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ユニークな形状とインパクトのある見た目、美しい棘(トゲ)を持つ「サボテン」。一口にサボテンといっても非常に多くの種類があり、また同じ品種でも綴化(てっか)※₁や石化(せっか)※₂、花の色が違うなどの違いもあり、長い年月が作り出す造形美で見る人を夢中にする深い魅力があります。この記事では、サボテンに興味はあるけど育て方が分からないという初心者の方や、サボテンを育てたことがあるけれども枯らしてしまったという方、これから育て方を見直したい方へ、育て方のコツや肥料の与え方などをご紹介します。
※₁成長点が帯状になること
※₂茎や葉、花序などの器官が平たい帯状や扇状になること
サボテンは、主にアメリカ大陸の南北の乾燥地帯に自生する多肉植物の一群で、独特な姿と生態で知られています。サボテンは科として分類され、約2000種以上が存在します。サボテンというと砂漠の乾燥した地域に生えているというイメージが強いですが、実はサボテンが生息する環境は多種多様あります。例えば、メキシコのような土漠地帯、チリのアタカマ砂漠のように極度に乾燥した砂漠、ブラジルなどの熱帯雨林、気温が氷点下まで下がる4000m以上の高地の山裾や崖など、非常にバリエーション豊かです。特にメキシコ、ブラジル東部、チリ、アンデス山脈地帯は非常にサボテンの種類が多く、サボテンのホットスポットとして有名な地帯です。
サボテンの棘(トゲ)は、刺座(とげざ・しざ)と呼ばれる特有の器官から生えています。刺座は短枝が進化したものの一種とされており、棘(トゲ)の他に、新しい茎、葉、花、毛(トライコーム)が刺座から作られています。サボテンの棘はさまざまな色や形、長さなど異なるタイプを持つものがあり、中には棘を持たないサボテンもいます。サボテンの棘は「葉」が変化したものと言われていて、外敵など動物からの食べられることを防いだり、強い光から身を守ったり、高温や低温によるストレス緩和や空気中の水分の捕集など、さまざまな役割を持っているとされています。
一般的なサボテンは非常に乾燥した環境に適応しており、厚い表皮と水分を蓄えるための肉厚の「茎」を持っています。サボテンの茎には光合成を行うための特殊な細胞があり、本来は葉で行う光合成を補っています。また多くのサボテンの茎には「稜(りょう)」と呼ばれるヒダがあり、このヒダがアコーディオンのような役割をしており、乾燥地帯で限られた水分を多く貯蔵することができます。また、表皮はクチクラとよばれる脂質膜で覆われており、ワックスを合成しています。このワックスによって強い光から身を守り、さらには表皮からの水分消費を抑えることができます。
サボテンが生育する乾燥地帯は降水量がとても少なく、日中の気温が非常に高い過酷な環境です。一般的な植物は、日中に葉の裏側に多くある気孔からCO2を取り込み「光合成(C3型光合成)」を行います。CO2を取り込むために気孔を開く際、水分が気孔から外に排出されますが、乾燥地帯では高温の日中に気孔が開いてしまうと、貴重な水分を消費することになってしまいます。そこで、サボテンなどの乾燥地帯に生息する植物の多くは、夜間の気温が低いうちに気孔を開いてCO2を取り込み、細胞の中でリンゴ酸を合成します。そして日中には気孔を閉じ、合成したリンゴ酸をCO2に戻して光合成を行います。この光合成は「CAM型光合成(Crassulacean Acid metabolism:ベンケイソウ酸代謝)」と呼ばれており、過酷な環境に適応するために重要な役割を担っています。
サボテンは種類によって、茎の形状から、棘の有無、棘の色や長さ・表皮の柔らかさ、サイズ、花の色に至るまで非常にバリエーションが豊かな植物です。ここでは、代表的な地域別のサボテンを一部ご紹介します。
メキシコ原産サボテン:
1属1種の種類のサボテンが多く、独特の形状を持つサボテンが多く生息する地域です。
・「エキノカクタス属」:金鯱、太平丸など特徴的な球形の姿と豪華な棘を持つサボテン
・「アストロフィツム属」:兜丸、鸞鳳玉など表皮に白点があり、星型の形状をしているサボテン
・「ストロンボカクタス属」:1属1種のサボテンで菊水と呼ばれる。青白く薄緑の肌で、螺旋状に渦巻く稜が美しいサボテン
・「ロフォフォラ属」:銀冠玉、烏羽玉など棘が無く、表皮が柔らかく、白い毛が生える、丸くお饅頭のようなサボテン
チリ原産サボテン:
降雨量が少ない過酷な砂漠地帯に生息する種類のサボテンです。
・「コピアポア属」:黒王丸、黒士冠などアタカマ砂漠を代表するサボテン。自生地の黒王丸は表皮が白く植物とは思えない造形美のサボテン
・「エリオシケ属」:オクルタ、ナピナなどアタカマ砂漠に生息する比較的小型なサボテン
ブラジル・アルゼンチン原産サボテン:
生息地が広く個体差も多い、ギムノカリキウム属は種類も多く古くから園芸種として親しまれています。
・「ギムノカリキウム属」:天平丸、緋牡丹など昔から人気があり交配も盛んで、花付きが良い品種
・「ユーベルマニア属」:ペクチニフェラなど、濃い緑~紫色の肌で、細かく縦に黒い棘が美しい品種
その他、北・南アメリカ大陸が原産地で、平たく丸い茎がウチワ(団扇)のように見える「ウチワサボテン属」が存在します。
日当たり
サボテンは日当たりを好みますが、強い日光は好まず、明るい半日陰の場所を好みます。乾燥地帯で直射日光にさらされているサボテンの姿をイメージしがちですが、実際の自生地では岩や木の陰などに生えている場合が多い状況です。日本の夏の直射日光はサボテンの表皮を焼いてしまう恐れがあるため、置き場所には注意しましょう。
最適な日当たり環境としては、屋外の午前中6時間ほど日が当たり、雨が直接当たらないような場所が理想的です。また、夏場で午前中に直射日光が当たる環境、または西日が当たる環境もサボテンが焼けやすくなるので、30~60%遮光をしてあげましょう。
湿度と風通し
サボテンは乾燥した環境を好むため、湿度が高い場所や風通しが悪い場所に置くことは避けましょう。基本は屋外の風通しが良い南向きの場所に置くのがおすすめです。風通しの良い乾燥した環境であれば、鉢内の用土も乾燥しやすく、病害虫の発生も抑えられます。冬場にサボテンを室内に取り込む場合は、サーキュレーターなどで空気を循環させましょう。
温度
サボテンは高温乾燥に強く、気温が40℃でも耐えることができます。また自生地では標高が高い場所で生息しているということもあり、寒さにも比較的に強い植物です。冬場でも屋外で育てることは出来ますが、基本的に5℃を下回る場合は防寒対策を行う必要があります。ビニールなどで覆う「簡易温室」を作るか、室内に取り込んで日差しが当たる明るめの窓際に置くようにしましょう。暖かい室内の場合はサボテンが休眠しないケースがあるため、寒さを感じさせて休眠させるようにしましょう。少し厳しい育て方のように感じるかもしれませんが、これによりサボテンの徒長を防ぎ、締まった株にすることができます。
サボテンの苗に挿されているタグに、「実生」や「カキ子」などの文字が書かれている場合があります。ここではそれぞれの意味について、詳しくご説明します。
実生:
サボテンの花を受粉させ、種を取り、種から育てた苗のことを指します。基本的には、国内で生産された実生苗が多く流通しています。カキ子や現地球に比べると成長が早く、日本の環境に比較的慣れている苗になります。親のDNAをそのまま引き継ぐことができない反面、親株にはない色や形など様々な特徴をもつサボテンを育てられるのが特徴です。
カキ子:
サボテンはある程度成長すると、親株から子供のサボテン(子株)を吹くことがあります。その子株をある程度の大きさに育てて外したものがカキ子と呼ばれています。カキ子は実生と異なり、親株サボテンのDNAをそのまま引き継ぐので、親株のクローンになります。カキ子はある程度成長しなければ外せない事と、確実に子株を吹くかどうか分からない事などから、カキ子は生産苗として流通させるのが難しい現状です。
現地球:
サボテンの自生地から採取され、輸入された株です。サボテンは近年、ワシントン条約や自生地の国の生物環境保護という観点による政策によって、輸出が禁止されており、一部のサボテンを除き多くのサボテンは日本に輸入ができない状況です。そのため現在流通しているサボテンの多くは、上記の実生のサボテンか、カキ子のサボテンになります。昔に輸入されたサボテンの現地球をお持ちの方はとても貴重なものなので、ぜひ大切に育ててください。
この他、サボテンを栽培する技術として、「接ぎ木」で成長促進させたものや、接ぎ木を外した「接ぎ降ろし」の株など、色々な由来のサボテンが存在します。
サボテンには排水性と通気性が良く、ある程度保水性がある土が理想的です。一般的なガーデニング用の土は水を保持しすぎるため、サボテンの生育には不向きです。専用のサボテン用土か多肉植物用の土を選ぶと良いでしょう。配合を自作する場合は、硬質赤玉土(小粒)3、硬質鹿沼土(細粒~小粒)4、バーク堆肥1、ゼオライト1、ヤシ殻燻炭1の配合がおすすめです。
バーク堆肥は腐植物質を加える意味合いでも使用されますが、加工が未熟な場合は虫やキノコなどが生えてくる場合があります。腐植資材リフカは豊富な腐植資材のピートモスが主原料ですが、圧縮熱処理し、pHを化学的に中性に矯正しています。そのためバーク堆肥の代わりに加えると肥料持ちが良くなり、用土内に適度な保水性を持たせることができるのでおすすめです。
※用土を自作する場合、赤玉土や鹿沼土は崩れにくく粉になりにくい、硬質タイプのものを選びましょう。粒が崩れにくい方が、粒と粒との空間を確保&維持できるため、根が空気を吸いやすく、用土も乾きやすくなります。
※腐植資材リフカは自然暮らしの商品です。
サボテンを栽培するだけであれば、黒いビニール製のポットがおすすめです。熱伝導性も高く、軽くて管理がしやすく、価格も安いことから非常に優秀な容器です。
ビジュアル性を高める場合は、同じく熱伝導性が高く、用土の温度が上がりやすい、黒色のプラスチック製鉢がおすすめです。素焼きの鉢は乾きやすいことが特徴ですが、鉢内の水分を吸収して蒸散させるために、気化熱で用土内の温度が下がりやすい性質があります。また陶器の鉢は見た目がおしゃれですが、重量がある・熱伝導がプラスチックに比べて劣る・寒い冬場はより用土内の温度が上がりにくい、といったデメリットがあるため、サボテン栽培に使用するには少し難易度が上がる可能性があります。
鉢のサイズについては、サボテンの株よりも一回り程大きい鉢を選びましょう。大きな鉢だと、用土が乾きにくくなり、根腐れしてしまう可能性があります。また小さすぎる鉢は用土が乾きすぎる&水持ちが悪くなるため、サボテンによっては徒長してしまう恐れがあるので注意しましょう。
サボテンは乾燥を好むため、土が完全に乾いてから水を与えるのが理想的です。サボテンを枯らせてしまう原因の多くは、水切れではなく水の与えすぎによる根腐れです。
水やり頻度は何日置きに1回というのはあくまでも目安にして、表土や底から見える鉢底石の乾き具合を見て、しっかり乾燥しているのを確認したうえで水を与えましょう。多少水をあげるタイミングが遅れてしまっても、サボテンは乾燥にとても強いのでそれほど心配する必要はありません。
水やりのタイミングの目安
1.水やりは天気予報を確認して、晴れた日が水やり当日を含めて、2日以上連続する日にする。
2.水やりは湿度が70%以下の日にする。(上記1.の晴れ条件だとしても湿度が高い場合は、乾燥しづらいので水やりは控える)
3.上記1.2.をクリアしているが、天気が不安定で、水やりをするかどうか迷う場合は水やりを控える。
季節毎の水やりの目安
3月中旬~6月中旬:1週間~2週間に1回
最低気温が10℃を超えて暖かくなるとサボテンが休眠から目覚め、春から活動期に入ります。3月~4月は株の成長点をチェックして、株が活動し始めたことを確認したうえで水をしっかりと与えるようにしましょう。4月に入り、春になっても株がまだ目覚めていないという場合は、休眠期間中と同じ量&与え方で水やりをしましょう。活動期中は午前中朝方に鉢底から水がしたたり落ちる程度しっかりと水を与え、メリハリのある育て方を意識しましょう。
6月下旬~9月:2週間に1回
湿度が高くなる梅雨の時期です。雨が降り続く場合、用土が乾きにくくなり、水やりが難しくなります。天気予報を見ながら、晴れが続く場合に限定し、用土が完全に乾いていることを確認したうえで水を与えるようにしましょう。午後の夕方に、鉢底から水がしたたり落ちる程度水を与えます。
10月~11月:1週間~2週間に1回
秋はサボテンにとって比較的過ごしやすい季節になります。用土が完全に乾いていることを確認したうえで水を与えましょう。午前中朝方に、鉢底から水がしたたり落ちる程度与えます。秋はまだ成長ができる時期にはなりますが、個体によっては秋口から活動が落ちてきます。個体ごとに用土の乾き方や成長点の動きを観察して、活動が落ちている&最低気温が10℃を切っている場合は、12月からの休眠期間中と同じ量と与え方で水やりをしましょう。水をあげて良いか迷う場合は、水やりを控えるか、少なめに与えましょう。腐らせて枯れるリスクを避け、株に負担をかけないように育てることがポイントです。
12月~3月上旬:2週間~1か月に1回
サボテンの休眠期間になります。活動が落ちるため、根からの水の吸い上げが弱くなります。しかし完全に断水してしまうと根が枯死してしまう場合があるので、表土が少し湿る程度、ごく少なめに水を与えます。この期間中の水やりの目的は成長させるためではなく、根を枯らさないためなので、天気の関係で水やりが遅れても焦らないようにしましょう。防寒対策で室内に株を移動させた場合も、頻度と量を少なくして、しっかり乾燥したタイミングで水を与えるようにします。
サボテンは肥料をほとんど必要としない、というイメージがありますが、実際には(少量ではあるものの)サボテンは肥料が好きな植物です。
サボテンに肥料を適切に与えることで、しっかりと太く育ち、花付きが良くなり、さらには病気に強くなります。ただし、過剰に肥料を与えると、肥大化のしすぎで間延びしたり、根を傷めたりする原因になります。肥料は適切な与え方と量を守るようにしましょう。
緩効性の固形肥料:元肥として
サボテンを植え替える際、新しい用土に混ぜる元肥として固形肥料を少量使用します。緩効性の固形肥料は、肥料効果が長くても3ヶ月ほどのものが多く、サボテンが養分として使用する前に水やりなどで肥料成分が抜けてしまう場合があります。また、植え替えは2~3年に1回と固形肥料の使用頻度は低いため、植えた株の根が活着しやすくなるための養分としてとらえておきましょう。
液体肥料:追肥として
サボテンを健康的に育てるためにも、液体タイプの肥料(液肥)を追肥として使用することをおすすめします。
成長期の春から夏にかけて、2週間に一度程度のペースで与えると効果的です。成長期にサボテンがしっかり太くなり、健康的な生育を促すことができます。液体肥料を使用する際にはパッケージの指示に従い、過剰に与えないようにしましょう。
追肥で液体肥料を与える場合は、水やりと同様に、土が完全に乾いたタイミングで与えるようにしましょう。また、秋から冬にかけてはサボテンが休眠期に入るため、この時期の肥料は控えましょう。
植え替え頻度:2~3年に1回
サボテンは2~3年に一度を目安に植え替えが必要になります。植え替えを行う事で用土が新しくなり、空気の層を確保して根が新たに伸びて張り直し、株自体が太く大きく成長することができます。植え替えを定期的に行わないと根詰まりを起こし、成長が抑制され、棘などが弱々しくなります。
植え替え時期:2月下旬~3月上旬
サボテンの植え替えに適切な時期は、株が休眠から目覚める前の早春(2月下旬~3月上旬)が理想です。この時期に植え替えを行う事で、根に与えるダメージが少なくなります。また、休眠から明けて春の活動開始と共に、植え替えで受けた根のダメージを素早く回復させることができます。そのため成長期に無駄な体力を消費せず、株の成長にエネルギーを集中させることができます。
活動期間中の春(5月~6月)や秋(9月~10月)も植え替えは可能ですが、改めて根を張りなおす時間ロスが発生するため、おすすめしません。
植え替え方法:
①サボテンを鉢から慎重に取り出します。この時、根に付着した古い土を落とし、傷んだ根や枯れた根を取り除きます。
②新しい鉢と替えの新しいサボテンの用土を準備します。鉢の底に排水性を高めるため鉢底ネットと鉢底石を敷き、その上にサボテン専用の土を少量入れます。
③サボテンを鉢の中央に置き、鉢上から1㎝ほどウォータースペース※を確保するようにして、周囲に新しい土を入れていきます。
※鉢やプランターの縁から下の部分に設ける水やりのスペースのこと
④用土をある程度入れたら、鉢の周りを少し叩き、鉢内の用土の均等化を行います。土を入れる際にぎゅうぎゅうに押し付けたり、竹串などでザクザク詰めすぎると根が傷んだり、空気のスペースが小さくなり過ぎてしまうので、注意しましょう。植え付けた株は少し触ると動くかな、程度の固定で問題ありません。
⑤植え替え後はすぐに水を与えず、1~2週間程度は水やりを控えましょう。これは植え替えによる根のダメージを回復させる時間を与えるためです。
⑥⑤の水やり後は、通常の水やりのペースに戻していきます。また、植え替え直後は直射日光を避け、明るい日陰でしばらく管理します。
冬はサボテンの生育が緩慢になる休眠期になります。この時期はサボテンを簡易的なビニール温室で加温するか、暖かい室内に移動させて、5℃を下回らないように注意しましょう。冬は日照時間が短いため、室内の中でも日当たりの良い窓辺に置いて日当たりを確保するか、植物用の育成ライトで補光して育成管理しましょう。
冬の室内が暖かすぎる場所ではサボテンが休眠しない場合もあります。しっかりと健康的なサボテンを生育させるためにも、寒さをある程度感じさせ、休眠させましょう。体力の消耗が少なくなるので、春からの花付きが良く、株も充実します。
また、冬は水やりの頻度を減らす必要があります。サボテンは乾燥に強い植物ですが、冬の間は根の活動が低下し生育が緩慢になるので、水分を必要としません。土が完全に乾いてから表土が湿るくらいの量を与えるようにしましょう。湿気が多い環境が長く続くと根が呼吸できず根腐れでサボテンが枯れる原因になります。
肥料は冬には与えないようにしましょう。サボテンはこの時期に成長を止めているため、肥料を与えることでかえってストレスをかける場合があります。春になり気温が上がり始めたら、徐々に液体肥料で追肥を再開していきます。
サボテンに多く見られる害虫は、カイガラムシ、ネジラミ、ダニ類などの虫です。これらの害虫は、サボテンに付着して栄養を吸い取り、サボテンの生育を抑制し、弱らせる原因になります。これらの虫を発見した場合は、早期に駆除することが重要です。物理的に虫の駆除が難しい場合は、市販の園芸用殺虫剤を使用しましょう。
病気としては、黒腐病、赤腐病などが挙げられます。これらの病気は菌(フザリウム菌)によって引き起こされます。赤腐病は鉢内の湿度が多湿になったり、根が傷ついていたりする場合に傷口から感染します。黒腐病は成長点付近の柔らかい部分や、株の側面、株の根元の傷口から感染します。予防するためには、適切な水やりと通気性の良い環境が必要です。もしも病気が発現してしまったら、なるべく早めに感染部位を切り取り、断面を乾燥させて、殺菌剤を塗布しましょう。
サボテンを枯らしてしまう育て方をしている場合、最も多い原因は水やりによる過湿です。サボテン初心者だけでなく、栽培経験者でも過湿によってサボテンを枯らしてしまう場合があります。
サボテンは用土内の水分が多すぎると、根が呼吸できず、細菌が増えて病気に感染、または根腐れを引き起し、根元から枯れます。枯らさない方法と育て方のコツは、水やりの頻度とタイミング、そして量です。特に春先の3月~4月、秋口の9月~10月は休眠期と活動期の切替わりの時期なので、成長点を見て株が活動しているかを確認してから、しっかり水を与えるか、表土を湿らすだけにするかの判断をしましょう。判断が難しい場合は、少し表土を湿らす程度の水やりを行い様子を見る方法がおすすめです。
サボテンは乾燥地帯に生息している植物なので、湿度が高い状態を嫌う植物です。基本としてサボテンには霧吹きは必要ありません。水やりは、成長期はしっかりと鉢底から染み出すほど、休眠期は表土を軽く濡らす程度に行いましょう。
サボテンは室内で育てるにはあまり向かない植物です。ある程度の日当たりと風通しを必要とし、用土を適度な保水状態から乾燥させる必要があるため、基本的には屋外で育てるのがおすすめです。日当たりと風通しが良く、雨が当たらない場所で育てることで、しっかりと締まった丈夫なサボテンに育てることができます。
どうしても室内で楽しみたい方は、植物用の育成ライトとサーキュレーターなどの設備がある程度必要になります。夜間だけ室内に取り込む方法もありますが、水やりをした日は室内だと土が乾かない場合があるので、そのまま屋外で管理した方が良いでしょう。
鋭い棘からは想像できない可愛らしい花を咲かせるのがサボテンの深い魅力の一つです。サボテンの花の色や形は品種によって多種多様で、どのサボテンも花を咲かせる可能性があります。しかし、ある程度大きく生育していなければ咲かない品種も存在するほか、置かれている環境がサボテンにとって好ましくなかったり、花を咲かせる体力がなかったりすると、花芽を付けない場合があります。適切な水やりと肥料管理を行い、日当たりの良い場所に置いて日光をよく浴びせ、冬の間は休眠期をしっかり設けるようにしましょう。
サボテンは自家受粉できる品種も有りますが、多くのサボテンは他家受粉で結実します。そのため、同じ種類または同属のサボテンを2つ持っており、花が同時期に咲くという場合は、交配させ種を取ることができます。
サボテンは人工授粉が可能で、筆や綿棒などで片方の花の雄しべの花粉を付着させ、もう片方の花の雌しべにこすり付ければ完了です。種を収穫する場合は、開花後の花を注意深く観察し、種子が成熟するのを待ちましょう。種は非常に小さく、サボテンの種類によって形状や色が異なるため、収穫後すぐに種まきをするか、保存しておくと良いでしょう。種からの育成は手間と時間がかかりますが、新しいサボテンを育てる楽しみを味わうことができます。
サボテンを育てるコツは、「花や野菜と同じように育てない」ことがポイントになります。成長が早く、水やりや肥料の頻度が高い植物とは違い、本来のサボテンは高温と乾燥の中で水分を蓄えながらゆっくりと育ちます。そのため、手間をかけすぎてしまうと逆にサボテンの生育を阻害してしまうことになります。初心者でサボテンを枯らしてしまったという多くの場合は、水の与えすぎが挙げられます。サボテンは土が完全に乾いてからもしばらくは耐えられますので、焦らず、しっかりと観察して水やりを行いましょう。
過酷な環境で生き抜くためのユニークな姿や、その姿からは想像できないほどの美しい花など、多くの魅力で溢れている「サボテン」。遠い自生地を思い浮かべながら、ゆっくりと日々そして季節ごとの成長を見守ってあげましょう。サボテンを美しく健康的に育てるためには、置き場所、用土、水の管理、肥料の適切な管理と環境を整えてあげることが重要です。サボテンの育て方に関する疑問があれば、ここで紹介したポイントを参考にしてみてください。