2025.01.15
ナス栽培に最適な肥料の種類と与え方&過不足の見極め方
夏の暑さに強く、つややかな実をたくさん付ける「ナス(茄子)」。次々に実を付けるため、肥料を多く必要とする野菜の一つです。ここでは、適切な施肥量やタイミングをイラスト付きで分かりやすくご紹介しています。
ナス栽培の基本
ナスの栽培方法とカレンダー
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ナスの栽培方法はこちら
《ナスの育て方|プランター栽培、肥料の与え方も解説》
ナス栽培に適した環境

ナスは保水性が高く、排水性も良い、肥沃な土での栽培が適しています。また、日差しを浴びて大きく成長するため、日当たりの良い場所で育てましょう。
プランター栽培の場合
ナスは根が深くまで成長する野菜です。鉢やプランターは、深さが30㎝以上ある深めのタイプがおすすめです。
肥料の種類と選び方
ナス栽培に適した肥料の成分
ナス栽培において特に必要とされる肥料の成分は、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)です。窒素は葉や茎の成長を促進し、リン酸は根の発育や開花、結実を助けます。カリウムは果実の品質向上や病害抵抗性を高める役割を果たします。この3つの肥料成分をバランスよく与えることがナス栽培の基本です。
基本からステップアップ
ナスは果実を多くつけるため、特にカリウムを多く必要とします。成長初期には窒素を多めに含む肥料を使用し、開花から結実期にかけてはリン酸とカリウムを重視した肥料に切り替えると効果的です。また、マグネシウムや微量要素も重要です。マグネシウムは光合成を、カルシウムは細胞壁の強化をサポートするため、これらの成分を含む肥料を選ぶと良いでしょう。
有機肥料と化成肥料の違い、使い分けポイント
有機質は、土壌中の微生物が分解する過程を経ることで、窒素(N)成分として根から吸収できるようになります。植物が栄養として利用できるようになるまで時間がかかる一方、ゆっくり長くナスに栄養を与えることが可能なため、元肥※にピッタリです。ただし、肥料の供給スピードは微生物の働きに左右されやすく、寒い冬などの時期は遅く、暖かい時期は冬よりも早くなります。
一方で、「化成肥料」は「有機肥料」とは異なり微生物の分解過程が少ないため、比較的早く効かせることができます。中にはジシアンジアミド(Dd)やウレアホルム(UF)が配合されているものも存在します。これらを配合している化成肥料は、有機ほどではないものの、窒素成分の分解がゆっくりになるため、長期間効果を発揮することが可能です。
じっくり少しずつ肥料成分を与えたい場合には「有機肥料」を、急いで与えたい時や株が弱々しい場合は、速効性の「化成肥料」の使用がおすすめです。
液体肥料
さらに短期間で効かせたい場合は「液体肥料」がおすすめです。肥料成分が水に溶け込んでいる「液体肥料」は根からすぐに吸収されます。一方で雨や水やりで土から流れやすいため、効果は長続きしません。有機肥料、化成肥料との併用がおすすめです。
肥料の与え方とタイミング
肥料を与える前の土壌調整

ナス栽培に適した土壌pHは6.0~6.5で、酸性土壌を嫌います。
土壌pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込んでおくことで、土壌pHが整ったふかふかで排水性と保水性の良い土になります。さらに排水性を高めるため、プランターの場合は底石用の軽石を使用し、畑の場合は畝をつくりましょう。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
自然暮らしおすすめ
pHを矯正しながら
土壌をふかふかに改良
土壌をふかふかに改良
土壌改良材セットは、pH調整材と腐植たっぷりの「リフカ」がセットになった商品です。酸性に傾きがちな土壌をpH調整材が矯正。また、「リフカ」は従来の土壌改良材よりも少ない量(65型プランターでは付属スプーンで2~3杯)で土をふかふかにするので、改良する度に土が増えてしまうお悩みを解決します。
なぜ土壌のpHが重要?
肥料成分は土壌pHが弱酸性(6.0~6.5)の範囲で溶けだしやすいという性質があります。そのため、ナスを含めた多くの植物がpH6.0~6.5の弱酸性で育ちやすくなっています。(ブルーベリーなど、一部例外の植物も存在します)
元肥の与え方
元肥と副資材(ミネラル材、アシスト材)は適量を、苗を植え付ける1週間前に混ぜ込んでおきます。元肥には有機入りの肥料や、緩効性成分を配合した化成肥料がおすすめです。
※プランター栽培で培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材、アシスト材)のみを与えます。
追肥の与え方

ナスはたくさんの果実をつけながら成長していく作物のため、定植して20日~30日経過したら1週間~10日に1回を目安に肥料を与えて樹勢※を維持しましょう。
※樹勢:「木の生育の勢い」のこと
肥料シミュレーターでナスに最適な施肥量を自動計算
肥料は適量を与えることが重要ですが、畑、プランター、鉢のサイズはご家庭によってばらばらで、正確な量が分からないという方も多いはず。
自然暮らしの「肥料シミュレーター」であれば、肥料の種類と野菜の種類をお選びいただき、栽培する面積やプランター・鉢の大きさを入力することで「元肥」「追肥」の適切な量を自動で算出いたします。
施肥量計算はこちら
プランターや畑の大きさを入力して
肥料の量を簡単計算
肥料不足の症状と対策

ナスの花を観察することで、健康状態を調べることができます。
①健康なナス:【長花柱花】おしべ(黄色のやく)よりも、めしべ(やくの真ん中の花柱)が長い状態。花のサイズも大きく色も濃く健康
②栄養が不足しつつあるナス:【中花柱花】おしべ(黄色のやく)と、めしべ(やくの真ん中の花柱)が同じ長さの状態
③栄養不足のナス:【短花柱花】おしべ(黄色のやく)より、めしべ(やくの真ん中の花柱)が短い状態
肥料不足や、日照不足、高温などで樹の勢いが弱ってくると②③のような栄養失調の状態になり、花に実がつかず落ちてしまうようになります。
追肥を施したり、プランターの場合は日当たりの良い場所に置き換えたりして、ナスの健康状態を良くしていきましょう。急いで肥料成分を供給したい場合は、液体肥料を1週間に1回を目安に与えると良いでしょう。
ナスにおすすめの肥料
有機と化成のWパワーで早く効いて土壌も改良「有機ダブルセット」

有機と化成のいいとこ取り
有機ダブルは有機と化学肥料の2つを配合した化成肥料です。有機質はゆっくり長く効くことが特徴ですが、分解するまで時間がかかり、本当に効かせたい時期を逃してしまう…なんてことも。有機ダブルは化学肥料の成分が早く効くので、有機質が分解されるまでしっかり生育を促進。後追いで有機質が分解されて効果を発揮します。
土壌改良しながら生育&臭いが少ない
有機を配合しているので、分解者である微生物を豊かにして土壌を改善!野菜の生育に役立つと同時に、育ちやすい土壌環境へと整えます。また、有機特有の臭いが少なく、ご近所との距離が近いお庭やベランダでも安心してご使用いただけます。
有機で地力アップ、持続力に自信あり◎
良質な有機を含んだ化成肥料だから、施肥しながら土づくりも出来る。
プロの農家も使用する3種類の肥料(元肥、追肥、ミネラル材)で効果アップ。美味しい野菜に育てる
ゆっくり長く効くから、日頃のお世話も楽々。植物も元気に育って収量アップ。※緩効性成分ジシアンジアミド(Dd)を配合
ミネラル材のサプリメント効果で野菜の健康維持と品質向上。※ミネラル:マグネシウム、マンガン、ホウ素など
- 有機で地力アップ、持続力に自信あり◎
- 良質な有機を含んだ化成肥料だから、施肥しながら土づくりも出来る。
- プロの農家も使用する3種類の肥料(元肥、追肥、ミネラル材)で効果アップ。美味しい野菜に育てる
- ゆっくり長く効くから、日頃のお世話も楽々。植物も元気に育って収量アップ。※緩効性成分ジシアンジアミド(Dd)を配合
- ミネラル材のサプリメント効果で野菜の健康維持と品質向上。※ミネラル:マグネシウム、マンガン、ホウ素など
ワンプッシュで計量簡単「水でうすめる有機液肥」

計量は「プッシュする」だけ
ワンプッシュで計量ができる便利な有機液肥です。
従来のキャップ計量では1mlのようなほんの少しの計量が難しく、かといってキャップ1杯は多すぎる…など、計量への悩みが多くありました。
さらには計量中に液だれして手が汚れたり、その液が結晶化してキャップが締まりにくくなったり…といった、キャップならではの問題も。
プッシュ式の「水でうすめる有機液肥」であれば、ワンプッシュするだけで1mlの有機液肥が出てくるので、誰でも簡単に計量ができます。
植物毎の規定回数をプッシュすれば、あとは水でうすめて植物にあげるだけ。
液だれの心配もなければ、キャップが締まらないといったトラブルも起きません。
有機由来のアミノ酸、キレート鉄を配合
有機由来のアミノ酸を含有しているため、植物の葉茎・果実・根の生育を速やかに促すことができます。
植物の光合成に大切な成分「鉄」を、吸収しやすい「キレート鉄」の状態で与えることができるので、光合成を活性化して丈夫な植物へと育てます。
葉面散布も可能
通常の2~3倍の水で薄めることで、葉面散布としてもお使いいただけます。
例えば、「通常は1Lの水に対して2プッシュ必要な植物」の場合は、「水の量を2Lにする」または「プッシュ回数を1回にする」ことで2倍に薄めることができます。
うすめた液は霧吹きに入れて、葉にかけてください。
- ワンプッシュで簡単に計量ができる、水でうすめる有機液肥
- 難しいキャップ計量の必要はなく、計量時の液だれで手や周囲が汚れる心配無し
- 草花、花木、果樹、芝、観葉植物、多肉植物、果菜、根菜、芋豆類、葉菜、ハーブ類など、様々な植物に幅広く使用可能
- 有機由来のアミノ酸を含有。植物が速やかに葉茎・果実・根をつくる
- 硝酸態窒素配合で、低温期でも植物が窒素成分を速やかに吸収可能
- キレート鉄配合で植物の光合成を活性化
ナスの栽培におすすめ
美味しい野菜に育てる
有機ダブル肥料セット
有機ダブル肥料セット
有機ダブルセットは、自然暮らしが自信をもっておすすめする、野菜用有機化成の肥料セットです。家庭菜園初心者の方でも有機の力で美味しい野菜づくりができます。肥料の量を自動で計算する「肥料シミュレーター」もご利用いただけます。
使いやすさと効果、デザインで選ぶなら
ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄とアミノ酸を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。

自然暮らし編集部
自然暮らし編集部は、植物や肥料のプロのライターチームです。
植物・野菜・肥料の使い方について、専門家からの知識やノウハウを発信していきます。
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