2025.04.23
ミント育て方のコツ!プランター栽培、肥料、水の管理まで

ミントは爽やかな香りと多用途な使い道から、ガーデニング初心者や料理好きに大人気の植物です。この記事では、プランターでの育て方のコツやおすすめの肥料、水の管理方法まで、ミントの上手な育て方を徹底解説します。
ミントの基本情報

ミントとはどんな植物?
ミントは、シソ科ハッカ属に属する多年草で、世界中で広く栽培されています。爽やかな香りと清涼感のある風味は、料理や飲み物、化粧品、アロマセラピーなど、さまざまな用途で利用されています。ミントの特徴的な香りは、主にメントールという成分によるものです。メントールは昆虫に対する強い忌避効果があります。また、ミントはゴキブリやハエなどが嫌うハッカの含有量も非常に多いため、虫除けの効果が高い植物と言えます。ミントは非常に繁殖力が強く、適切な環境下であればどんどん広がり、初心者でも比較的簡単に育てることができます。ミントは通常、日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも成長することができます。
ミントの種類と選び方

使用用途に合わせて、種類を選びましょう。
- ペパーミント:爽やかな香りが特徴で、ハーブティーや料理の風味付けに使用されます。
- スペアミント:甘い香りがあり、デザートやモヒートなどのカクテルに使われます。
- チョコレートミント:チョコレートの香りがほのかに感じられ、デザートにぴったりです。
- アップルミント:リンゴのような甘い香りで、サラダや飲み物に合います。
ミント栽培の準備

ミントに適した環境
ミントは一般的に15~25℃の気温でよく育ち、寒さには比較的強いですが、極端な暑さや寒さは避けるようにしましょう。土壌に関しては、水はけの良い肥沃な土が最適です。pH6.0~7.0の中性に近い土壌を好みます。ミントは湿気を好みますが、過度な水やりは根腐れの原因となるため注意が必要です。
適切な鉢やプランターの選び方
ミントは根が広がりやすく、大きな鉢やプランターほど大きく成長します。1株だけ植えるなら、5~6号の鉢がおすすめです。65型プランターの場合は、2~3株を目安に植え付けましょう。ただし、ミントは繁殖力が強いため、他の植物との寄せ植えは避けるようにします。また、排水性を考慮し、底に十分な数の排水穴があるものを選びましょう。
種から育てるか、苗を使うか
ミントの種は非常に細かく、また発芽までにある程度時間がかかることから、初心者の方は苗からの栽培がおすすめです。一方で、数株ではなくたくさんの苗を育てたいという方は、種からの育成がおすすめです。
・たくさんのミントを育てたい方:種からの育成がおすすめ
・少しの株だけ育てたい、すぐにミントを収穫したい、育成初心者の方:苗からの育成がおすすめ
ミントの種まき・植え付け方法
土壌の準備
土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
おすすめの元肥の種類と量の目安
ミントの元肥には、緩効性の固形肥料がおすすめです。有機質や緩効成分(ジシアンジアミドやウレアホルムなど)を配合した化成肥料であれば、速効性と緩効性を兼ね備えているためミントの初期成長をしっかりとサポートすることができます。
「ガーデンフラワー用肥料」を元肥として使用する場合、
5号鉢: 2~3g
10号鉢: 7~10g
65型プランター: 10~15g
庭・畑: 1㎡あたり50~100g
が目安の量になります。
有機入りの化成肥料と、マグネシウム+微量要素で成長と光合成をサポート
キャップで計量しやすい
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セットは、草花の生育に欠かせない成分を組み合わせた肥料セットです。有機を配合しているので、分解者である微生物を豊かにして土壌を改善。植物を生育すると同時に、育ちやすい土壌環境へと整えます。さらに、微量要素の入ったミネラル材で光合成を促進します。有機特有の臭いが少なく、ご近所との距離が近いお庭やベランダでも安心してご使用いただけます。また付属のキャップで簡単に計量ができるため、肥料の過不足の不安が少ない商品です。
種まきの方法

種まきの適切な時期は3~5月です。
①種を準備し、鉢やプランターを用意します。鉢やプランターには鉢底石を敷いて排水性を確保しておきましょう。
②容器いっぱいに「土壌の準備」で調整した土を入れ、ジョウロなどで水をたっぷりと与えます。
③種を土の上にパラパラとまき、ごく薄く(1mm以内)土をかぶせます。ミントの種は非常に小さいので、風などで飛ばされないように注意しましょう。
④日当たりの良い場所に置き、土が乾かないように霧吹きなどで水を与えながら管理します。
⑤発芽するまで15~20日かかります。成長して葉が触れ合うようであれば都度間引き、最終的に15cm以上の間隔をあけるようにします。
苗の植え付け方

ミントの苗の植え付けに適切な時期は3~5月と9~10月です。
①「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。鉢やプランターに鉢底石を入れ、プランターの8分目まで調整した土を入れます。
②ポットから苗を優しく抜き取り、土の上部とポットの土の上部が同じ高さになるくらいに苗を植えます。複数本を植え付ける場合は、株間を15cm以上取りましょう。
③苗と新しい土が密着するように軽く押さえ、ぐらつかないようにします。
④たっぷりと水を与えます。(プランターの場合は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと)
植え付け後の水の管理方法

ミントは水を好む植物ですが、植え付け後は土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。常に土が湿った状態が続くと根腐れの原因となるため、過度な水やりは避けてください。
鉢やプランターの底から水が流れ出るまでしっかりと水を与え、その後は排水性を確保するために水が溜まらないように注意します。夏の暑い時期は、朝か夕方の涼しい時間帯を選んで水やりをしましょう。
また、ミントは湿度を好むため、乾燥しやすい季節や地域では霧吹きで葉に水を与えると良いでしょう。この際、葉が直接太陽に当たると葉焼けを起こす可能性があるので、日陰での葉水をおすすめします。
ミントにおすすめの肥料と与え方

ミントは比較的育てやすいハーブですが、肥料を与えることでより香り良い葉を多く収穫することができます。基本的にミントは窒素を多く含む肥料を好みます。市販のハーブ用肥料であればバランスよく栄養が含まれているため、初心者にもおすすめです。また、液体肥料であればミントにすばやく栄養を補給することができるため、水やりをかねて与えると良いでしょう。ただし、いずれの肥料のタイプも与え過ぎはミントが枯れる原因になるため、規定量を守るようにしてください。

固形の肥料の与え方
ミントの成長期(5~10月)に追肥として月に1回、株元から少し離して肥料をまきます。
肥料は緩効性の成分が含まれているものがおすすめです。
ミント栽培におすすめの肥料
ガーデンフラワー用肥料セット
液体肥料の与え方
ミントの成長期(5~10月)に5~7日に1回、規定量の水でうすめて与えます。
固形の肥料と併用する場合は、葉の様子を見て肥料不足のサインがあれば使用しましょう。
肥料の過不足の失敗が少なくて園芸初心者でも安心
ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
季節ごとのミントの管理方法

夏の暑さ対策
ミントは比較的暑さに強い植物ですが、直射日光を避けることでより健康に育ちます。特に真夏の強い日差しは葉焼けを引き起こす可能性があるため、半日陰の場所に鉢やプランターを移動するか、遮光ネットを利用して日差しを和らげることをおすすめします。また、気温が高くなると土が乾燥しやすくなるため、朝か夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水やりを行い、土壌の乾燥を防ぎましょう。しかし、水を与えすぎると根腐れの原因になるため、土の表面が乾いてきたタイミングで適度な水分を保つよう心がけてください。
さらに、夏場の高温多湿の環境は病害虫の発生を促進することがあります。特にアブラムシやハダニなどの害虫には注意が必要です。定期的に葉の裏側をチェックするようにしましょう。
冬の寒さ対策
ミントは寒さに弱い植物ではありませんが、冬場の厳しい寒さには注意が必要です。鉢植えの場合は、霜が直接当たらないように風通しの良い室内やガレージに移動させましょう。
また、冬場は水やりの頻度を減らすことが重要です。ミントは休眠期に入るため、根からの水の吸収力が弱まります。肥料も控えめにしましょう。必要であれば、薄めた液体肥料を月に一度与える程度で十分です。
冬の間は剪定(枝や葉を切り取り、株の形を整えること)を控え、自然な形で冬を越させるようにしましょう。剪定が必要な場合は、寒さのピークを過ぎた春先がおすすめです。
ミントのトラブル対策

虫による被害とその対策
アブラムシやハダニが代表的な害虫です。これらは葉の裏に潜み、栄養を吸い取ることでミントの成長を妨げます。対策としては、定期的な葉のチェックと、自然由来の殺虫剤や水で希釈した石鹸水を用いたスプレーが効果的です。
根のトラブルとその解消法
ミントは根が密集しやすく、根腐れを起こしやすい植物です。過度な水やりや排水不良が原因となることが多いので、土の乾燥を確認してから水を与えるようにしましょう。さらに、鉢底に小石を敷くことで排水性を向上させることができます。
ミントが枯れる原因と対策
ミントが枯れる原因としては、日光不足や過剰な直射日光、肥料の過不足が考えられます。適切な日光を当てるために、日当たりの良い場所に置くか、必要に応じて遮光を施してください。また、肥料は適量を守り、特に窒素過多にならないように注意しましょう。
ミントの収穫方法

収穫のタイミングと方法
春から夏にかけて、苗が高さ10cm以上に成長し、葉がしっかりと生い茂っていれば収穫適期です。春から夏が成長のピークですが、室内で栽培している場合は年間を通して収穫することが可能です。
ハサミや剪定ばさみを使って、葉付きの茎を切り取ります。この時、全体の1/3以上を一度に収穫しないよう注意してください。収穫後は液体肥料などで追肥をすることで、ミントの成長が促進され、再び収穫できるサイズにまで成長します。若い葉ほど香りが高いため、定期的に収穫すると良いでしょう。
ミントの花が咲いたら?

ミントの花が咲く時期は、通常6月から8月にかけてです。花が咲くと、ミントの香りや風味が弱くなることがあります。そのため、花が咲く前に葉を摘み取るのが理想的です。花をそのままにしておくと種ができて、ミントが周辺に繁殖する可能性があるので注意しましょう。
育て方のポイントを押さえて、香り高いミントを収穫しよう

ミントを育てる上で最も重要なのは、適切な環境と管理を維持することです。最後に育て方のポイントをまとめました。
・ミントは日光を好みますが、直射日光が強すぎると葉が焼けてしまうため、半日陰が理想的です。また、風通しの良い場所を選ぶことで、病害虫の発生を防ぐことができます。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、過度に湿らせないよう注意します。湿度が高すぎると根腐れの原因となるため、水はけの良い土を使用することも大切です。
・肥料は、成長期に定期的に与えることで、ミントの香りと風味を高めます。特に、窒素が豊富な肥料を選ぶと良いでしょう。ただし、与えすぎると枯れる原因になってしまうため、適量を守ることがポイントです。若い葉ほど香りが強いので、早めの収穫を心がけましょう。
・病害虫の予防策として、定期的に葉の裏側をチェックし、異常があれば早めに対処します。特にアブラムシやハダニは発生しやすいため、見つけ次第駆除することが重要です。
これらのポイントを押さえておくことで、家庭園芸で簡単に香り高いミントを育てることができるでしょう。料理や飲み物に新鮮なミントを添えて、香りを楽しんでください。