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肥料は、植物の成長を促し、野菜においては収穫量や品質を向上させるために必要不可欠なものです。
特に、トマトやミニトマトは肥料に対する反応が良く、適切に肥料を与えることで健全に育ち、結果的にたくさん収穫することに繋がります。ところが最適な肥料の種類や量、タイミングはトマトの成長具合や土壌の状態により変わるのでトマトの栽培に慣れていない初心者にはなかなか判断が難しいところです。
この記事では、プランターや畑など家庭菜園でトマトを栽培するのに必要な肥料の成分や選び方、おすすめの使用方法などを詳しく解説します。これからトマトを栽培しようと考えている方、すでに栽培を始めているけれど、たくさん収穫が出来ない、美味しくて甘いトマトが栽培できないなど品質に満足していない方は、ぜひ参考にしてください。
元肥とは、苗を植える際(植付)や種まきの前に、土壌に混ぜこんでおく肥料のことです。
栄養分をあらかじめ土壌に供給しておくことで、トマトの苗の初期段階の成長を助けます。元肥として使用する肥料に含まれる主要な成分は窒素、リン酸、カリウムで、これらはトマトの健全な成長と良い実をつけるために必要不可欠な肥料成分です。
窒素は葉の成長と色づけを助け、リン酸は根の発達と花や実の形成を促進します。また、カリウムは病害虫への抵抗力を高め、生育を安定させます。これらの肥料成分がバランスよく含まれた元肥を選ぶことが重要です。また、トマトは比較的カルシウムを多く必要とする作物であるため、カルシウムを含む肥料を選ぶこともおすすめです。
トマトはたくさんの葉と花をつけて旺盛に成長する植物です。そのため、成長初期に与えられた元肥だけでは栄養が不足してしまいます。栽培の途中に与える肥料が追肥になりますが、追肥の主な役割は、最初に元肥で与えた栄養分の「補充」や「補給」であり、トマトの成長に必要な栄養素(肥料成分)が不足ししないように補充を行います。
追肥のタイミングは、トマトの成長過程で栄養分が消費される速度が影響します。成長初期に与えた肥料=元肥(もとひ、もとごえ)の栄養分がある程度残っている場合でも、トマトの成長に伴い、特に開花時期や実が肥大してくる時期には大量の栄養が必要となります。特に窒素、リン酸、カリウムといった主要な肥料成分を補給する必要があり、追肥はこれらの肥料成分を適時に補給することで、トマトの健全な生育と豊富な収穫を支える役割を果たします。また、追肥を適切に与えることでトマトが健全に育つので、病害虫の予防やストレスからの回復にも役立つ効果が期待できます。
一方追肥の量や与えるタイミングは慎重に調整する必要があります。肥料は適切な量を超えて与えると、葉が大きく沢山茂って実がならない過繁茂や肥料によって根や葉が枯れてしまう肥料焼けなどになり、逆にトマトの生育に悪影響を及ぼす可能性があるからです。また、肥料の種類や土壌の状態によっても最適な追肥の方法は変わるため、注意が必要です。
トマトの栽培においては多くの肥料成分が必要となりますが、その中でもカルシウムは特別な役割を果たします。
カルシウムは、トマトの成長を助け、果実の品質を向上させる役割を果たします。また、トマトの細胞壁を強化することで、病気や害虫から植物を守るために不可欠な成分でもあります。一方でカルシウムが不足すると、トマトの生育に様々な問題を引き起こします。例えば「底部腐敗病(尻腐れ)」などの症状が出ることがあります。
さらにカルシウムが不足するとトマトの果実が正常に形成されず、奇形になり収穫量が大幅に減少する原因となります。
それではカルシウムを多く与えればよいのかといえばそうではなく、やはり適切な量のカルシウムを供給することが大切です。過剰なカルシウムは逆にトマトの成長を妨げる可能性があるため、カルシウム入りの肥料を与える場合には施肥量に注意が必要です。
トマトの生育と収穫量を向上させるためにも、適切なカルシウム量を与えましょう。
肥料と言っても様々な種類の肥料があり、成分はもちろん、形状も粒状のものから液体のものまで数多く存在します。ここでは、どのような肥料が家庭菜園のトマト栽培におすすめか解説いたします。
有機質を原料に配合している肥料は、有機質が土に住む微生物によって分解され、植物が吸収しやすい形に肥料成分が変化することで効果を発揮します。そのため効き始めの効果はゆっくりですが、土の微生物を活性化させることで土の環境を改良させながら、長く緩やかに植物へ肥料成分を供給することができます。
また、粒状の肥料は水やり等で緩やかに粒が崩壊し、肥料成分が土壌に供給されるため、より長く効かせることが可能です。
トマトは花と実をたくさんつける野菜なので、必要とする肥料成分も多くなります。そのため有機質の原料だけを使用した有機100%の肥料を栽培に使用すると、肥料の効き方が遅いので成長が遅れてしまう可能性があります。この場合は速効性の効果が高い液体肥料で補ってあげるか、有機質原料に加えて速効性の化学肥料も配合された有機化成肥料を使用することをおすすめします。有機化成肥料は有機のゆっくりとした肥効と化学肥料のすばやく効く肥効の2つを合わせた肥料で、肥料成分が途切れることなく、大きくて甘いトマトに成長させることが出来ます。
リン酸(P)とカリ(K)中心に植物へ養分を供給する肥料を「PK肥料」と呼びます。
「美味しい実をたくさん付ける」ために、リン酸(P)とカリ(K)は非常に重要な肥料成分となっています。
おすすめの肥料:アシスト材(トマトおすすめセット内商品)
PK肥料の良い点は、トマトに窒素(N)成分を与えることなくリン酸(P)とカリ(K)を供給できることです。
こちらの肥料は、窒素(N)入りの肥料と併用もしくは追肥として使用するものになります。
しかし、なぜわざわざ窒素(N)が入った肥料と分けて使用するのか?と思いますよね。
ミニトマトとトマトは窒素過多で実が付かなくなります。それは、トマトの「実付き」と「窒素成分」の関係にあります。
トマトは草勢(葉や茎が成長する勢い)が強くなりすぎて過繁茂になると、茎がまっすぐ伸びなくなり、さらには花が咲いても実が付かなくなります。
これは土壌水分の過多や若苗を定植した場合、1~2段果房が着果不良になった場合などに起こりますが、「窒素成分の過多」が主な原因で発生する症状となります。
『肥料を与えて美味しい実を付けたい、でもこれ以上窒素(N)を与えると過繁茂になってしまう…』
そんなお悩みを解決する肥料が、窒素成分が含まれていない「PK肥料」です。「PK肥料」であればリン酸(P)とカリ(K)のみを効果的に供給することができます。
『せっかく植え付けたけれど、トマトの草勢が弱くて茎が太くなりにくい…なんだか葉っぱに元気がない…』
そんな時に活躍するのが速効性の高い「液体肥料」です。
肥料成分が水にすでに溶けているため、根からすばやく肥料成分を吸収させることができるので、トマトの成長をすぐに助けることができます。
水に溶けているためそのまま流れてしまう場合もあり、肥料効果が長続きしない分、与える回数は多くなりますが、窒素過多にならないよう様子を見ながら与えていきましょう。
家庭菜園のトマト栽培には、有機化成肥料など緩効性の粒状の肥料と、液体肥料を併用しての栽培がおすすめです。
トマトはカルシウムを多く必要とする野菜です。カルシウムが不足すると果実の先端部分が黒く変色し、収穫量が大幅に減少する恐れがあります。
そこで役立つのがカルシウム肥料です。
カルシウム肥料は、トマトが十分なカルシウムを摂取できるようにするための肥料で、直接土壌に与えたり、葉面散布したりすることでトマトのカルシウム不足を補います。
また、カルシウム肥料は生育初期から終盤まで一定量を定期的に与えることが重要で、特に成長が旺盛な時期や結実期には欠かせません。トマトの健全な成長と豊富な収穫を実現するためにも、カルシウム肥料の適切な使用を心掛けましょう。
元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)を1週間前に混ぜ込んでおきます。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材のみを与えます。
追肥は基本的には植え付け日から30日毎に与えます。
日々トマトの成長を観察することができる場合は、奇数段目(段:花が付いた枝の順番)の花房の大きさを目安に与えましょう。
1回目:第1段目の花房がピンポン玉の大きさになったとき
2回目:第3段目の花房 〃
3回目:第5段目の花房 〃
1回目:第1段目の花房が膨らみはじめたとき
2回目:第3段目の花房 〃
3回目:第5段目の花房 〃
水でうすめる有機液肥のボトルをジョウロに2~3プッシュして水1Lで薄めたものを、7日に1回与えます。
上記の粒状肥料の追肥と液肥を併用しても問題はありません。
ただ、トマトの葉の色が濃くなり、草勢が強くなりつつある場合には液肥の使用を控えて、様子を見てください。
元肥を与える前や、栽培中に施用することで、尻腐れを予防することができます。
すでに欠乏症状が発生している場合には、症状が現れた果実は摘除し、速効性の水溶性資材(カルシウム入り液肥)で対応しましょう。
家庭菜園で使用する肥料の適切な量は、植物の種類や肥料の種類、さらにはプランターや畑など栽培する面積によって異なります。
自然暮らしの「トマトおすすめセット」または「美味しい野菜のための肥料」シリーズをご使用いただく場合は、「肥料シミュレーター」を利用して施肥量を簡単に計算することができます。
肥料シミュレーター
肥料の種類、プランターや鉢の大きさor畑の面積を入力して
施肥量計算が簡単にできるシミュレータで調べてみましょう。
「使用する肥料の種類」、「野菜の種類」、「プランター・鉢の大きさor畑の面積」を入力するだけで適切な施肥量をご案内します。
「トマトおすすめセット」の場合は「PK肥料(アシスト材)」の最適な量もご案内しています。
ぜひ「肥料シミュレーター」利用して、家庭菜園で甘くて美味しいトマト栽培にチャレンジしてみてください。
適切な肥料はトマト栽培において重要なポイントですが、そもそも与える土壌の状態によって肥料の効果は大きく変化します。
家庭菜園でトマト栽培を成功させるためには、トマトの苗を植え付ける前に、しっかりと土壌改良をして、根を張りやすく、肥料成分を吸収しやすい環境に整えてあげることが大切です。
酸性、アルカリ性の程度を示す「pH」。
なぜ栽培に「pH」が重要なのかというと、土壌が酸性やアルカリ性に偏っていると植物は特定の養分が吸収しにくくなってしまうためです。
つまり土壌のpHが最適でなければ、いくら肥料を与えても植物が肥料成分を吸収することができずに生育が悪くなってしまう、というわけです
トマトはpH6.0~6.5の土壌での栽培が最適な野菜です。
畑栽培でもプランター栽培でも、降雨や水やりによって、土壌は酸性に傾きがちになります。
まずは土壌pHを苦土石灰や土壌pHバランス材※1で整えてから苗を植え付けましょう
※1 「土壌pHバランス材」は「自然暮らし」の「土壌改良材セット」に含まれています
また、土壌の肥沃度も確認しましょう。
土壌がやせている場合、より多くの肥料が必要となりますが、既に肥沃な土壌では肥料成分が過剰になる可能性があります。
新品の培養土の袋に「肥料入り」と書かれている場合は、元肥となる窒素、リン酸、カリウムの肥料成分がすでに含まれています。
そのような培養土に、元肥としてさらに肥料を大量に与えると、土壌の肥料濃度(EC)が高まりトマトの根を傷めてしまう「肥料焼け」の恐れがあります。
「肥料入り」の新品培養土を使用する場合は、元肥の使用を控え、トマトの様子を見ながら液体肥料や粒状肥料で追肥をすると良いでしょう。
畑であれば、基本的には元肥を使用して栽培をスタートします。
ただし、肥料や堆肥を多く投入していたり、特定の作物を続けて栽培している場合は土壌中の肥料成分が偏っている可能性があります。
成分が偏ると肥料成分の吸収が不十分になり生育低下の原因となるほか病害虫の発生確率が高まるため、肥料や堆肥は適切な量を心がけましょう。また、同じ場所で特定の作物を連続して栽培※₁せず、場所を変えたり異なる野菜を育てたりして、土壌中の肥料成分や微生物のバランスを取るようにすると良いでしょう。
※₁トマト、ジャガイモ、ナスといったナス科の植物は連続して同じ場所で育てると連作障害を起こし、病害にかかり収穫量が大幅に減少することがあります。地植えの場合は一度栽培した場所は3~4年空ける、またはローテーションで他の野菜を植えると良いとされています。
さらに、トマトの植え付け前には土壌の排水性も確認します。根は土の中で空気を吸って呼吸しています。排水性が悪く、過湿状態になりやすい土壌は酸欠状態にあり、トマトの根が呼吸出来ず、根張りが悪くなり、最悪の場合は根腐れを起こしてしまいます。
肥料や水を吸収する大切な器官である「根」を増やすためにも、排水性を高めましょう。
畑が粘土質土壌の場合は、土壌改良材を使用しつつ、畝(うね)を高くすることで排水性を高めることができます。
成長に合わせて適切な元肥の量や追肥として液肥や粒状肥料を与えることで、トマトやミニトマトは元気に育ち、美味しくて甘い実をたくさん付けることができます。
家庭菜園でミニトマトやトマトを栽培しているけどたくさん収穫が出来ない、肥料を与えても美味しいトマトが収穫できない、という時は基礎となる土壌改良と肥料の選定や与え方を見直してみてください。
自然暮らし編集部
自然暮らし編集部は、植物や肥料のプロのライターチームです。
植物・野菜・肥料の使い方について、専門家からの知識やノウハウを発信していきます。
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