2025.04.22
プランターで簡単!パセリの育て方完全マニュアル

パセリは料理の彩りだけでなく、栄養も豊富なハーブです。この記事では、プランターを使ったパセリの育て方や水耕栽培による育て方を詳しく解説します。特に初心者でも安心して育てられるよう、適した環境や種まきから収穫、保存方法までを分かりやすくご紹介します。
パセリとは

パセリは、セリ科に属する一年草または二年草のハーブで、学名を「Petroselinum crispum」と言います。地中海沿岸が原産地とされ、古くからサラダやスープ、ソースの材料として幅広く活用されています。葉は栄養価が非常に高いことが知られています。育て方においては比較的丈夫で管理が簡単なため、家庭菜園やベランダガーデニングでも人気があり、その栽培のしやすさから初心者にもおすすめの植物です。
パセリの種類

カーリーパセリ
カーリーパセリは、葉が縮れていることが特長的なパセリです。独特の香りがあり、料理の付け合わせやサラダに使用されます。耐寒性があり、比較的育てやすくいハーブです。
イタリアンパセリ
イタリアンパセリは、カーリーパセリよりも葉が平らで柔らかいことが特徴です。 香りが強く、料理の風味を引き立てるために広く利用されています。また、イタリアンパセリも耐寒性があり、比較的育てやすいハーブです。
パセリに適した環境

気温、日光
パセリは比較的冷涼な気候を好み、最適な生育温度は15~25℃です。パセリは暑すぎると成長が鈍化し、寒さが厳しいと枯れる危険があります。そのため、極端な気温を避けるようにしましょう。
パセリは日光を非常に好みますが、直射日光に長時間当たると葉焼けを起こす可能性があります。理想的なのは、午前中の柔らかい日差しを受け、午後は半日陰になるような場所です。特に夏場は強い日差しを避けるようにしましょう。逆に、日照が不足すると葉が薄く貧弱になりがちですので、光が当たる環境を確保することが大切です。
屋外で育てる場合は、風通しの良い場所を選ぶと病気の予防にもなります。室内で育てる場合は、窓際など自然光が入る場所を選び、日照時間が短い冬場には植物育成用のライトを活用すると良いでしょう。
土壌
パセリは水はけが良く、栄養豊富な土壌を好みます。また、理想的な土壌のpHは6.0~7.0です。プランター栽培などで使い回しの土を使用する場合は、苦土石灰または土壌pH調整材を加えてpHを調整すると生育が良くなります。
パセリは室内、屋外のどこに置く?

屋外では、パセリは十分な日光を受けることができ、特に春から秋にかけての温暖な季節には成長が促進されます。日当たりの良い場所に植えると、パセリはより健康に育つ傾向があります。ただし、夏の強い直射日光は葉焼けを引き起こす可能性があるため、半日陰を提供することも検討しましょう。
一方、室内でパセリを育てる場合は、窓辺のように自然光が十分に差し込む場所を選ぶと良いでしょう。室内は気温が一定に保たれやすく、冬でも成長を続けることができますが、光不足になりやすいため、場合によっては植物育成用のLEDライトを使用することが推奨されます。また、室内は害虫のリスクが低いため、病害虫対策が簡単です。
パセリの育て方
種まき
パセリは種から育てることができます。種まきの最適時期は、3月下旬~4月中旬、発芽適温は15~20℃です。パセリは発芽率がそれほど高くなく、また発芽まで10日ほどかかるため、初心者の方は苗から育てることをおすすめします。

種まきの方法
種は一晩水につけて、発芽をしやすくしておきましょう。
①容器に培養土を表面まで入れて、水をたっぷり与えます。
②種をポットに5~6粒ずつまき(セルトレイの場合は1~2粒)、上から培養土をごく薄く(2mm以内)かけます。
※発芽まで土壌が乾燥しないように霧吹きで水を与えます。
③双葉が開いたら元気な芽を残して間引きし、さらに葉が触れ合うほど成長したら都度間引きを行い、最終的に1本立ちにします。
⑤本葉が5~6枚になったら、定植します。
植え付け(苗からの育て方)



植え付けの時期は4~5月、気温が15~20℃の時期がおすすめです。
①植え付ける前に、土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
②プランター栽培の場合は鉢底石を敷いて、①で調整した土をプランターの8分目まで入れます。
④苗の間隔は20cm程度開け、植穴をあけます。
⑤根鉢を崩さないように注意して、深植えしないように少し高めの位置で植え付けます。
※プランター栽培の場合は、土壌表面から鉢の上部まで2~3cmのウォータースペースを確保しましょう。
⑥水をたっぷりと与えます。
水やりのコツ

パセリは、土の表面が乾いてきたら水を与えるのが基本です。水の与えすぎは根腐れを引き起こす原因になるため注意しましょう。
水を与える際、鉢植えで育てている場合は、鉢底から水が出るまでたっぷりと与え、余分な水は鉢皿から捨てるようにしましょう。地植えの場合も同様に、しっかりと根に水が行き渡るように心がけましょう。
夏場は、必要に応じて朝夕の2回水やりをして乾燥を防ぐようにします。一方、冬の寒い時期にはパセリの成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らして過湿を防ぎましょう。
パセリにおすすめの肥料と与え方(追肥)

パセリにおすすめの肥料成分
肥料は、窒素、リン酸、カリウムのバランスが取れたものを選ぶと良いでしょう。液体肥料や、市販のハーブ用肥料、緩効性肥料(有機肥料や緩効性成分入りの化成肥料)が手軽でおすすめです。
有機入りの化成肥料と、マグネシウム+微量要素で光合成促進
キャップで計量しやすい
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セット
ガーデンフラワー用肥料セットは、草花の生育に欠かせない成分を組み合わせた肥料セットです。有機を配合しているので、分解者である微生物を豊かにして土壌を改善。植物を生育すると同時に、育ちやすい土壌環境へと整えます。さらに、微量要素の入ったミネラル材で光合成を促進します。有機特有の臭いが少なく、ご近所との距離が近いお庭やベランダでも安心してご使用いただけます。また付属のキャップで簡単に計量ができるため、肥料の過不足の不安が少ない商品です。
肥料の過不足の失敗が少なくて園芸初心者でも安心
ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
肥料の与え方

パセリが成長して葉が増えてきたら、追肥として固形肥料または液体肥料を与えます。
・固形肥料は緩効性のものを選び、成長期の春~夏にかけて1ヶ月に1回を目安に与えます。
・液体肥料を使用する場合は、成長期の春~夏にかけて、2週間に1回を目安に与えます。
肥料の与え過ぎは肥料焼けの原因になるため、使用量・希釈濃度を守って与えるようにしましょう。また、冬季はパセリの成長が停滞するため、肥料は控えるようにします。
パセリの水耕栽培

水耕栽培は土を使わずに植物を育てる方法で、パセリのようなハーブの栽培に適しています。水耕栽培では、病虫害のリスクが少なく、清潔な環境で育てられるため、初心者にもおすすめの方法です。
水耕栽培の方法
容器と水耕栽培用の液体肥料を用意して、パセリの種をスポンジやロックウールなどの無機質素材に植えます。明るい場所で適度な温度を保つことで、1〜2週間で発芽します。
発芽したら十分に日光が当たる場所に移動し、液体肥料を混ぜた水に根を浸して育てます。
水耕栽培では養水分を吸収しながら生育し徐々に水量が減少するため、1~2週間に一度を目安に液を交換しましょう。
パセリの収穫

収穫方法とタイミング
パセリは種まきから70~90日で収穫が可能になります。パセリの葉が十分に大きく、株の中心部から新しい葉が次々と出てくるようになった時が収穫のサインです。外側の成熟した葉から順に手で摘み取るか、ハサミで切り取りましょう。
パセリの病害虫対策

パセリは比較的育てやすいハーブですが、病害虫の被害を受けることもあります。
主な病気はうどんこ病と根腐れ病です。うどんこ病は白い粉状の菌が葉に現れる病気で、湿度が高く風通しが悪い環境で発生しやすくなります。対策としては、十分な間隔を保ち、風通しを良くすることが重要です。また、発生初期には酢や重曹を薄めた水で葉を軽く拭く方法も効果的です。根腐れ病は過剰な水やりや排水不良によって引き起こされます。土壌の水はけを良くし、適切な水やりを心掛けましょう。
害虫としては、アブラムシやハダニがよく見られます。これらの害虫は葉の汁を吸い、生育を妨げます。アブラムシは手で取り除くか、植物油を薄めた水をスプレーして駆除できます。ハダニ対策には、葉を定期的に水で洗い流し、湿度を保つことが効果的です。
パセリの育て方Q&A

パセリに花は咲く?
二年草のパセリは、二年目に花を咲かせることがあります。花は小さな白や黄色の花が集まった、傘のような形状をしています。花が咲くと、パセリは種を作るためにエネルギーを費やし始めるため、葉の質が低下することがあります。花が咲く前に葉の収穫を済ませると良いでしょう。
パセリは植え替えが必要?
パセリは移植を嫌う植物のため、基本的には植え替えはおすすめできません。
パセリは何年も収穫できる?
パセリは二年草の植物で、2年目以降は株が弱って新芽が出にくくなり収穫量が減少してしまいます。収穫量が減ってしまった場合は、新しく苗を購入して植え付けることをおすすめします。
育て方のコツを押さえて、香り良いパセリの収穫を

この記事では、パセリを育てるための基本的な環境設定や日々のケアについて詳しく紹介しました。初心者の方も種まきや植え付け、水やり、肥料の与え方などのポイントをぜひ押さえて、パセリ栽培を成功させましょう。