方もご紹介します。
バジルの種類と適した環境

バジルの種類と特徴
代表的な種類には、「スイートバジル」、「レモンバジル」、「シナモンバジル」、「ホーリーバジル」、「タイバジル」などがあります。日本で特に流通しているバジルは「スイートバジル」で、パスタやサラダに使われることが多く、その香りと味わいが特徴です。「レモンバジル」は、爽やかなレモンの香りが特徴で、魚料理やデザートにぴったりです。「シナモンバジル」は、シナモンのような香りを持ち、エスニック料理に使われます。「ホーリーバジル」や「タイバジル」はアジアン料理に欠かせない品種です。
バジルの栽培に適した環境

バジルは、一般的に日当たりが良く、風通しの良い場所で育てるのが理想的です。特にスイートバジルは、温暖で湿度が高すぎない環境を好みます。スイートバジルの生育適温は20~30℃程度で、特に夜間の温度が15℃以上を保てると良いでしょう。バジルは寒さに弱い植物ですので、気温が下がる季節には室内に取り込むか、ビニールハウスなどで保温対策を行うことが望ましいです。また、バジルは水はけの良い土壌を好みます。土が過度に湿ると根腐れを起こすことがあるため、鉢やプランターで育てる場合は鉢底石を置き、排水穴を確保しましょう。
バジルの育て方
土壌の準備


土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
おすすめの元肥の種類と量の目安
バジルの元肥には、緩効性の固形肥料がおすすめです。有機質や緩効成分(ジシアンジアミドやウレアホルムなど)を配合した化成肥料であれば、速効性と緩効性を兼ね備えているためバジルの初期成長をしっかりとサポートすることができます。
「ガーデンフラワー用肥料」を元肥として使用する場合、
- 5号鉢: 2~3g
- 10号鉢: 7~10g
- 65型プランター: 10~15g
- 庭・畑: 1㎡あたり50~100g
が目安の量になります。
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種まき(種からの育て方)

バジルをたっぷり育てたいという方は、種まきからの育成がおすすめです。
種まきの時期は気温が20℃以上になる4月下旬~5月が適しています。バジルは根を浅く張る植物のため、プランターの深さが15~20cmあれば育てることが可能です。大きく育てたい場合は、庭や畑に直接まくか、深さが20cm以上のプランターを用意しましょう。
プランター栽培の場合
①底石用の軽石を入れ、「土壌の準備」で調整した培養土をプランターの8分目まで入れます。
②鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えます。
③条間を15cmほどに設定し、すじまきをしてごく薄く土をかけます。
④害虫から守るため、防虫ネットを被せます。
畑栽培の場合
①「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。
②条間を15cmほどに設定し、すじまきをしてごく薄く土をかけます。
③薄く覆土をして鎮圧します。
※種まき後、畑が乾燥していたらたっぷりと水を与えます。
間引き

間引きとは、密集して発芽した苗の中から、弱いものや余分なものを取り除き、残った苗が十分に成長できるスペースを確保する作業です。
バジルを間引くタイミングは、種をまいてから約2~3週間後、苗が本葉を2~3枚出した頃が最適です。15cm程度の間隔を目安に、根を傷つけないように注意して、土から引き抜くか、地面の近くで剪定ばさみを使って切り取りましょう。(間引いた葉は食べることができます)
成長していく中で混み合うようであれば、適宜間引きます。大きく育てる場合は、最終的に25~30cmの株間を設けましょう。
植え付け(苗からの育て方)

バジルを少しだけ育てたいという方は、苗からの育成がおすすめです。
植え付けに適した時期は霜の心配がなくなる4月下旬~5月です。
①「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。プランター栽培の場合は鉢底石を入れ、プランターの8分目まで調整した土を入れます。
②ポットから苗を優しく抜き取り、土の上部とポットの土の上部が同じ高さになるくらいに苗を植えます。複数本を植え付ける場合は、株間を15~30cm取りましょう。
③苗と新しい土が密着するように軽く押さえ、ぐらつかないようにします。
④たっぷりと水を与えます。(プランターの場合は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと)
水やりのポイント

バジルは水分を好む植物ですが、水の与え過ぎは根腐れを引き起こす可能性があるため、注意しましょう。
基本的には、土の表面が乾いてきたら水を与えるようにします。水やりのタイミングとしては、朝の早い時間帯がおすすめです。日中の蒸発を防ぎ、根が水分をしっかりと吸収することができます。
また、夏場、特にプランター栽培は乾燥しやすいため、1日に2回水を与えるようにします。この時、暑い日中は避けて涼しい朝と夕方に与えるようにしましょう。冬場は成長が鈍るため、水やりの頻度を減らして、土がしっかりと乾いてから水を与えるようにします。
肥料(追肥)の与え方とタイミング

植え付け後は、バジルが活発に成長する春から夏にかけて、追肥を行います。目安として、植え付けから3〜4週間後に初回の追肥を施し、その後は化成肥料なら3~4週間に1回、液体肥料であれば2~7日に一度のペースで与えます。
肥料の種類としては、窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれた化成肥料または液体肥料がおすすめです。
過剰な肥料は逆効果となり、葉が黄変したり、成長が停滞する原因となります。ラベルに記載された使用量を厳守し、必要に応じて少量ずつ与えるようにしましょう。また、液肥を与える場合は水やりと同様に、時間帯に注意が必要です。気温が高く日差しの強い時間帯を避け、早朝や夕方に施しましょう。
化成肥料を与える場合の目安量
春~夏の成長期は、3~4週間に1回を目安に肥料を与えます。
「ガーデンフラワー用肥料」を使用する場合の目安量は下記の通りです。
- 5号鉢: 1~2g
- 10号鉢: 3~4g
- 65型プランター: 4~6g
- 庭・畑: 1㎡あたり30~40g
液体肥料を与える場合の目安量
「水でうすめる有機液肥」を使用する場合、ジョウロに1~2プッシュした後に水1Lでうすめて、2~7日に1回与えます。
葉面散布で肥料を与える場合
日頃のバジルのお世話に、葉面散布で葉に栄養素をあたえることができます。葉の表だけでなく裏側にも均等に葉面散布してください。バジルの成長が活発になり始める芽吹きのタイミングや、梅雨時期で過湿や高温し過ぎて根が疲れている時、一時的な剪定で株が疲れている時などに素早く栄養補給が出来るのでおすすめです。特に夏場の葉面散布は葉焼けを防ぐために朝方か夕方にするよう注意しましょう。(散布は収穫1週間前までが目安で、バジルは水で洗ってからの利用が望ましいです)
おすすめの葉面散布用肥料
バジルの光合成をサポート
水でうすめてミストするサプリ
水でうすめてミストするサプリ
葉水と一緒に肥料を与えられる、「水でうすめてミストするサプリ」です。
マグネシウムと微量要素を葉に直接与えて、光合成をサポートします。
N、P、Kを含まないため通常の肥料と併用が可能です。
プランターでのバジル栽培のポイント

プランターのサイズ
プランターで栽培する場合、コンパクトに育てたいという方は深さが15~20cmのプランターを、大きく育てたいという方は20cm以上の深めのプランターを選びましょう。バジルの株間は15~30cm必要なため、育てたい本数に合わせてプランターや鉢の大きさを決めると良いでしょう。
ハーブの栽培におすすめの液体肥料
水でうすめる有機液肥
プランターの置き場所
バジルは日光を好むため、1日最低でも6時間は日光が当たる場所に置きましょう。室内で日当たりが確保できない場合は、LEDの育成ライトを利用するのも1つの手段です。
バジルのお手入れ方法
バジルの増やし方
バジルを増やす方法には、挿し木と株分けの2つの方法があります。
挿し木の方法

健康なバジルの枝を切り取り、新しい株を育てる方法です。適切な時期は初夏、または秋です。まず、5〜10cmの若い枝を選び、下葉を取り除きます。水を張った容器に挿し、日当たりの良い場所で管理します。根が出てきたら、土に植え替えます。
株分けの方法
根がしっかりと張ったバジルを株ごと分けて増やす方法です。
株分けをするのに最適な時期は春です。株を掘り起こし、根を傷つけないように注意しながら、必要な部分を分けます。分けた株は新しい土に植え付け、水をたっぷりと与えます。
害虫対策
バジルは害虫の被害を受けやすい植物です。バジルにとって特に注意が必要な害虫にはアブラムシ、ハダニ、ヨトウムシなどが存在します。これらの害虫は葉を食害し、植物の成長を妨げるだけでなく、病気を媒介することもあります。
アブラムシは新芽に群がり、葉の栄養を吸い取ってしまうため、定期的な観察と早期発見が重要です。ハダニは葉の裏に潜み、乾燥した環境を好むため、葉を水で湿らせることで防ぐことができます。ヨトウムシは夜間に活動するため、日中には見つけにくいですが、土の中や葉の裏をよく確認することで発見しやすくなります。
害虫対策としては、育成開始前からの予防が重要です。通気性の良い場所を選び、あらかじめ防虫ネットを被せておいて物理的に害虫を遮断するようにしましょう。
バジルの収穫と長持ちさせるコツ

収穫のタイミングと方法
通常、バジルは植え付けから約60日後に収穫時期を迎えます。葉が6〜8枚になったら、収穫していきます。バジルは次々と葉をつけていきますが、花が咲くと風味が落ちるため、花が咲く前に収穫するようにしましょう。
収穫の方法

バジルの茎の上部から3〜4節目を目安にして、清潔なハサミやナイフでカット(摘心)します。下部の葉や芽を残しておくことで、植物が再び成長し、継続的に収穫が可能になります。タイミングは朝が最適で、葉の水分が多く、香りが豊かな状態で収穫することができます。
バジルの摘芯
バジルは「摘芯」を行うことで横に広がり、豊かな葉をつけるようになります。摘芯とは、植物の頂芽を摘み取ることで、側枝の成長を促す作業です。バジルの葉を多く収穫したいという場合は、積極的に「摘芯」をすることをおすすめします。
収穫時のポイント
収穫を行う際には、全ての葉を一度に摘み取るのではなく、一部を残しておくようにします。これにより、バジルが継続して光合成を行い、次の収穫に向けて成長を続けることが可能です。バジルは非常に柔らかくデリケートな植物であるため、収穫時に茎や葉を傷つけないように注意が必要です。
収穫後の保存方法

収獲して時間が経つと、香りが失われて葉の品質が低下してしまうバジル。そんなバジルを長持ちさせるための方法をご紹介します。
まず、バジルをしっかりと洗い、余分な水分をペーパータオルで優しく拭き取ります。その後、バジルの茎を少し切り、水を入れた瓶に挿すと、切り花のように保存できます。もう一つの方法として、バジルの葉をオリーブオイルで軽くコーティングしてから冷凍することで、風味を損なわずに長期間保存できます。さらに、バジルをペーストにして冷凍保存する方法もあります。ペースト状にすることで、必要な分だけ解凍して使用できるため、料理の際に非常に便利です。