2025.01.28
イチゴ栽培のプロが教える|肥料の効果的な与え方
赤くて瑞々しい果実をたくさん実らせる「イチゴ」。甘くて美味しい果実をたくさん実らせるためには、肥料は必要不可欠な存在です。この記事では、効果的な肥料の与え方をイラスト付きで分かりやすく解説します。ご家庭で、大きくて美味しいイチゴを収穫してみませんか?
イチゴの栽培方法と肥料の重要性
イチゴの栽培カレンダー
※クリックまたはタップで拡大表示
なぜ肥料は重要なのか
イチゴは養分を土壌から吸収して成長し、次々に花を咲かせて実を付けます。もしも肥料が無い状態で育てると、栄養不足による成長停滞、着花不良や収穫量の減少が発生します。イチゴにとって肥料は欠かせない存在なのです。
イチゴ栽培におすすめの肥料
肥料成分

イチゴに必要な基本的な栄養素は、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の三大栄養素です。窒素は葉の成長を促進し、リン酸は根の発育や花芽形成の促進に寄与します。カリウムは植物の耐病性を高め、根の活性化や根張りの改善、また果実の甘みを増す効果があります。さらに、カルシウムやマグネシウム、微量元素(鉄、マンガン、亜鉛など)もイチゴの生育に欠かせません。カルシウムは細胞壁を強化し、果実の腐敗を防ぎます。マグネシウムは光合成を助け、植物全体の健康を維持します。微量元素はそれぞれの役割を果たし、全体的な栄養バランスを保つために必要です。
イチゴの栽培初期には、成長を促進するため窒素が多めの肥料を使用し、その後は果実の品質を向上させるためにリン酸とカリウムが多い肥料に切り替えると良いでしょう。
(固形)有機と化成肥料

有機肥料は、土壌中の微生物が有機質を分解する過程を経ることで、窒素(N)成分として根から吸収できるようになります。植物が栄養として利用できるようになるまで時間がかかる一方、ゆっくり長くイチゴに肥料成分を供給することができます。
一方で、イチゴに急いで肥料を与えたい時や株が弱々しい場合は、速効性の肥料がおすすめです。「化成肥料」は「有機肥料」とは異なり、微生物の分解過程が少ないため、比較的早く効かせることができます。
自然暮らしおすすめ
有機入り肥料で
甘くて美味しいイチゴをつくる
甘くて美味しいイチゴをつくる
イチゴおすすめセットは、元肥と追肥、アシスト材がセットになったイチゴ専用の肥料セットです。元肥と追肥の有機がマイルドに養分を与えつつ、イチゴが根を張る土壌環境を整えます。アシスト材は緩効性の有機原料「骨粉」を配合している有機入りPK化成肥料で、チッソによる葉や茎の過剰繁茂を防ぎながら、カリ成分により発根を促進させ、リン成分で花芽や果実の形成時期にしっかりアシストします。
液体肥料

液体肥料は水に溶けやすく、植物に速やかに吸収されるため、即効性が求められるシーンで特に有効です。イチゴの成長期には窒素、リン、カリウムのバランスが重要ですが、液体肥料はこれらの成分を適切に供給することができます。液体肥料のもう一つの利点は、施肥の頻度や濃度を調整しやすいことです。これは、イチゴの生育段階や環境条件に応じて、適切な養分を正確に供給するのに役立ちます。
イチゴ栽培におすすめの液体肥料はこちら
ワンプッシュで簡単計量
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥
水でうすめる有機液肥は、様々な植物にお使いいただける有機入りの液体肥料です。従来の分かりにくいキャップ計量とは異なり、ワンプッシュして水(1L~)でうすめるだけでOK。うすめて使うのでとても経済的です。さらにキレート鉄を配合しているので、光合成をサポートしながら丈夫に育てます。
肥料を与えるタイミングと方法
浅く根を張るイチゴは、水はけが良い土壌を好みます。そのため畑で栽培する場合は高畝にします。
また、イチゴの根は肥料焼けしやすいため、なるべく植え付け日よりも前もって土壌に肥料を混和して馴染ませておくと良いでしょう。
肥料の効果を高める土壌の準備

まずは土壌のpHを調整し、有機物でふかふかにすることでイチゴが肥料を利用しやすくなる環境に整えましょう。
特に、新品の培養土ではなく使い回しを続けている場合は、土壌が肥料や水分、空気を留める力が弱くなるため、収穫量が減少しやすくなります。土壌改良を行い、イチゴの収穫量を増やしましょう。
【土壌の準備方法】
pHの調整に苦土石灰または土壌pHバランス材※₁、堆肥または腐植資材リフカ※₂を植え付けの2週間前に土に混ぜ込む。
※₁土壌pHバランス材※₂腐植資材リフカは『自然暮らし』の商品です。
植え付け前の肥料の与え方(元肥)

イチゴ苗の植え付け適期は10月頃です。
苗を植え付ける前に、元肥として肥料を土に混ぜ込んでおきます。植え付けの1週間ほど前に済ませておくと、肥料が土壌に馴染み、苗に優しい状態になります。肥料の種類としては、長期間効果を発揮する緩効性の固形肥料がおすすめです。
プランター栽培などで、新品の培養土にあらかじめ肥料が入っている場合は、元肥は与えずに副資材(ミネラル材※)のみを与えましょう。
※ミネラル材、アシスト材は自然暮らしの商品です。
ミネラル材:マグネシウムと微量要素のみで構成された肥料
成長期における肥料の与え方(追肥)

追肥は11月中旬に1回、越冬後の2月中旬に1回、固形の肥料を与えます。
イチゴの根は肥料焼けしやすいので、必ず株元から10~15cm離して与えましょう。また寒さ対策と乾燥防止のためマルチまたは敷わらやもみ殻で土壌を覆います。
越冬後の追肥は、固形肥料の代わりに、リン酸が高めの液体肥料を与えても良いでしょう。その場合は、2月中旬~3月上旬に2週間に1回与えるようにします。
肥料を与える際の注意点
イチゴは根張りが浅い植物です。肥料をまく場所が株に近すぎると、根が肥料焼けを起こす可能性があります。肥料は株元から10~15cm離れた場所にまくようにしましょう。
元肥・追肥の肥料の量を調べるなら
プランターや畑の大きさを入力して
施肥量を簡単計算
肥料不足の見極め方


イチゴは肥料が不足してくると、葉やランナー、へたの色に変化が表れます。
下記の症状が出ている場合は、量を少な目に液肥や粒の肥料で追肥をして、様子を見てください。
- 葉の緑色が薄くなっている
- ランナーの色が赤い(肥料が十分に効いているイチゴのランナーは緑色をしています)
- イチゴのへたの部分が赤い(通常のへたの色は緑色をしています)
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自然暮らし編集部
自然暮らし編集部は、植物や肥料のプロのライターチームです。
植物・野菜・肥料の使い方について、専門家からの知識やノウハウを発信していきます。
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