2024.06.26
更新日: 2025.09.12
パキラの手入れと育て方|おすすめの肥料と与え方もご紹介

パキラは熱帯性の観葉植物で、メキシコなど中南米が原産地の植物です。特徴的な葉を持ち、幸運を呼ぶ・金運が上がる・風水上も縁起が良いとされることから、屋内でのインテリアとしての利用や、ギフトとしても人気がある観葉植物です。初心者でも基本の育て方さえ押さえてしまえば比較的簡単にお世話ができる、とても丈夫で育てやすいおすすめの観葉植物です。この記事では、パキラの基本的な情報から育て方、植え替え方法や剪定の時期、肥料の与え方、そして病害虫対策までを詳しく解説します。パキラは育て方や肥料の与え方を工夫することで、室内環境でもさらに元気に育ちます。ぜひ参考にしてみてください。
パキラの基本情報
パキラとは?原産地とその特徴

パキラは、先が尖った緑豊かな葉を持つ観葉植物です。原産地は熱帯地域の中南米で、河岸などに自生しています。熱帯気候を好み、日当たりの良い場所に生育する常緑高木で、現地では7~10mまでの高さに成長する種類もあります。熱帯気候の植物なので、雨季に河岸に水があふれて数ヶ月水没した状態でも腐らないほど水には強い性質を持っています。
パキラは「Pachira」という名称で知られ、その名前はギリシャ語の'pachys'(厚い、太い)から由来しているとされ、パキラが成長するときに形成する「とっくり状」の膨らんだ太い幹を指していると言われています。
葉の特徴

パキラの葉は、大きくて光沢があり、長楕円形で先端が尖り厚みのある、深い緑色をしています。葉は5~9枚で手のひらを広げたような特徴的な形状をしています。パキラの葉は丈夫で、適切な育て方をすれば室内でも年間を通して美しく保つことができます。
その一方で、パキラの葉が黄色くなり、葉先が枯れる場合があります。これは乾燥や過湿、日光の不足、肥料不足など、さまざまな要因によるものです。日頃の観察で葉に元気がないと感じる場合は、管理方法を見直す必要があります。
また、パキラの葉は病害虫にも注意が必要です。特に、ハダニやカイガラムシ、アブラムシやコナジラミなどが発生しやすいため、定期的な観察と早期対策が求められます。これらの虫が発生すると、葉に黒い斑点が現れたり、葉が落ちたりすることがあります。パキラの葉の美しさを保つためにも、日頃の霧吹きや水やりなどのお世話の際に葉の状態も観察して、病害虫の早期発見に努めましょう。
パキラの選び方と品種

室内の観葉植物としてパキラを選ぶ際に、パキラが健康であるかの見極めが重要です。健康なパキラは、葉が濃い緑色で、幹と枝がしっかりとしていている状態のものです。根元が黒くなっていたり枝の多くが枯れていたりすると、病気や虫害に侵されている可能性があるので、購入を避けた方がよいでしょう。
また、大きすぎるパキラは置き場所にスペースを取り、定期的な植替えが大変になる場合があるので要注意です。
初心者の方は比較的安定した中間サイズのパキラを選ぶことをお勧めします。10㎝ほどの小さいサイズからでも育てることができるので、日々の成長を楽しみたい方は小さいサイズからパキラを育ててみてください
またパキラには以下のような品種があります。
1. パキラ・グラブラ:最も一般的なパキラで、日本で広く流通しているパキラです。大きな葉と肉厚な茎が特徴です。アクアティカよりも葉先が尖っているのが特徴です。花の色は白色をしています。
2. パキラ・アクアティカ:グラブラと同様に日本で多く流通している品種で、グラブラよりも葉に丸みがあるのが特徴です。花は赤色をしています。
3. パキラ・ミルキーウェイ:鮮やかな緑色の葉に、細かく無数の白い班が広がる、とても美しい斑入りのパキラです。白い班が天の川を連想させミルキーウェイという名前の由来になっています。斑入りの株自体とても珍しいので、上記のグラブラやアクアティカに、斑入りのミルキーウェイが接ぎ木された状態で販売されている場合もあります。

いずれの品種も、適切な育て方をすれば長期間楽しむことができます。パキラ選びの際は、自分のライフスタイルや部屋の環境を考え選んでみましょう。
パキラの土の選び方
パキラは自然環境では湿度の高い環境で成長していますが、鉢の中の狭い環境では長期間の過湿は根腐れしてしまう可能性があります。室内でパキラを育てる際は、水はけの良い土を第一に選びましょう。自作する場合は小粒の赤玉土7、腐葉土1、ピートモス1、軽石1をベースに配合すると良いでしょう。いくつかの種類の土を用意しなければならないので、初心者の方や配合のスペースが無い方は、市販の観葉植物専用土の利用がおすすめです。また、パキラは鉢植えで育てることが多いため、鉢の底には必ず水はけの良い小石や砂利を敷くことをおすすめします。小石や砂利によって、適度な湿度を保ちつつ水はけを良くし、根腐れを防ぐことができます。
パキラを置く場所

パキラは耐陰性があり、室内でも育てることができる観葉植物ですが、最適な日当たり条件は「直射日光を避けた明るい半日陰」です。生育に適切な温度は15~25℃で、耐寒性は10℃ほどと、極度に寒い場所は苦手な植物です。また、空気の乾燥は苦手なため、冷暖房器具から出る乾燥した風を直接当てないように置き場所を選ぶことが大切です。
置き場所を選ぶ際は、日光や温度、湿度だけでなく、風通しも重要なポイントです。風通しの悪い場所では、葉が黄ばんだり、カビが発生したりする可能性があるため、適度に空気が動く場所を選びましょう。直射日光を避けた窓際やバルコニーなどは特に風通しが良く、パキラにとって理想的な場所と言えます。室内の風通しが良くない場合は、サーキュレーターで室内の空気を循環させると良いでしょう。
パキラの育て方
水やりの方法
パキラは乾燥に強い植物として知られていますが、適切な水分補給は必要不可欠です。
一般的に、成長期の4~10月頃は1週間に2~3回を目安に、鉢底から水がしたたり落ちる程度に水やりを行います。パキラの活動が低下する11~3月は10日に1回(月に3回)を目安に水やりを行います。梅雨などで屋内の湿度が高い日が続く場合、鉢の中の水分も乾きにくくなります。水を与える前に、鉢の土が乾いているか確認しましょう。
水は根元に直接かけるのではなく、鉢の周囲からゆっくりと与え、土全体に水が行き渡るように心掛けましょう。
霧吹き(葉水)

パキラはある程度の湿度を好む植物です。乾燥しやすい室内や乾燥が気になる季節には、霧吹きで葉や幹に適度な水分を与えること(葉水)で湿度を保つことができます。特に冬場の暖房が効いた室内では乾燥が進みやすいため、葉水は欠かせません。葉水は病害虫の予防になり、葉の表面の汚れなどを落とす効果も期待できます。しかし、葉水を必要以上にすると過湿状態が続き、根腐れが起こりやすくなるため注意しましょう。基本的には成長期には朝晩2回ほど、葉や幹が全体的に濡れる程度に与えます。冬季の休眠期は朝に1回、全体が軽く濡れる程度に葉水を行うのが理想的です。
植え替えの方法

パキラの育て方において重要なステップの一つが「植え替え」です。植え替えは、パキラの健康的な成長を促し、あわせて土の栄養分を補給するために必要な作業となります。ここではパキラの植え替えの手順やコツ、そして適切な時期について詳しく説明します。
適切な植え替え時期
植え替えは、冬の休眠から活動開始し始める4~5月にかけての時期が最適です。9月頃までは植え替えは可能ですが、休眠期から目覚める春~初夏に植え替えを行うことで、活動し始めた根が張りやすく、植え替えによって受けたダメージからの回復が早まります。
パキラの植え替えは、3年おきに行うのが理想的です。植え替えといっても毎回植える鉢のサイズを大きくする必要は無く、パキラの成長、大きさに合わせた鉢のサイズに植え替えれば問題ありません。
植え替え手順
用意するものとしては底穴の開いた鉢、新しい土、そして鉢底石、鉢底ネットです。鉢はパキラの大きさに合った鉢を用意しましょう。大きさのバランスに問題が無ければ、植え替え前と同じ鉢を使用しても問題ありません。鉢底ネット、鉢底石は鉢の底に敷き、水はけを良くします。新しい土は、市販の観葉植物専用を使用するか、「パキラの土の選び方」を参考に自作しても良いでしょう。
既存の鉢からパキラを取り出し、古い土を優しく取り除きます。この時、褐変して枯れている古い根を優しく取り除いておきます。根元には強い力を加えないよう注意しましょう。次に植え替えを行う鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷き、その上に新しい土を少し入れます。鉢の中心にパキラを置き、鉢の周囲から新しい土を追加して、土が均等にいきわたるようにします。最後にしっかりと水をやり、日陰で1週間ほど置いたら、様子を見つつ通常の管理に戻します。
剪定方法

形を整え、成長を促すことを目的に剪定を行います。
剪定を行う時期は、休眠から目覚める前の2月下旬~3月上旬が理想的です。
枯れている枝先からは新芽が出ないため、枝の先5㎜ほどをカットしましょう。切断面を上向きにすることで、新芽が上向きに出やすくなり、枝が横に広がりにくくなります。
また、下向きに生えてしまっている枝や密集している枝は、風通しの悪化や成長の妨げの原因になります。枝の根元から剪定しましょう。
枝が折れる、または病害虫の被害に遭ってしまった場合は、必要に応じて剪定し、被害部を除去しましょう。
パキラへの肥料の与え方
基本的にはそこまで多くの肥料を必要としない観葉植物ですが、パキラの成長をより良いものにするには適切な肥料の選び方と与え方が重要なポイントとなります。元気に育って欲しいからといって大量に肥料を与えてしまうのはNGです。
栽培初心者の方は固形の肥料よりも、液体肥料を水やりと一緒に成長の様子を観察しながら与えていくと失敗するリスクが少なくおすすめです。
パキラに使用できる肥料の種類
緩効性の固形肥料

肥料成分がゆっくり溶け出す性質の固形肥料で、持続効果は2~3ヶ月です。植え付け時に土に混ぜ込むか、栽培途中に表土に追肥を行います。観葉植物用としては、錠剤型で土の上に置くタイプの肥料が多く存在します。効き目が長くゆっくりである半面、効果が見えづらいので与え過ぎには要注意です。
液体肥料

液体肥料は初心者の方でも失敗するリスクが少なく、非常におすすめです。液体肥料は肥料成分が水に溶けているため、パキラがすぐに肥料を吸収することが可能です。固形肥料と比較して効果が持続しませんが、与える回数を調整することで成長に合わせた施肥が可能です。水で希釈する原液タイプや、そのまま使用するストレートタイプ、土に差し込むアンプル型、また粉末を水に溶かして使用するタイプも存在します。
葉面散布

葉の表面や裏面に希釈した液体肥料をスプレーして、葉から肥料成分を吸収させる方法です。根が寒さや暑さで活動が低下している時にも効果的に肥料を与えることができます。
肥料の与え方とタイミング
肥料を与える最適なタイミングは、成長期である春から夏(4~10月)です。この期間はパキラの成長が活発になり、葉や茎を旺盛に展開するのに栄養素を多く吸収するため、肥料を適切に与えることでパキラの成長を助けることができます。
固形肥料の与え方
固形肥料の場合、春から秋にかけて2ヶ月に1回を目安に与えます。肥料が直接パキラの根に触れないよう注意しながら、土の表面にまきます。まいた後は指で軽く土と馴染ませると良いでしょう。パキラに肥料を与えた後は、少量の水を与えることで、肥料が均等に行き渡るようにします。この際、水やりの量が多すぎると肥料が流れてしまうため、適度な量に留めておきましょう。
液体肥料の与え方
原液を水で希釈するタイプの液体肥料の場合、ジョウロに液体肥料を規定量入れ水でうすめて希釈し、根元に直接与えます。しかし、肥料の濃度が高いと根が傷つく可能性があるので希釈の倍率には注意が必要です。パキラの成長を見ながら成長期中に2週間に1回ほどの頻度で与え、成長が停滞する冬季は控えましょう。また、鉄分やマグネシウムを含んだ肥料を選ぶと、葉の色味を良くし、健康的な成長を促すことができます。
葉面散布の方法
葉面散布は、日頃のお世話の一環として霧吹きを行う場合の置き換えで行うと良いでしょう。葉から直接肥料成分を吸収できるため、暑さや寒さで成長が停滞している場合や、根が弱っている場合に有効です。液体肥料を薄めたものをスプレーボトルに入れ、葉の表面に均一に散布します。葉は裏面の方に水や空気の出入り口である「気孔」が多く存在するため、裏面に散布するとより効果的です。葉面散布の頻度としては1~2週間に1回のペースが良いでしょう。
肥料成分(窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム)がパキラに与える効果
パキラにとって重要な肥料成分とその効果をまとめました。

窒素(N)
葉の成長を促進し、葉色を維持します。過剰に与えると葉が大きくなりすぎ、または急激な成長により病害虫に弱くなることがあります。
リン酸(P)
根の成長を促進し、花や実をつける力を強めます。足りないと成長が停滞し、葉色が悪くなることがあります。
カリウム(K)
植物の代謝を高め、根や茎を育てて、乾燥や寒さ、病害虫などに対する耐性を高めます。
マグネシウム(Mg)
葉緑素の形成をサポートし、光合成を促進させる効果があります。
パキラにおすすめの肥料
水でうすめる有機液肥

自然暮らしの「水でうすめる有機液肥」はワンプッシュで計量ができる便利な有機原料が入った液体肥料です。有機タイプの液肥ですが匂いもほとんど無く、窒素(N)5% リン酸(P)8% カリウム(K)5%と有機由来のアミノ酸とキレート鉄が配合されていて、植物の葉の色ツヤを良くして健康に育たせることが出来る肥料です。肥料メーカーが自信をもっておすすめする、プロの生産者も使用している液体肥料です。
効き目はもちろんのこと、使いやすいこともおすすめのポイントです。ワンプッシュするだけで約1mlの溶液が排出されるので、誰でも簡単に希釈計量ができます。ジョウロの水量に合わせて規定回数をプッシュすれば、あとは水でうすめて植物にあげるだけ。液だれの心配もなければ、乾燥した液肥がこびりついてキャップが締まらないといったトラブルも起きません。
おすすめの液体肥料

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水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
パキラへの「水でうすめる有機液肥」の与え方

パキラの場合は、2週間に1回、「1Lの水に対して1プッシュ」して薄めてお使いください。
光合成を促進する葉面散布肥料
おすすめのミストするサプリ

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葉水と一緒に肥料を与えられる、「水でうすめてミストするサプリ」です。マグネシウムと微量要素を葉に直接与えて、光合成をサポートします。N、P、Kを含まないため通常の肥料と併用が可能です。
パキラに「葉面散布」として使用する場合:
窒素・リン酸・カリウムを含まず、光合成に必要なマグネシウムや微量要素のみで構成されたサプリタイプの液肥です。多肥が苦手なパキラに余分な栄養を与えず、光合成をサポートします。
パキラの場合、スポイト1滴を150mlでうすめて、霧吹きで葉に吹きかけてください。葉の表面だけでなく裏面にもかけるとより効果的です。
パキラの病害虫対策
パキラによく見られる虫
パキラに多い虫としては、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、シロアリなどが挙げられます。
カイガラムシは葉の裏に付着し、アブラムシは新芽や葉に集まります。カイガラムシやアブラムシは、パキラの葉や茎から栄養を吸い取るだけでなく、病気を媒介することもあります。シロアリは地中から根を食べるため、発見が難しい場合があります。これらの害虫はパキラの成長を妨げ、枯れる原因になることもあります。また、大量発生すると駆除が難しいため、早期に対策することが重要です。
パキラの病害虫対策の方法
定期的に葉の表面を見て虫の有無を確認し、発見次第手早く駆除することが大切です。手作業で取り除くか、虫除けスプレーで駆除します。特にアブラムシは繁殖力が強いため、初期発見・初期駆除が重要です。虫除けスプレーを使用する際は、製品の使用方法をよく読み、適切な量を吹きかけるようにしましょう。また、駆除した後も定期的に葉の様子を確認し、再発防止に努めましょう。
パキラにシロアリが発生した場合は、専門の業者に依頼するか、市販のシロアリ駆除剤を使用することをおすすめします。また、シロアリは湿った場所を好むため、水やりを適度に控えることも大切です。
パキラは室内の鉢植えで育てやすいとされる観葉植物ですが、病害虫には注意が必要です。日頃のお世話を兼ねた定期的なチェックと適切な対策を行うことで、美しいパキラを長く楽しみましょう。
育て方のポイントを押さえて、美しいパキラに

パキラは初心者でも比較的簡単に育てることができる観葉植物ですが、育て方のポイントを押さえることでより美しい緑を楽しむことができます。パキラを家にお迎えしたら、ぜひ実践してみましょう。
水でうすめる有機肥料

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水でうすめてミストするサプリ

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