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ジャガイモ(Solanum tuberosum)はナス科の多年生植物であり、世界中で広く栽培されています。ジャガイモの原産地は南米アンデス山脈地域とされ、16世紀にスペイン人によってヨーロッパに紹介され、その後世界中に広まりました。ジャガイモは現在、トウモロコシ・米・小麦に次いで世界で4番目に多く生産される作物となっています。主食やサイドディッシュ、スナックなどさまざまな料理に利用されており、日本においても、カレーライスや肉じゃが、ポテトサラダなどの家庭料理に欠かせない食材になっています。
ジャガイモは家庭菜園で人気の野菜で、深めのプランターを用意すれば少ないスペースでも育てることができます。この記事では畑での育て方だけでなく、プランターでの育て方も詳しく解説しています。初心者でも育てやすい野菜なので、ぜひ挑戦してみてください。
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ジャガイモは春先または夏の終わりに植え付けます。植え付けるまでの準備、特に①に時間がかかるため注意してください。
①種芋の準備
種芋を発芽しやすくする「浴光催芽(芽出し作業)」や「種芋切り」などの作業になります。準備には2~3週間かかるため、植え付け時期から逆算して準備をします。
②土壌の準備
深くまでしっかりと耕して髙畝にします。
③①で準備した種芋を②の土壌に植え付けます。
④ジャガイモの芽かき後に「追肥」をして栄養を補いつつ、「土寄せ(土増し)」で芋の露出を防ぎます。
⑤ジャガイモの成長が旺盛で地表から露出しそうな場合は追加で「土寄せ(土増し)を行います。
根が広がるため、30cmほどの深さまでしっかりと耕された土壌が適しています。
堆肥や腐植資材リフカ※₁で土をふかふかにするとより効果的です。
また、排水性の悪い土壌ではジャガイモが腐敗することがあるため、髙畝にすることもポイントです。
土壌pHが7.0以上になると「そうか病」が発生しやすくなるため、pHは5.5〜6.0に調整します。
前作の影響でpHが酸性に傾いている場合は、苦土石灰や土壌pHバランス材※₂などでpH調整をしましょう。
※₁※₂腐植資材リフカ、土壌pHバランス材は『自然暮らし』の商品です。
ジャガイモはもともとウイルス病や細菌に感染しやすく、害虫も付きやすい野菜です。
そこで、最初からウイルスなどに感染していない種用の芋、「種芋」で栽培をします。
食用のジャガイモは植えないよう注意
厳しい検査で種芋検疫をクリアした芋だけが「種芋」として販売されています。スーパーなどで売られている食用のジャガイモを種にすると、畑に病害が蔓延してしまう恐れがあるため、植えないようにしましょう。
芽出し作業をすることで、ジャガイモの茎葉を大きく育てることができます。
また、栽培適期から多少外れても小さな芋にならず、大きく生育することが可能です。
種芋は大きければ大きいほど芽が多く付き、芽を分けることでジャガイモを多く栽培できます。
芽を分けた際の切り口が湿った状態で植え付けると、切り口から腐敗してしまうため、乾燥させてから植え付けましょう。
①強い芽が多く出ている部分を中心に、1辺が40~60gほどになるようにタテに切り分けます。
(1個が40~60gの種芋は切り分けずにそのまま使用します)
②風通しのよい日陰で2~3日乾燥させます。
※草木灰、またはじゃがいもシリカを切り口に付着させることで腐敗を防ぐことができるため、乾燥作業が不要になります。
種芋を選ぶポイント
種芋の大きさよりも、芽の勢いが良いものを選んだ方が最終的にたくさん収穫できます。
3月~4月上旬、または8月中旬~9月中旬に植え付けます。
土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにしつつ初期生育に必要な栄養を準備します。
・pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
(土壌pHが7.0以上になると「そうか病」が発生しやすくなるため、pHは5.5〜6.0に調整します。)
・元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
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ジャガイモは栽培途中に土を10㎝ほどの高さまで追加する「土寄せ」を行う必要があるので、プランターは深さが30cm以上の大きさのものがおすすめです。
①底石用の軽石を入れ、「土壌の準備」で調整した培養土をプランターの上部10cmより深い位置まで入れます。
②種芋の先端から地上までが8~10cm以上の深さになるよう深く穴を掘り、30㎝の株間をあけて植え付けます。※65型プランターの場合、2株を植え付けます。
③鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えます。
④害虫対策のため、防虫ネットをかけます。
「土壌の準備」で土壌を調整しておきます。
①排水性の悪い土地の場合は、高さが20cm以上の高畝にします。
②気温が低い時期に栽培する場合は、黒マルチを敷いて地温を確保します。
※黒マルチをすることで雑草対策や土寄せが不要になったりとメリットが多いですが、地温が高くなりすぎると品質低下につながるため注意しましょう
③30㎝の株間をあけて穴を掘り、深さ3~5㎝のところに種芋を置き、種芋が隠れるほどの土を上からかぶせます。
※定植後、畑が乾燥している場合はたっぷりと水を与えます。
ジャガイモは、乾燥した痩せた土地での栽培が適しています。
土壌が多湿状態だと、腐敗の原因になるだけでなく、味も水っぽくなってしまいます。
畑の場合は畝をつくって排水性を良くすることを心がけましょう。基本畑の場合は水やりは必要ありませんが、極度に土が乾燥している場合は水を与えるようにしましょう。
芽かき
ジャガイモの植え付けから1ヶ月、地上に芽が10㎝以上出てきたタイミングで良い芽を選別する「芽かき」を行います。
※種イモごと引き抜いてしまわないように、株元の土を軽く押さえながら抜きます。
※途中で茎が折れてしまった場合は、抜けそうであれば引き抜き、抜けなかったときは数日待って伸びたところを再度引き抜いてください。
どうして芽かきは必要?
芽かきをしない場合、1つの株にできるイモの数は多くなりますが、小さめのイモになります。これはイモの栄養が分散してしまうからで、「芽かき」をすることで1つの芽からできるジャガイモの大きさが大きくなります。 プランターで栽培する場合でも、芽かきをした方が大きなジャガイモを収穫することができます。
追肥と1回目の土寄せ
芽かきの後のタイミングで、追肥と1回目の土寄せを行いましょう。根の肥大化が始まるこの時期に適切な量の肥料を与えることで、収穫量を増やすことができます。
※ただし、窒素(N)成分が過剰になると葉が茂り、イモに栄養が回らなくなるので与え過ぎにはご注意ください。
畑栽培の場合、株から伸びた根を傷つけないように畝の左右から土を寄せて5~10㎝の高さの土を盛ります。
プランターの場合は、5㎝ほどの高さに土を追加して土寄せとします。
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ジャガイモは日光にさらされ続けると「緑化」といって表面から緑色に変化していきます。
これは本来は合成が抑制されている葉緑素が日光によって発現したことが原因です。
この緑色になったジャガイモは、ソラニンやチャコニンと呼ばれる毒素を多く含むため、大量に口にすると食中毒となることも。
この「緑化」を防ぐためにも、土寄せは大切な作業になります。
2回目の土寄せは株の状況を観察しながら、このような場合に行いましょう。
ジャガイモが写真のように開花している場合、その後の追肥は効果が低いので追肥のタイミングには注意が必要です。
開花後に追肥するとどうなる?
開花後に追肥をすると『茎葉を維持する』活動を促してしまい、『茎葉の養分をイモへ蓄える』活動が低下してしまいます。肥料成分がイモを大きくするのに上手く使われずイモの肥大不良や奇形になる可能性があるため、開花する前に追肥を与えましょう。
※追肥後に開花する分には特に問題ありません。 また開花しない株もあるかもしれませんが収穫できるイモの量や大きさにはほとんど影響ないので、花が咲かなくても問題ありません。
収穫のタイミングは、ジャガイモの葉が黄色に変化してきた頃になります。
また、収穫後の腐敗を防止するため、晴れが続いており土壌が乾燥している時期を狙います。
①株元から20~30cm離れたところにスコップを差し込み、周りの土ごとジャガイモを掘り起こします。
②手で株を引き抜き、土の中に残ったジャガイモを拾い上げます。
③日陰で半日程度、ジャガイモを乾燥させて腐りにくくします。
④日の光が当たらないところに保存します。
ジャガイモには多くの種類があり、それぞれの品種には特有の特徴と用途があります。
男爵(だんしゃく)
日本で広く栽培されている「男爵(だんしゃく)」は、ホクホクとした食感が特徴で、ポテトサラダやコロッケに最適です。
男爵はジャガイモ栽培の中でもポピュラーな品種で、初心者にも栽培しやすいとされています。また、病害にも比較的強いため、安定した収量が期待できます。
メークイン
「メークイン」は、煮崩れしにくい性質を持ち、カレーやシチュー、ポトフなどの煮込み料理に適しています。また、揚げ物にも向いており、フライドポテトやポテトチップスとしてもお楽しみいただけます。メークインは収穫後の保存性が高く、長期間鮮度を保つことができます。
キタアカリ
「キタアカリ」は、甘みが強くビタミンCを豊富に含んでおり、サラダやスープに適しています。キタアカリは育てやすく、家庭菜園において人気の品種です。収穫後も比較的長期間保存することができます。
インカのめざめ
「インカのめざめ」は、黄色がかった鮮やかな肉色が特徴で、甘みとコクがあり、グリルやフライドポテトなどのシンプルな調理でも美味しくいただくことができます。比較的小粒ですが、その豊かな風味と滑らかな食感が多くの料理愛好家に支持されています。栽培にはやや手間がかかるものの、その美味しさから挑戦する価値がある品種です。
アンデスレッド
「アンデスレッド」は、赤い皮とクリーミーな食感が特徴で、サラダや蒸し料理に最適です。家庭菜園においてはそのユニークな見た目のため人気が高く、病害に対する耐性も比較的高く、育てやすさも魅力の一つです。
シンシア
「シンシア」は、フランス原産で、しっとりとした食感が特徴です。ポタージュやピューレに適しており、クリーミーな料理に向いています。比較的病害に強く、収穫量も安定しているため、家庭菜園でも栽培しやすい品種です。
デジマ
「デジマ」は日本で育成された品種で、収穫が早いことが特徴です。家庭菜園でも人気があり、ホクホクとした食感と甘みが特徴です。特にポテトサラダやマッシュポテトに向いています。
初心者の方は、栽培期間や地域の気候条件に合った品種を選ぶことが栽培成功の近道です。
慣れてきたら、用途に合わせてジャガイモの品種を選んでみましょう。
ジャガイモの育て方をマスターすることで、家庭菜園ライフはさらに楽しく、充実したものになります。初心者でも取り組みやすいジャガイモ栽培ですが、いくつかのポイントを押さえることで成功率が大幅に向上します。また、ジャガイモ栽培の成功体験は、他の野菜栽培にも応用でき、家庭菜園全体のスキルアップにも繋がります。ジャガイモの育て方をマスターし、楽しい家庭菜園ライフを始めましょう。
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