ジャガイモの栽培方法
ジャガイモ
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ジャガイモは蒸す・炒める・揚げるなどして単体で味わうことができるほか、潰せばコロッケやポテトサラダのメイン材料になり、カレーやシチューの具としても欠かせない存在です。
品種によって食感や風味が大きく異なるため、栽培するときは「こんな料理に使いたい」と考えながら品種を選ぶのも楽しいですよ。
栽培カレンダー
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栽培の流れ
![ジャガイモ栽培の流れ](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_17.png?v=1711614528)
①種芋の準備
種芋を発芽しやすくする「浴光催芽(芽出し作業)」や「種芋切り」などの作業になります。準備には2~3週間かかるため、植付時期から逆算して準備をします。
②土壌の準備
深くまでしっかりと耕して髙畝にします。
③①で準備した種芋を②の土壌に植え付けます。
④ジャガイモの芽かき後に「追肥」をして栄養を補いつつ、「土寄せ(土増し)」で芋の露出を防ぎます。
⑤ジャガイモの成長が旺盛で地表から露出しそうな場合は追加で「土寄せ(土増し)を行います。
最適土壌
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根が広がるため、30cmほどの深さまでしっかりと耕された土壌が適しています。
堆肥や腐植資材リフカ※₁で土をふかふかにするとより効果的です。
また、排水性の悪い土壌ではジャガイモが腐敗することがあるため、髙畝にすることもポイントです。
土壌pHが7.0以上になると「そうか病」が発生しやすくなるため、pHは5.5〜6.0に調整します。
前作の影響でpHが酸性に傾いている場合は、苦土石灰や土壌pHバランス材※₂などでpH調整をしましょう。
※₁※₂腐植資材リフカ、土壌pHバランス材は『自然暮らし』の商品です。
ジャガイモは種芋から育てる
![ジャガイモは種芋から育てる](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_6.png?v=1707274718)
ジャガイモはもともとウイルス病や細菌に感染しやすく、害虫も付きやすい野菜です。
そこで、最初からウイルスなどに感染していない種用の芋、「種芋」で栽培をします。
食用のジャガイモは植えない
厳しい検査で種芋検疫をクリアした芋だけが「種芋」として販売されています。
スーパーなどで売られている食用のジャガイモを種にすると、畑に病害が蔓延してしまう恐れがあるため、植えないようにしましょう。
<種芋の浴光催芽(芽出し作業)>2~3週間
![ジャガイモの浴光催芽](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_7.png?v=1716446182)
芽出し作業をすることで、ジャガイモの茎葉を大きく育てることができます。
また、栽培適期から多少外れても小さな芋にならず、大きく生育することが可能です。
- 弱い日が当たり、雨がかからない場所に種芋を置きます。気温は15~20℃をキープするようにすると芽が出やすくなります。
- 時々ひっくり返し、まんべんなく日が当たるようにします。
- 2~3週間で芽が1cmほど出れば芽出し成功です。
<種芋切り>2~3日
種芋は大きければ大きいほど芽が多く付き、芽を分けることでジャガイモを多く栽培できます。
芽を分けた際の切り口が湿った状態で植え付けると、切り口から腐敗してしまうため、乾燥させてから植え付けましょう。
![ジャガイモの芽出し作業](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_8.png?v=1707274717)
①強い芽が多く出ている部分を中心に、1辺が40~60gほどになるようにタテに切り分けます。
(1個が40~60gの種芋は切り分けずにそのまま使用します)
![ジャガイモの切り口の乾燥](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_9.png?v=1707274718)
②風通しのよい日陰で2~3日乾燥させます。
※草木灰、またはじゃがいもシリカを切り口に付着させることで腐敗を防ぐことができるため、乾燥作業が不要になります。
種芋を選ぶポイント
- 種芋の大きさが同じくらい(芽出しが揃いやすい)
- 芽の勢いが良く、0.5~1cm出てきている
- 根が出ていない(すでに根が出ていると、傷めてしまう)
種芋の大きさよりも、芽の勢いが良いものを選んだ方が最終的にたくさん収穫できます。
植付時期
3月~4月上旬、または8月中旬~9月中旬に植え付けます。
土壌の準備
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土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
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植付
プランター栽培の場合
![ジャガイモの植え付け(プランター栽培の場合)](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_10.png?v=1707274717)
ジャガイモは栽培途中に土を10㎝ほどの高さまで追加する「土寄せ」を行う必要があるので、プランターは深さが30cm以上の大きさのものがおすすめです。
①底石用の軽石を入れ、「土壌の準備」で調整した培養土をプランターの上部10cmより深い位置まで入れます。
②種芋の先端から地上までが8~10cm以上の深さになるよう深く穴を掘り、30㎝の株間をあけて植え付けます。※65型プランターの場合、2株を植え付けます。
③鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えます。
④害虫対策のため、防虫ネットをかけます。
畑栽培の場合
![ジャガイモの植付(畑栽培)](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_11.png?v=1716446182)
「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。
①排水性の悪い土地の場合は、高さが20cm以上の高畝にします。
②気温が低い時期に栽培する場合は、黒マルチを敷いて地温を確保します。
※黒マルチをすることで雑草対策や土寄せが不要になったりとメリットが多いですが、地温が高くなりすぎると品質低下につながるため注意しましょう
③30㎝の株間をあけて穴を掘り、深さ3~5㎝のところに種芋を置き、種芋が隠れるほどの土を上からかぶせます。
※定植後、畑が乾燥している場合はたっぷりと水を与えます。
水やり
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ジャガイモは、乾燥した痩せた土地での栽培が適しています。
土壌が多湿状態だと、腐敗の原因になるだけでなく、味も水っぽくなってしまいます。
畑の場合は畝をつくって排水性を良くすることを心がけましょう。基本畑の場合は水やりは必要ありませんが、極度に土が乾燥している場合は水を与えるようにしましょう。
芽かき、追肥と1回目の土寄せ
![ジャガイモの芽かきと土寄せ、追肥](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_12.png?v=1716446182)
芽かき
ジャガイモの植え付けから1ヶ月、地上に芽が10㎝以上出てきたタイミングで良い芽を選別する「芽かき」を行います。
芽かきのポイント
- 1株(1つの種芋)ごとに太くて元気な芽を2~3本残し、10㎝以下の細くて弱い芽は取り除きます。
- 摘み取る際は手で、芽の根元を持ちゆっくりと横に引っ張りながら引き抜きます。
※種イモごと引き抜いてしまわないように、株元の土を軽く押さえながら抜きます。
※途中で茎が折れてしまった場合は、抜けそうであれば引き抜き、抜けなかったときは数日待って伸びたところを再度引き抜いてください。
どうして芽かきが必要なの?
芽かきをしない場合、1つの株にできるイモの数は多くなりますが、小さめのイモになります。これはイモの栄養が分散してしまうからで、「芽かき」をすることで1つの芽からできるジャガイモの大きさが大きくなります。 プランターで栽培する場合でも、芽かきをした方が大きなジャガイモを収穫することができます。
追肥と1回目の土寄せ
芽かきの後のタイミングで、追肥と1回目の土寄せを行いましょう。
根の肥大化が始まるこの時期に適切な量の肥料を与えることで、収穫量を増やすことができます。
※ただし、窒素(N)成分が過剰になると葉が茂り、イモに栄養が回らなくなるので与え過ぎにはご注意ください。
土寄せのポイント
![ジャガイモの土寄せ](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_16.png?v=1711614528)
畑栽培の場合、株から伸びた根を傷つけないように畝の左右から土を寄せて5~10㎝の高さの土を盛ります。
プランターの場合は、5㎝ほどの高さに土を追加して土寄せとします。
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プランターや畑の大きさを入力して
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ジャガイモの「緑化」
ジャガイモは日光にさらされ続けると「緑化」といって表面から緑色に変化していきます。
これは本来は合成が抑制されている葉緑素が日光によって発現したことが原因です。
この緑色になったジャガイモは、ソラニンやチャコニンと呼ばれる毒素を多く含むため、大量に口にすると食中毒となることも。
この「緑化」を防ぐためにも、土寄せは大切な作業になります。
土寄せ(2回目)
2回目の土寄せは株の状況を観察しながら、このような場合に行いましょう。
- 畝がジャガイモの成長や雨などで崩れてしまっているとき
- ジャガイモの成長が旺盛で地割れし地中から出てきてしまいそうなとき
肥料不足とジャガイモの花
![ジャガイモの肥料不足の症状&花が咲いた後の追肥は効果が薄い](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_18.png?v=1711614341)
ジャガイモは植え付けから開花までに土壌の養分を吸収し、茎葉を伸ばすことでエネルギーを消費していきます。中には成長にエネルギーを使いすぎて体力が低下してしまった株もあるかもしれません。
下記のような症状がジャガイモに出ていたら、早めの追肥を行いましょう。
こんな症状は肥料切れかも?
- 下葉が黄化しているもの
- 全体的に葉の色が薄い緑~黄緑のような状態のもの
開花後は追肥の効果が低い
ジャガイモは開花したあと、『茎葉を維持』から『茎葉の養分をイモへ蓄える』生育に移行していきます。
ジャガイモが写真のように開花している場合、その後の追肥は効果が低いので追肥のタイミングには注意が必要です。
開花後に追肥するとどうなる?
開花後に追肥をすると『茎葉を維持する』活動を促してしまい、『茎葉の養分をイモへ蓄える』活動が低下してしまいます。肥料成分がイモを大きくするのに上手く使われずイモの肥大不良や奇形になる可能性があるため、開花する前に追肥を与えましょう。
※追肥後に開花する分には特に問題ありません。 また開花しない株もあるかもしれませんが収穫できるイモの量や大きさにはほとんど影響ないので、花が咲かなくても問題ありません。
収穫タイミング
![ジャガイモの収穫タイミング](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_14.png?v=1707274718)
収穫のタイミングは、ジャガイモの葉が黄色に変化してきた頃になります。
また、収穫後の腐敗を防止するため、晴れが続いており土壌が乾燥している時期を狙います。
①株元から20~30cm離れたところにスコップを差し込み、周りの土ごとジャガイモを掘り起こします。
②手で株を引き抜き、土の中に残ったジャガイモを拾い上げます。
![収穫後のジャガイモの乾燥](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_15.png?v=1707274718)
③日陰で半日程度、ジャガイモを乾燥させて腐りにくくします。
④日の光が当たらないところに保存します。
![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0744/3562/5272/files/potato_2.png?v=1707274718)
施肥量計算はこちら
肥料の与える量が分からないときは、
施肥量計算を行えるシミュレータで調べてみましょう。